grimonaさんのレビュー
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本音で生きる 一秒も後悔しない強い生き方
堀江貴文 / SB新書
他人の人生ではなく、自分の人生を生きる
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本書は、他人の人生ではなく、自分の人生を生きるための堀江貴文氏からのアドバイスです。
学問、ビジネス、趣味、など、自分の本音では「これをやりたい」と思ったことでも、
「自分には能力がないから」
「…親が反対するから」
「家族がいるから」
「世間ではまだ認められていないから」
など、「やれない理由」を見つけて、現状から一歩が踏み出せない人がいます(かく言う私も大いにそのひとりです)。
本音を胸の内に閉まったまま生きる人生は、結局、それは自分の人生ではなく、他人の人生を生きていることに他なりません。
このことは、ベストセラー「嫌われる勇気」でもよく出てくる指摘です(本書でも随所に「嫌われる勇気」からの引用が出てきます)。
本書では、胸の内の殻を打ち破り、本音で生きるための堀江貴文氏からのアドバイスを読むことができます。
本書から1つだけ引用します。
『些細なことでよいから、常に小さなチャレンジを行ない、少しずつ少しずつ成功体験を重ねていく。なんでもうまくこなせる人間と比較して落ち込むのは無意味なことだ。ここで比べるべきは、過去の自分。自分の成長を実感できれば、それが自信になる』
現状から一歩が踏み出せない人というのは、「やれない理由」を見つける以外にも、リスクに尻込みしているということもあると思います。
ついつい、タイトルだけで想像すると、本書は、「リスクなんて考えずに、本音で生きろ」、と言っていると勘違いしてしまいますが、そうではなく、蛮勇と勇気の違いを見極めたアドバイスです。
続きを読む投稿日:2016.05.01
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ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った
堀江貴文 / 角川書店単行本
堀江貴文氏のキュレーションした42冊の本
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本書は、2年間の獄中生活の中で読んだ1000冊の中から、堀江貴文氏がキュレーションした42冊の書評集です。
紹介されている本は、ビジネス、科学・技術、歴史等々、様々な分野ですが、
『僕は「こうなれ…ばいいな」って世の中をつくったり、自分が欲しいサービス・モノをつくりたいと、ただただ思って行動している』
という、堀江貴文氏の生き様や考え方がそのまま反映されたセレクトになっていると思います。
例えば、DNAの二重らせん発見を巡るノンフィクションの『二重らせん』では、発見者のワトソンに対して、科学者の前に"ヤマ師"を感じ取る嗅覚は、堀江貴文氏らしいと思います。
意外だったのは、「人生で一番泣いた本」として紹介された重松清氏の『とんび』。
ビジネスに邁進する堀江貴文氏という印象が強いこともあり、現代の社会問題・教育問題・家庭問題をテーマとした作品の多い重松清氏を読まれているのは意外でした。
本書で紹介された42冊の内、私が読みたいと思ったのは、『新装版 こんな僕でも社長になれた』(家入一真)、『山賊ダイアリー』(岡本健太郎)、など、計8冊です。
早速読んでみたいと思っています。
続きを読む投稿日:2013.10.19
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どうして時間は「流れる」のか
二間瀬敏史 / PHP新書
物理学者の考える時間とは
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本書は、物理学者が時間をどのように考えているかを紹介した本です。
時間を考えることは、重力や宇宙を研究することと密接な関係にあることが分かります。
例えば、時間が過去から未来に一方向に流れることを…「時間の矢」と称し、5つの「時間の矢」があります。
・熱力学的時間の矢
・波の時間の矢
・進化の時間の矢
・意識の時間の矢
・宇宙論的時間の矢
これらの原因を突き詰めていくと、「宇宙の初期状態」があらゆる時間の矢の原因になっているそうです。
したがって、必然的に、相対性理論、重力論、宇宙論にまで話しは及び、時間が物理学の先端研究分野と密接な関係にあることが分かります。
