ココすけのままりんさんのレビュー
参考にされた数
572
このユーザーのレビュー
-
倫敦幽霊バラッド
行田尚希 / メディアワークス文庫
100年前のロンドンの活気が息づく中で、瑠璃色の着物はとても鮮やかで美しい!
11
幽霊が大っきらい!ロンドンには幽霊がいないと聞きやってきたのに・・・。
愕然とする。たくさんの幽霊たちがいる、黒い霧と冷たい雨の中に放り出されたも同然!
そして、どんどん引き寄せてしまうのです。でも何…とか灰色と黒の毛玉に助けられながら。
『追い出すことと送り出すことは違います。』この言葉で柊二郎さんは、二つの想いに気づかされるのです。
柊二郎さんの心の持っていきようが、切ないけれど確かなものになったのでは、と思います。
桜の花びらがはらりと散るように、輝くような笑顔とともに・・・。
厄介な付き合いはまだまだ続きそう!柊二郎さん泊付けるためにもガンバレ! 続きを読む投稿日:2017.03.29
-
桜風堂ものがたり
村山早紀 / PHP研究所
空気はどこかういろうめいて、ひんやりと重たい。←この表現が頭から離れません!
9
電子書籍は、年を重ねると、文字を大きくできるのが一番有り難く、居ながらにしてすぐ手に入る。そして、セールや特典も魅力の一つです。なので、本を手に取ることが殆んどなくなりました。
でも、ここは本屋さん。…・・・!
特に後半の、静かな涙に比例しての、高揚感と期待感のたどり着いた先には・・・。
そして、同じくその先にあるものを探していた、アリスちゃんと船長も、一整くんの分身のようでとても良かったです。
天井のレールに沿って泳ぐ鯨を見ただけで、地下の印刷機が久方ぶりに動いたというだけで、(他にもいっぱい)感動してしまいました。 続きを読む投稿日:2017.04.10
-
オイアウエ漂流記
荻原浩 / 新潮文庫
『勇気りんりん さぁ立ち上がれ』
9
まずはお水、次が火、そして食べ物?
虫は嫌い!お魚はあんまり、日焼けは困る!なんて言ってられない!
10人と1ぴきのサバイバル。
至極現実的な問題として、飛行機事故や遭難に関しては、全くもって悲惨その…もの。
でも、つぶやきが可笑しくて!ついつい笑ってしまいます。すみません!
生き延びるための、ぶつかり合いや知恵の出し合い、ワガママは許されない。
10人と1ぴきの変わっていく様が、とても生き生きと描かれていて、
例え救援が来なくても、この人たちなら、生きていける! 続きを読む投稿日:2017.05.01
-
レキシントンの幽霊
村上春樹 / 文春文庫
『唇のあいだからのぞいた白い歯が・・・、』この・・・の文章は?衝撃です!
9
誕生日が同じというところからの、初めての作品です。
少し「食わず嫌い」的な感じを持ってしまっていたので・・・。しかし、この件は払拭されました。
『・・・のような(に)・・・』
いくつものこの表現方法は…、ならではの表現方法であると思います。
これは、私の貧しい想像力を、より大きくより近づけてくれる存在でした。
丁寧でわかり易く、その分スッとカラダにに入ってくるようで、面白さも怖さも気持ち悪さも倍増です。
でも、何かわからないけどツルンと抜け落ちて、どこかへ行ってしまうような虚無感も、余韻として味わいました。 続きを読む投稿日:2017.04.19
-
九十歳。何がめでたい
佐藤愛子 / 小学館
先生の「ヤケクソ」があちこちに。元気の素ですね!
9
93歳の『おめでとうさん』の返しは、『めでたくもなしやわ』の、いつものこの決まり文句でした。
わたしの母は先生と同い年で、まぁ負けん気の強い、他人さまへも言いたいことは言う人でした。
先生の何に対して…も、思いっきりが良くて、バイタリティー溢れる解釈が凛としていて、
ピリッと乾いた辛口も、こちらをスカッとさせてくれる頼もしい代弁者なのです。
先生!願わくば、単発なりともこのシリーズまた読みたいです。
ご自身の事や、テレビ・週刊誌ネタまでとても身近に感じられて、パワーを頂ける!そんな余韻が残ります。
そして、その後アベさんは納得されたのでしょうか? 続きを読む投稿日:2016.12.23
-
楽園のカンヴァス
原田マハ / 新潮文庫
それは、「永遠に生きるヤドヴィガ」への情熱から始まった!
9
ピカソ、シャガールなど近代の画家さんたちとは、自分と生きた時代が重なっていたという身近さで好きだし、
やっぱりルノワール、フェルメールは行列に並び、そして、息をのんだのがマティスの「赤のハーモニー」。…
あの“赤”の、あの迫力!あの感動を今も宝物として大事に持っています。
膨大な資料の上で裏打ちされたであろう、ルソーのことば・想い、ピカソのことば・行動は人の心を揺さぶります。
それらを心に刻んでおいて、今度機会があれば、ルソーとピカソの絵に重ね合わせて観たいと思います。
これは、自分でとってもステキな考えだとワクワクしてしまいます。
それは、「永遠に生きるヤドヴィガ」への情熱から始まった!
その鍵は、アルファベットの大文字? 続きを読む投稿日:2017.02.27