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litsさんのレビュー
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  • ひとりぼっちの地球侵略(1)

    ひとりぼっちの地球侵略(1)

    小川麻衣子

    ゲッサン

    人を選ぶと思いますが雰囲気のある漫画です。

    絵自体は好感の持てるタッチで暖かみを感じるくらいですが、どことなく不気味で寂しげな雰囲気も漂う、不思議な読み味の漫画です。 まだ一巻なので、導入という感じではありますが、どちらかというと青年誌向きのテーマと思います。これを少年誌で連載できるのはすごいです。それくらい内容が地味なのです(笑)。おまえはひとりぼっちじゃない、と言うコマが、1ページ丸々使う大ゴマだったりしますから。 でも、このセンシティブな雰囲気は好きです。岬一と希にも好感を持ちました。先を読んでみたいと思わせる魅力は十分に持っていると思います。人を選びそうですが。 好きなシーンは、秘密基地で、岬一と希が読書をしてるシーン。二人の距離感と、沈黙を苦としない雰囲気が伝わってきて、とても良かった。この先どうなるのか、見届けてみたいです。

    4
    投稿日: 2017.02.26
  • ニューズウィーク日本版 (2017年2/28号)

    ニューズウィーク日本版 (2017年2/28号)

    CCCメディアハウス

    CEメディアハウス

    北朝鮮特集としては、少し薄味です。

    世界中で大きなニュースとなった金正男暗殺事件。白昼堂々、空港でVXガスを使っての犯行ということで、視覚的なインパクトも強い事件でした。あんなに簡単に人って死んでしまうんですね…。 本特集では、金正男氏を、殺す必要も価値もなかった没落貴族、という極めて冷徹な視点でとらえており、事件の舞台となったマレーシアと北朝鮮の地政学的な解説も交えていて、そこそこ読み応えはありました。 そこそこ…というのは、記事の分量が少なかったからです。トランプ政権への批判記事の方が熱くて長いくらい。アメリカにとって北朝鮮は、ミサイルが届かない限りは遠い国なのだということが、よくわかります(うがちすぎかな?)。 北朝鮮特集目当てだと、肩透かしを食らうかもしれません。他はいつも通りのクオリティです。

    1
    投稿日: 2017.02.26
  • この素晴らしい世界に祝福を! 7 億千万の花嫁【電子特別版】

    この素晴らしい世界に祝福を! 7 億千万の花嫁【電子特別版】

    暁なつめ,三嶋くろね

    角川スニーカー文庫

    ダクネス花嫁編、完結の巻

    表紙絵のダクネスが内容もメインの一巻です。内容的には前巻からのヒキもありますが、ほぼ単体で完成されている話の筋で、いつも通り安心して読めました。 このシリーズは、いかにカズマを動かすか?に手を替え品を替え…とやってきているところがありますが、いざ動き出すと疾走感があってがんがん読めます。なかなか動かないからこそ、カタルシス(?)があるのかもしれませんが、この巻でも苦労してます(笑)。 そこでというか、前半にクローンズヒュドラ戦を持ってきたり、前巻と違って、前半から熱い展開も織り交ぜているところは好印象でした。ダクネスの花嫁話はこれで二度目ですが、前回は消化不良なところもあったので、今回が完結編と言える内容だったと思います。黒幕さんも、しかるべき裁きを受けますし…。 おまけの小編は、笑えるところもありつつ、爽やかないい話で、まさにおまけ!って感じにうまくまとまっていると思います。食肉屋のくだりは吹きました(笑)。

    2
    投稿日: 2017.02.21
  • 地球のおわりは恋のはじまり(3)

    地球のおわりは恋のはじまり(3)

    タアモ

    デザート

    お互いがお互いを心の拠り所にしつつ物語は進みます。

    蒼の家庭事情を知る真昼。もっと重い話になるのかと思いきや、深く突っ込むところまではいかない。でも、蒼がいつも学校で眠そうにしてる理由や、なぜ女性を遠ざけるような態度をとるのかなど、蒼の内面が明らかになります。 蒼と真昼は相思相愛だし、スキンシップも多いのですが、不思議といちゃいちゃ感がないです。二人ともある部分で若者っぽくないからかな(笑)。お互いがお互いを心の拠り所としているような、優しい関係なんですよね。このままうまくいってほしいところですが、それじゃ漫画にならないわけで…。 意図せずして、気遣いがすれ違いを生み…。真夜サイドの視点のお話も良かったです。一見完璧に見える真夜も、悩みを抱えているんですよね、当然なんですけど。 次巻では、銀河と守屋さんが活躍するのでしょうか…?守屋さん可愛すぎます!でも、守屋さんが主人公だったら、物語が動かなかったかもね(笑)。

    2
    投稿日: 2017.02.19
  • 水滸伝 七 烈火の章

    水滸伝 七 烈火の章

    北方謙三

    集英社文庫

    やっぱり魯智深は最高です。

    前巻からの続きで、宋江一行が官軍に包囲されている場面から始まります。 宋江一行は一騎当千の武松や李逵がいるとはいえ、二桁に満たない人数、対する官軍は軽くその数千倍はいます。この絶体絶命の攻防と、それと並行する宋江救出の動き。いきなり熱いですが、さらに、この太原府の戦いと連動して、梁山泊西方の拠点である少華山に危機が迫ります。どちらも百八星から死者が出るほどの激戦となります…! 大規模な戦いが終わると、魯智深さんタイムです。今回は、遼との国境である雄州に出かけます。法外な勘定をふっかける店主を半殺しにした上で、結託していた役人を縛り上げて裸で路上に放り出し、騒ぎを聞き出動してきた治安軍の将に一騎打ちを挑んで破り、牢城に入れられると瞬く間に牢城の人心を掌握し…とやってることはめちゃくちゃなのに、どこか清々しさがあるのが魯智深なんですよね。水滸伝の空気を体現している人とも言えるでしょう。 ラストの展開は次巻への強烈な引きですね!死相が出てるぞ、と言われて、そのまま死んでしまうのか、あるいは?次巻も楽しみです。

