とある本読みさんのレビュー
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忘れない男 ~警視庁特殊能力係~
愁堂れな, 円陣闇丸 / 集英社オレンジ文庫
絶対記憶ではないのです。でも、忘れない男
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絶対記憶をテーマにしたものは世にたくさんあってそれなりになじみがあるのですが、これは意表を突かれたので甘めの星4つ。
作品自体は警察を舞台にしたラノベで、「 ミステリー・サスペンス・ハードボイルド」…に分類されてますけど、どっちかってーとSFかファンタジーに属するものです。だからいろいろ設定が甘いしそういったところはどーでも良い作品。
虚構推理と同じジャンルですね。
そろそろ名前がついてもよさそうなジャンルですが、結構良作が揃ってるんですよね。
----------------ここまで2021.10.07投稿-------------
続巻を読んだので以下追記。
続巻は標準的なラノベってところ。警察と犯罪と言ういわゆるラノベでは比較的少数派の題材ではあるけど作品としては星3つの標準的な出来。
なのでここに追記。
BLの作家さんらしくその香りも少ししはじめたのでこれ以上は読まないかな。
続きを読む投稿日:2021.12.05
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紅蓮館の殺人
阿津川辰海 / 講談社タイガ
あえて高校生
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数年前のランカー作品。あっという間に読了。ほぼ半日。
いくつかミスタイプみたいなちいっさな矛盾はあるものほぼ矛盾なく複線を回収、このエピソード要らないんじゃあってのもなく無駄のない展開。
いく…つか心にひっかりながら読んでいって順次意味を明かされる謎たち。いくつかは「こうじゃあないか?」と思いながらもビックピクチャーに思い至らないと意味が取れない、けれどちゃんと辻褄が合うと。心理描写もくどくなくで、よくできてる。
特に重要なのが主人公と言える存在がいないこと。あえて高校生が探偵役を行うのは一点に重心を置かせないためだと思う。最後まで危うい感じでストーリーが進んでいく。
実は推理小説の形をとった理想と現実のせめぎあいの物語でもあり、ある種の仕事をする人たちにとって日常という現実がふと浮かぶだろうと思われるような作品でもあります。 続きを読む投稿日:2021.10.07
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新装版 8の殺人
我孫子武丸 / 講談社文庫
傑作?
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流石に無理がありすぎる。
ユーモア小説とかそういうジャンルならこれもありかなと思うけれど、少なくとも推理小説としては今一つ。
確かにトリックと言うものはこれから新しいものは出ないだろうと言われ…ていて、仕方がないものだと思ってるのでそれ自体を評価するつもりはないけれど、一つ目も二つ目もあまりに偶然によっての成立に頼り過ぎで、探偵役がどや顔な分白けてしまう。
文章がうまければ成り立つのが小説と言うものなのだけど、デビュー作と言うこともあってか少々自意識過剰というか上滑りな印象が強い。推理小説の分類なんて読者にはどうでもいいことだと思うんだけどなぁ。
暇つぶしに読むならラノベ感覚でどうぞ。暇が潰れたら途中放棄もありかな。最後まで読んでも何言ってるの?つまり偶然?○○がとる行動次第じゃあないの?××のままだよね?になるので。 続きを読む投稿日:2021.10.06
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石の繭 警視庁殺人分析班
麻見和史 / 講談社文庫
良くできてる。サイコパスゆえの犯罪を題材にした叙述トリック
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この作品が良くできてると思えるのは計画側の計画が良く練れていて、それに対応する側が苦慮しているからこそ。
もちろん主眼は主人公の如月塔子になるわけでそこから事件の推移をみることになるんですが、犯人の…仕掛けるトラップがすべてをひっくり返す面白さは練り上げられた作品そのもの。
シリーズ化を元々念頭に置いて書かれたもののようで、その辺は贅肉をそぎ落とした作品とは違い少々緊張感に欠くところもある。
最後の仕上げは「そうするしかなかったんだろうなぁ。そうするしかなかったんだろうかぁ」となるので少々残念なんだけど、人に勧められる作品。 続きを読む投稿日:2021.10.06
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同期
今野敏 / 講談社文庫
ある種青春小説とも言える作品
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今野敏作品は初めて読みましたが、面白いし展開も早くあっという間に読了。
治安維持にかかわる組織の性格により一つの事件に対する見方関わり方が変わり、その対立軸を個人の葛藤、成長に絡ませる。ある種青…春小説とも呼べる内容で、警察小説とは多少色合いが違いますが、これはこれで面白い。
その分「軽い」のはまあ仕方のないところか、展開にも少々ご都合主義なところが見え隠れ。警察の組織論が入ってくる分少々重しが乗ってもまだ軽いかなとも思いますが、その分一気に読めるのでエンターテイメントとして良作。 続きを読む投稿日:2021.08.07
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フライパンだけで完成! ほぼ15分でプロの味! めんどうな日でも作りたくなる極上パスタ
小林諭史 / KADOKAWA
プロならではの調理法。タイトルと煽りの分星一つ減。
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ネットでも時折見かけるこの作り方。この作り方はとても難しい。パンの中でパスタを具と共にゆでる、その塩加減とゆで加減を調整するのは何度も失敗してコツをつかむ必要がある。入れる水の温度、使うパスタの銘柄に…よっても変わるのでその部分も経験が必要。決まった素材で毎日作るプロならでは。
実際、本の中でもそのあたりは「味を見て調整」でごまかしてある。
レシピはともかくとして、パスタは別にゆでて作ることをお勧め。 続きを読む投稿日:2021.05.31