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とある本読みさんのレビュー
いいね!された数7
  • 7人の名探偵

    7人の名探偵

    綾辻行人,歌野晶午,法月綸太郎,有栖川有栖,我孫子武丸,山口雅也,麻耶雄嵩

    講談社文庫

    作品の批評ではありませんが。。。

    この本はかなり前にREADER STOREに上梓されたものですね。 いかにも新刊のようなデータ表示をしていますが、過去のページが削除され購入履歴(作品自体は読めます)も削除されているので、うっかり同じものを買わないようご注意ください。 これを避けれるのが電子書籍の長所の一つだと思うのですが、それを自ら放棄するのはいかがなものですかね。

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    投稿日: 2020.08.16
  • 「通貨」の正体

    「通貨」の正体

    浜矩子

    集英社新書

    タイトルには異議あり、でも一読の価値はあり

    基本的には現代の通貨史を振り返りつつ電子マネーについて書かれたエッセイです。論証などがされているわけでなく将来考察がされているわけでもありません。でも、読み口が軽いというのもあって過去の整理を含め一読の価値があると思います。特に大学1年生にはお勧めします。 私自身もトリレンマと中国元の関係は目からうろこでした。 氏との見解の相違もあるし(私はSDRとはバンコールだと思っている)、ICOに関する少々時宜を外した記述など問題点も含め思考のトリガーとして丁度良いエッセイだと思います。 著者自身はあまりブロックチェーン技術自体には詳しくないというか興味はなさそうなので少々薄味なのもご愛敬。 あくまでエッセイなので通貨の正体がわかったり、将来がわかったりはしません。念のため。 まあ、この人はネガティブなことしか書かない人だと思っていたので、この軽い語り口が一番印象的かな。

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    投稿日: 2019.12.30
  • 規律とトレンドフォロー売買法 ──上げ相場でも下げ相場でも利益を出す方法

    規律とトレンドフォロー売買法 ──上げ相場でも下げ相場でも利益を出す方法

    マイケル・W・コベル

    パンローリング

    トレンドフォロー売買法の哲学を礼賛する本、でもやり方は秘密

    これは著作としてみた時どうなんだろうか? 星一つでも良いような気がするけれど。。。 まず、ボリュームの半分は著者ではない誰かがどこかで語ったことの引用。著者の求めに応じて語った内容ではない(インタビューや著作)ので、当然ながらその引用前後の内容に完全には一致しないので、その内容を解釈する必要があるが哲学なので解釈そのものが難しい。 著者の文章のみを追って読んでいくと(引用は無視)、内容は把握できるがタイトルに記したように哲学であってやり方ではない。まとめると、「トレンドをフォローする方法を自分で決めてそれから外れないようにシステム化しろ」である。 正直なところ買うだけお金の無駄。

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    投稿日: 2019.12.18
  • 株は順張り!! ~勝率8割以上の常勝トレーダーになる! ~

    株は順張り!! ~勝率8割以上の常勝トレーダーになる! ~

    二階堂重人

    スタンダーズ

    初心者向け

    常勝トレーダーになれるかというと、どうでしょうねぇ、と言うところ。 でも、初心者の基準と言うか大負けはしないレベルで、マーケットで少しでも長く生き残れるやり方だと思う。運が悪ければそれでも資金は溶けてゆき最後には退場になるけれど、「それまでに自分のやり方見つけて稼げるようになってください」という親切心が見える本。

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    投稿日: 2019.12.18
  • 株はたった1つの「鉄板銘柄」で1億稼ぐ!

    株はたった1つの「鉄板銘柄」で1億稼ぐ!

    上岡正明

    SBクリエイティブ

    多分負ける、自慢したくて書いたか、義理か

    主張してることはわからんではないし、合う人は合うだろう。 この本の主張は時間軸がバラバラで5年タームでやると言ってるのか、中期と称して半年チャートでレンジを読めとも言っているし、一体どういうやり方なのかが不明。初心者が読むと混乱するだけで得るところがないのでは? 「チャートは個別銘柄の癖で読めと言う主張」はわかるけれど、「投資時期を分けろ」「損切は最終手段」というのは十分な暇と十分な種銭のある人向けの話で、本文にあるように退職金の運用をこれから始めるような人向けの手法と思う。 で、そういった人に逆張り投資を勧めるのは賛成しかねる。なぜならそんな初心者に「今はレンジ相場だ」と判断しろと言ってるようなもの。「相場の先は誰にもわからない」にもかかわらず、損切りさせない指導は「塩漬け株製造法の指南」でしかないと思う。(一応最後の仕入れでさらに下がる場合は切れとは書いてるが。。。) 著者が始めたころは2003年でナスダックバブル崩壊の景気後退の終わり。儲かって当然の時期でそりゃ資産増えるでしょうよ、ってころ(著者によるとその一年後ぐらいでリーマンショックらしい) もしかしたら全部フィクション?

