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とある本読みさんのレビュー
いいね!された数7
  • 古代史はどうして謎めくのか

    古代史はどうして謎めくのか

    関裕二

    新人物文庫

    中途半端

    この本は2004年初出の改題版です。したがって、内容はかなり古いものになっています。(この辺は購入前に確認できるよう明示してほしいものです) 内容は雑誌の連載コーナーをまとめたようなもので、日本書紀の記述の矛盾点を個別に記載したものですが、「考古学で明らかになっているように(知ってるよね)」と読者に前提の知識を要求し提示しないため、自分の知識の確認もできない部分もおおく、論証もないため単なる著者の持説の開陳の域を出ないと思います。 通説に異を唱える本で著者の知る通説を知っている前提にされると、確とした知識なく読む方は困ります。 息抜きに「へー」と読む程度にはいいですが(そしてそのまま忘れる)、古代史に興味があるから読むという人には物足りないというか消化不良を起こしそうな本です。

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    投稿日: 2019.01.11
  • 数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。

    数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。

    長田信織,紅緒

    電撃文庫

    まあ、ラノベですから

    正直、中途半端と。 人の世は人と人のかかわりでできていて、そのすべてが善良なものじゃないんだよ、でも積み重ねていくしかないんだよっていうのはどんな物語でも根底にあって、その描き方が深みを作っていくと思っているけれど、何とも薄っぺらい。 数字によるロジックを中心に据えるならもっときちんとした分析と評価、その結果としての影響が描かれるべきだろうし、人物の描写を中心に置くならそうすべきだろうし。。。 「まあ、ラノベだから」っていうのが、あんまりいい言葉じゃないけど適当な評価かなぁ。

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    投稿日: 2019.01.09
  • 30の神社からよむ日本史

    30の神社からよむ日本史

    安藤優一郎

    日本経済新聞出版

    単なるエピソード集

    いくつかの神社の歴史をまとめただけのエピソード集で別に「日本史をよむ」ことはできません。確かにごく一部の歴史は記載されますがそれだけです。しかも明治以降が中心。それも歴史年表でも追ってるように中身は薄い(よく事跡にある由来の説明程度)ので、タイトル詐欺と中身の薄さを合わせて低評価します。 ただ、土地の絡みなどで興味のある人には面白いのかもしれませんし、空いた時間に読み流して「へぇー」と思う程度はできそうですね。

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    投稿日: 2019.01.09
  • クルマを捨ててこそ地方は甦る

    クルマを捨ててこそ地方は甦る

    藤井聡

    PHP新書

    基本的な論点を簡潔にまとめた良書

    地方自治体の担当者が一度読んでみても損はないとおもう。ボリューム的にも半日あれば読み終えるし、再読する気にもなる。なぜか不要な繰り返しもあるので途中でダレルが大人の事情でのボリューム調整だろうか、ご愛敬。 内容としては、私有車交通量の削減と公共交通機関の充実による旧中心街のコンパクトシティーとしての再開発と、その中心街と大規模ショッピングセンターを中心としたロードサイド経済の併存の提言が柱。 また、大規模SCの地方経済への影響と経済再生へのアプローチなど多面的な論点が並ぶ。 戦略、戦術レベルの処方箋を書いてあることで高評価。(当然、実効レベルの要領は都市にとって違うだろう) ただ、観光都市京都を大きな例にとったのはおそらく説得力の低下を招いている。あそこは日本でも特殊な都市(一寸歩けば歴史=観光地に当たる、古くからの鉄道密集地帯)なので、一般的な地方都市には参考にならない。 どちらかと言うと京都に割いた分量を削って、「なぜ富山で鉄道が残ったのか」とその再生の関連性を、中心部の再生と車両の制限との関連で分析し深めてほしかった。そうしないと旧中心街の再生の要件が明確にならない。適用できないところは全く別のアプローチが必要になるはず。 人が集まれる広場とそこへのアクセスを準備すればすべての都市が復活するというのはさすがに乱暴だと思う。「人が集まれる広場」はすでに大規模SCが担ってしまっているので、それへの対抗については富山の分析から導けるのではないだろうか。 まあ、そういった詳細を論じる本でないということなのだろうが、そうである旨の言及もないと読み手の誤解を招くだろう。

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    投稿日: 2019.01.08
  • 骨が語る日本人の歴史

    骨が語る日本人の歴史

    片山一道

    ちくま新書

    へーええ、と思わせてくれる本

    骨格から見た日本人史。 初めて知ったのは日本は骨が残らない地質だということ。全くの素人なので読むと少々難しい。何せ参考写真などが見にくいので文章で理解することになるので、文章が読みにくいというのもあって、自分が理解しているのか正直よくわからない。書いてあることはわかるがそれだけ。この本を補完して理解を深めないと、ただ読んだだけになりそう。多分この本は基本の基だけをざっと流しているんだと思う。だから手掛かりになるような(記憶に残るような)ものが、かえって見つからないのだと思う。 また、今の日本人が異質だというならば、おそらく骨にもそういった部分は(骨格だけの問題だけでなく)現れているのじゃないかとも思うけれど、そう言った手掛かりも欲しかったところ。 司馬史観に対する批評などは結構賛同できるけれど、この本で書くには少々中途半端というか軸がずれるので蛇足のような気もする。

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    投稿日: 2018.07.21
  • 薬屋のひとりごと

    薬屋のひとりごと

    日向夏,しのとうこ

    ヒーロー文庫

    好みはあるだろうけど、万人向けとおもう

    WEB、コミック、書籍と全巻所有してます。読み返せるほどおもしろい。特にミステリー的なトリックがあるわけではなく、キャラクターで読ませるタイプなので好みはあると思うけれど、ほぼ万人向けと思う。(トリック方面を期待するとがっかりしますよ) WEBがひっかかりひっかかりつつ書いているのがはっきりわかるのに対して、書籍は「きれいに清書しました」という感触になっていて、WEBの味が少々薄れているのもあるのでWEBもお勧めです。 この作者さんは書籍化するとWEBは削除するようですが、今のところ連載中として残っています。

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    投稿日: 2018.07.21
  • 歴史に学ぶ 通貨と為替

    歴史に学ぶ 通貨と為替

    秋本裕子,高島修,棚瀬順哉,村田雅志,有田賢太郎,石見徹,米山秀隆,倉都康行,田中素香,竹中正治,週刊エコノミスト編集部

    毎日新聞出版

    時間がたったのもあるけど

    雑誌の単なる一部抜粋だったのでか内容が無い。もう少し歴史を背景にした考察などが追加の記事としてあっても良かったのではないか。 単なるその時点での「エコノミストの見通し開陳」と歴史のおさらいで途中から流し読みになった。この雑誌は元々あまり内容が無いんだけれど(いろんなエコノミストのその時点の見方を知るための雑誌)、あえて出版したほどの読み物とも言い難い。

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    投稿日: 2018.07.09