    2
    投稿日: 2017.02.15
  • 賢帝の世紀──ローマ人の物語[電子版]IX

    賢帝の世紀──ローマ人の物語[電子版]IX

    塩野七生

    新潮社

    至高の皇帝、情熱家の皇帝、バランス感覚に優れた皇帝、それぞれの治世

    五賢帝の中でも安定した治世を現出した、トライアヌス、ハドリアヌス、アントニヌス・ピウスの三帝を扱ったのが本書です。 他の二帝である、ネルヴァは治世がそもぞも短く、マルクス・アウレリウスは帝国のほころびが顕在化し始めていた時代なので別扱いとなっています。 この巻で塩野さんが書きたかったのは、パクス・ロマーナの絶頂期、あるいは完成期、がどういうものであったかということだと思います。主人公はローマ帝国そのもので、皇帝そのものについては軽めな扱いです。ハドリアヌスはいろんな意味で濃かったので扱いも大きいですが(笑)。 これまでの記述の主軸となってきたタキトゥスの歴史書がない時代なだけに、かなり苦労されているなあ…と感じるところもありますが、良き皇帝の治世とはいかなるものかをローマ人視点で知るにはいい本だと思います。

    2
    投稿日: 2017.02.14
  • この素晴らしい世界に祝福を! 6 六花の王女

    この素晴らしい世界に祝福を! 6 六花の王女

    暁なつめ,三嶋くろね

    角川スニーカー文庫

    前半はちょい微妙ですが、後半から面白くなりました。

    この巻の舞台は主に王都となります。魔王軍に都まで攻め込まれているわりには、身分制度が強固すぎる印象で、舞台装置なのはわかりますが、最初の方は読んでてもあまり面白くないなーと思ってしまいました。 面白くなるのは、クリスが本格的に登場してからでしょうか。日本からこの世界に送られた人たちが持っていた神器がどうなるのか、前巻から気になるところだったのもあり、なかなか読み応えのある展開。 欲を言えば、他のパーティメンバーも絡んでくるともっと良かったんじゃないか、それまでの展開がやはり冗長に感じるというあたりでしょうか。それでも、読み終わりは爽やかなものがあり、次巻に期待って感じにまとまってるのはさすがだと思います(笑)。

    3
    投稿日: 2017.02.12
  • ダイヤのA(7)

    ダイヤのA(7)

    寺嶋裕二

    週刊少年マガジン

    徐々に増えていく登場人物

    桐生戦後半、ついに栄純が登板。ムカつくけど、あの人に受けてもらいたくてこの学校を選んだんだ、と御幸への複雑な(?)思いとともに強力打線に立ち向かいますが…? 最初に一年生での試合、続いて二軍での試合、そして今回の一軍での試合と、青道野球部内で色の違うチームでの戦いを描くことで、自然と登場人物を馴染ませつつ増やしていくのがうまいです。いきなり全員紹介しても覚えきれないしね。 この試合で栄純も成長の証を見せますが、この巻ラストでチームに暗雲が…。相変わらずヒキがうまいです(笑)。

    2
    投稿日: 2017.02.09
  • ダイヤのA(6)

    ダイヤのA(6)

    寺嶋裕二

    週刊少年マガジン

    練習試合の意味

    地獄の夏合宿の締めは強豪校との練習試合。初戦の桐生戦では、古谷が先発。疲れもあるし相当打ち込まれるだろうと予想する御幸ですが…? 古谷が次のステップに進むためにチームが後押しをし、古谷がバックを信頼する意識を持つように…。着実に成長している古谷の姿に刺激を受けつつ、栄純がリリーフで登場!ここで次の巻へ…強烈なヒキですね(笑)。 御幸の中学生時代を描いた番外編も、短いながらもまとまっていて良かったです。

    2
    投稿日: 2017.02.07
  • ニューズウィーク日本版 (2017年2/7号)

    ニューズウィーク日本版 (2017年2/7号)

    CCCメディアハウス

    CEメディアハウス

    彼が何を言うかではなく、何をするかを注視しようと米国紳士は言う。

    ついにトランプ時代が始まりましたが、なぜトランプが支持されたのか、という部分に焦点を当てた特集に紙面が大きく割かれています。 いろんな社会属性の人にインタビューしてますが、「彼はバカげたことを言うし、好きにはなれないが、彼はバカではない。」「一番差別的なのは、白人リベラルエリートだ。彼らとは会話が成立しない。」というあたりに、真因の一つがありそうです。 それにしても、リベラル派の大学や地域の中でトランプ支持だと公言しにくい空気があるというのは、少し驚きました。なんだかこういうのはイヤですね。 トランプ氏の大統領令については、冷静な分析が入っており、やみくもに騒いだりしないあたりは雑誌の品位かなぁ。北朝鮮と韓国の分析記事も面白かった。 個人的には、科学特集で、お酒を飲むとお腹は膨れているのに、何か食べたくて仕方がなくなる現象(?)について、もう少し細かくやってほしかったです(笑)。

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    投稿日: 2017.02.05
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