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    投稿日: 2019.12.18
  • 株で勝ち続ける人の常識 負ける人の常識

    株で勝ち続ける人の常識 負ける人の常識

    加谷珪一

    KADOKAWA

    良書、読んでから本当に投資を始めるのか判断することをお勧め

    この本は2015年に書かれたためかアベノミクスに対する言及が多いが、その辺は本質ではないので読み流したほうが良い。が、見識の確かさが明確になってもいる。 私も投資歴は結構長くなりましたが、これは良書です。投資を始める前に一度読んでおくべき。いろいろチャートの本などが出ていますが、そんなものよりこの本の一読の方がためになる。読んでから投資を始めるのか否かを決断し、やるなら再読する、と言うのをお勧めします。いろんな目にあいましたが、初期にこうした基本的な本に巡り合えなかったことは不幸でした。 とはいえ、一部は見解を異にする部分もあります(為替に関する部分、購買力平価に関するというより一物一価、PBRと株価に関する事項(これは単なるうっかりミスかもしれません))し、矛盾点もあります。 その辺を踏まえても読んで欲しい。 ただ、勝ち方を書いてあるわけではありません。読者に問いかけています。「投資ってこういうものですよ。あなたはどうしたいのですか?」と。 また、なんでこんな煽りをつけたのかも疑問。明らかにマイナスでしかない。

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    投稿日: 2019.12.09
  • 月光ゲーム

    月光ゲーム

    有栖川有栖

    創元推理文庫

    作品としては面白い

    有栖川有栖作品は2作目です。最初に読んだのが火村アリス第一作の「46番目の密室」で、これがつまらなかった。正直「まだあんの? どっかで面白くなるんだろうか?」と思いながら苦行のように読了。なぜ人気作家になったかサッパリでした。 なので「相性悪いかも」とは思いながら、学生アリス第一作にしてデビュー作である本作をチョイス。冒頭部分からあまりの古さに不安を感じながら読んでいくと、物語の世界に入り込んでいけたのはテンポと本格物とは思えぬスリリングな展開の賜物。 どうしても動機は気になるけれどすべての伏線も回収し見事な出来上がり。 あとがきで、本作が17歳のころの作品のリライトに次ぐリライトで出来上がっていることを知って全てに納得がいきました。その影響で古さ(違和感)も強く感じると思いますが、読み続ければ楽しめる作品と思います。

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    投稿日: 2019.09.22
  • クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い

    クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い

    西尾維新

    講談社文庫

    若い時でないと読めないだろうし若ければ読めるという訳でもない

    何と言うか、私が西尾維新を嫌いになった作品で、基本独りよがりで現代芸術と言われる分野と同じと思っています。 分かる人と言うか感性が合う人には芸術で、合わない人にはただのゴミ、と言うといろいろ非難されそうだけれど。。。。 第一作ではありますが、年取ってから西尾維新を読んでみようかと思った方には他の作品、掟上今日子あたりから入ることをお勧めします。「忘却探偵」と言う設定は二番煎じと言うかありきたりではありますが、まだ読める。あれも好き嫌いあると思いますが、あまり西尾維新な作品ではないので、あれで匂いを嗅いでからこちらを。

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    投稿日: 2019.09.20
  • 閻魔堂沙羅の推理奇譚

    閻魔堂沙羅の推理奇譚

    木元哉多

    講談社タイガ

    リズムもいいし、バリエーションもあって一気に読める

    このシリーズまだ2冊しか読んでませんが、お薦めできます。 この一巻目は少し短めで4篇の短編連作形式、主人公と言うか舞台回しの閻魔堂沙羅だけが共通する登場人物で、2巻以降ももう少し一篇あたりが長くなって同じ構成で続きます。 内容的には「謎解き」「本格」のエッセンスだけを抜き出したようなもので様々なシチュエーションでの死者の死因探しですが、当事者と言うか死者本人が推理する分、読者にすべてが提示されている訳ではありません。でも、そんなことは些細なことに思える面白さがあります。「ああ、それがあったか」と思わされる時もあり、勧善懲悪もののフレーバー、人情噺のフレーバーが香ることもありで、短編の強みを生かしている作品集と思います。 スッと読めつつ、「犯人は。。。」と考えてしまうので結構一篇読むのに時間がたっていたりもします。 こういう作品に当たると嬉しいですね。

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    投稿日: 2019.09.20
  • 地形で読み解く 古代史

    地形で読み解く 古代史

    関裕二

    ワニの本

    古代史の本として読むと理解できないと思う

    積ん読が多いのでうっかりこの著者を2冊買ってしまった。もう一冊の方も同じ傾向なので多分どれも同じなのだろう。(もう一冊は15年前の出版) この著者の本はいわゆる「トンデモ本」もしくは「叙述トリック」だと思って読めば楽しく読めると思う。 個別にその小題だけを読むとそれなりに納得感のある主張なのだけど、全般を眺めなおすと何を言っているのかさっぱりわからなくなる。全体を統一するテーマがないこと、前半と後半での矛盾、史実・通説・持説を区別せずすべてを対等に記述すること、多方面への脱線が多すぎることと手抜き地図のせいだろうと思う。 特に地図は酷く「地形で読み解く古代史」のはずが古代の地図を掲載しない有様。時として他所から引用してくる地図が、当著書の意図と違うものを載せるのでそれ自体が誤解のもとになりかねない。 持説のおかしさを指摘されないようわざとやっているんじゃないかとも邪推している。 少なくともこの本を真面目に読むには、まず準備としてインターネットで古墳時代の海岸線と主要河川の当時の流れを確認する必要がある。 また、持説には明確な論拠もない。 例えば、神功皇后は九州で邪馬台国を偽称して王国を建てヤマト政権と戦って死亡したそうだが、「記紀」との整合性は放置したまま。 仁徳陵など巨大古墳は水利のためだそうだが、どう水利につながっているのかは記載なし。 テーマの例では、序章で書かれている「東西の対立」は持説の一つであるはずがほとんど出てこない。あるのは畿外の物部氏、蘇我氏と畿内の藤原氏の対立だけ。 など、それ自体は「オモシロい説」であってもそれだけ。でも、文章は下手なので目が滑ります。 したがい、お金が余っていて暇を持て余している考古学・史学に興味のない方にお勧めします。暇つぶし本です。

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    投稿日: 2019.09.18