
【番外編】 守り人作品集 炎路を行く者
上橋菜穂子,二木真希子,佐竹美保
偕成社
『まだ、鳥が群れていたぞ』後で見たこの場面が今もずっと心に。
ヒュウゴという謎めいた、本当の敵か、いだく思いは同じくする見方かもわからない、もっと知りたいと思うこの人物が現れてからは、その存在が大きな割合を占めていました。 やっと最後に、この『炎路を行く者』。贈り物でした。 「ヨゴ皇国」のヒュウゴがいたからこそ、「新ヨゴ皇国」のチャグムを導けたのだと確信しました。
0投稿日: 2018.01.17
本日は、お日柄もよく
原田マハ
徳間文庫
『そして、ほんのりといとおしかった。』
まさに、心に残る名言のひとつがここにありました。(解説より) 何かあった時誰かに、また自分自身にそっと言ってあげたい、心あたたまることばだと思いました。心にずっと書き留めておきたいことばです。 登場人物名は大きな世界観を作り出すアイテムの一つだと思うのです。 こと葉さん、お兄さん、3歳の女の子、何と言ってもライバルの四角い名前など、これだけでもう、楽しくなっちゃいます!
0投稿日: 2018.01.08
遺跡発掘師は笑わない 元寇船の紡ぐ夢
桑原水菜
角川文庫
誰かが見つけて初めて、それが「歴史」になるのか。深いなあ!
幾重にもなるなぞが謎を呼び、それがまたねじれ絡んでいて、その上時代とも国とも交差していて、壮大なドラマの夢の先は? 読み応えは200%! でも、祭りのあとの「革手袋」の・・・は2倍に? 戦闘態勢ばっちりの萌絵さん、この度も頼もしいの一言!
0投稿日: 2017.12.23
遺跡発掘師は笑わない 元寇船の眠る海
桑原水菜
角川文庫
萌絵さんまたまた・・・!どうしてこうなるの!
『お祖母さんの説』というものが、そもそもの事の発端で、その証拠とは何なのか? 何百年もの長きに亘って歌い継がれてきた『子守唄』に繋がる、それがすべての答え!? 今までにはなかった水中発掘調査は、恐怖すら感じる作業で、毎回無事に上がって来て下さいと祈らずにはおれませんでした。 そしてなんと言っても無量くんの、人との関わり方が変化してきたのも見どころです。これからまだ二転三転あるのでしょうか?早く次巻に行きたい!
0投稿日: 2017.12.12
百年の記憶 哀しみを刻む石
三木笙子
講談社文庫
人間は二百万年近くも石を道具として使ってきたという事です。
それぞれの時代で、友情を育み、悩みながらも一途に突き進んで行く。 それぞれの友を大切に思う心は、静かで内に秘めた力強いものだけど、果たしてそれって・・・。 どこかで形を変えられてしまった約束の意味。 そうじゃないんだよ!と思いを込めた叫びは届くのか? 紫水晶・琥珀・翡翠・瑪瑙どれもが魅力的、でも触ると冷たい感触がする。 読んでいてそれと同じような、そんな感覚でした。でも最後は・・・。
0投稿日: 2017.12.01
午後からはワニ日和
似鳥鶏
文春文庫
メイさんの大いなるべろんべろんとボコさんのわっさわっさが癒し
それはもう魅力的で個性が光る飼育員さんたちの、お仕事奮闘記。 と思ったら、それ以外のいやそれ以上の、すごい立ちまわり劇にびっくり! 推理合戦?が、まじめなのか、冗談なのか(たぶん本気)とにかく笑うしかない。 飼われている動物たちとの、悩みながらも真摯な心の向き合い方を見ていて、この方たちに任して大丈夫なんだと、心から思いました。 動物観察と、人間観察がちょっと見る角度が変わっていて秀逸。
0投稿日: 2017.11.20
さよなら神様
麻耶雄嵩
文春文庫
地動説と天動説の違い程の驚愕が!
『後味の悪さ』ってどんなものなのか、興味を惹かれ、“読まなければよかった感”を期待していたのですが・・・。 「神様論」について、例えがユニークで、小学生に語らせるところがミソ!ツボ! あれれ?何かおかしいぞ!理解が及ばず思考回路が止まってしまい、読み返すはめに。これもあえて一考おもしろい。 最後はまさしく『さよなら、神様。』
0投稿日: 2017.11.11
【電子特別版】〈勾玉〉の世界
荻原規子
徳間書店
衛士と侍女が見守った、狭也と稚羽矢はどんな思いを?
日本のファンタジー『空色勾玉』縄文的、そして『NARUTO』『めぞん一刻』『ドラえもん』など続々と・・・。 考えたこと無かった事だらけで、これから読むファンタジーが更に面白くなりそうです! 大好きな作家さんお二人の、好きなものをひたすら揚げていく楽しさが、こちらにも伝わってきて、一つでも読んだ作品があれば、一緒にうなずけます。 荻原さんも驚きの、上橋さんの衝撃的な衝動!作品にもつながる理由が。
1投稿日: 2017.10.14
神様の御用人7
浅葉なつ
メディアワークス文庫
御用人は諦めない!へこんでもへこんでも!
『お月さま』 遠く離れていても、同じお月さまを見ているだけで、傍にいるような安心感。 明け方に白いお月さまを見つけると、あらら大変と思ってしまう。 穂乃香ちゃんが一歩前へ踏み出せたのも、『瑠璃色のお月さま』に出合えたから。 そして、そのお月さまは、月読命の希望になるはず! 長編の良いところがいっぱいで、良彦くんにも、神様たちにも目一杯とことん付き合えて、静謐で心温まる想いがじわじわと感じられました。
0投稿日: 2017.10.06
小さくても吉は吉
しとね,汐街コナ
ディスカヴァー・トゥエンティワン
まつりさんの秘めた思いは、ちゃんと届くのでしょうか?
やみ金正当化理論みたいのが面白くて、おっとっと危ない!納得寸前状態です。このまま突き進むのでしょうか? しかしここに来て、ほんわかとしたまつりさんの登場で・・・。あらら祥吉さんのペースも乱れてしまって、これが凶とでるか、吉に転ずるか! 麦茶なるもの、たこ焼きの哲学、博文くんてあの?・・・、対価構造、神話の主人公、などなどチャーミングで心に残るお話が盛りだくさんです。
0投稿日: 2017.08.15