たまたま、本書とは別に、重力や宇宙に関する新書を読んでいたので、時間との思わぬつながり意外さを感じました。
ところで、本書の中で私が印象に残った話の1つに、時間の矢が現れるのはいつか?についてのたとえ話があります。
内容は、机をたたいてコインをひっくり返すのをビデオで撮り、これを逆回しで見るとどうなるか、という話です。
コインの数が少ないうちは、ビデオを見ても逆回しかどうかわからないですが、コインの数が増えていくと、逆回しだと明らかに不自然に見えるようになります。
それが、時間の矢が現れたことだということだそうです。
このたとえ話は、熱力学の第2法則のエントロピー増大の法則を説明した話でもありますが、熱とは関係ない身近な例での説明で非常に印象深かったです。 続きを読む投稿日:2013.10.27
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はじめての事業計画のつくり方
吉本貴志, 伊藤公健 / ディスカヴァー・トゥエンティワン
事業計画策定の基礎が学べます
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本書は、ディスカヴァー・トゥエンティワンが、グローバル化とIT化が進んだ激動の時代を生き抜いていくためのビジネススキルを提供する、「21世紀スキル」シリーズの本です。
本書では、事業計画の作り方のス…キルを学べます。
具体的には、本書では、まず、事業計画をつくる目的を明らかにしたうえで、事業計画をつくる以下の4つのステップの解説がされています。
1. 事業の意義を明確にする
2. ビジネスモデルを考える
3. 期待成果を検証する
4. 具体的アクションを明確にする
概念だけでなく、事例を使った説明も豊富で、理解の助けになります。
私も、業務で事業計画策定に携わることがありますが、このような基礎を学ぶ機会はなかったので、参考になりました。
本書を読んで印象に残ったのは、ミッションコーンという考え。
これは、事業の意義を明確にするミッションをつくるためのフレームワークの1つで、以下の3階層に整理されたものです。
・「ミッション」:目指す姿や提供する価値を定義したもの
・「ベネフィット」:ミッションを達成するために提供する価値を具体化したもの
・「エビデンス」:ベネフィットを生み出す根拠となるもの
私が本書を手にとったのは、会社の業務の参考というよりも、自分自身の人生計画を考えるヒントを求めていたからなので、ミッションコーンというフレームワークは、自分自身のミッションを考えるツールに使えそうだと思いました。
続きを読む投稿日:2015.09.12
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ゼロ起業
吉江勝, 北野哲正 / 実業之日本社
今まで培った経験・知識を起業に結びつけるヒントが得られます
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本書は、リスクが限りなく「ゼロ」で、今の自分のまま(「ゼロ」の状態)起業したいと思っている人向けの起業ノウハウが詰まった本です。
私は一介のサラリーマンで、自慢できる専門がないので「起業」はちょっと…無理、と尻込みしていましたが、この本を読むと、専門がなくとも、今まで培った経験・知識が起業に結びつく、そんなヒントが得られました。
本書では、まず、「ゼロ起業」を
『自分とクライアントとの知識差を武器に、競合(同業他社のライバルたち)のいない新機軸(自分がつくり出したオンリーワンのポジション)を打ち立てて起業すること』
と定義し、起業を成功させる2つの条件を明らかにします。
1. あなたの知識差ビジネスの種
2. ビジネスにおける新機軸の発見
その上で、具体的な7つの起業法を事例を交えながら紹介しています。
1. コンサルタント起業法
2. セミナー起業法
3. 出版起業法
4. 会員制ビジネス起業法
5. プロデュース起業法
6. コーチング起業法
7. サロン起業法
私が印象に残ったのは、「ファイブ・フォーカス」。これは、「あなたの知識差ビジネスの種」となる自分の強みと売りを発見する手法です。
具体的には次の5つの視点で、思ったことを列挙し、他者にはない自分の強みと売りを発見するというものです。
1. あなたが好きで情熱が湧くこと
2. あなたが今まで経験してきたこと
3. あなたが人からほめられたり、喜ばれたりしたことがあること
4. あなたのコンプレックス
5. 何の規制もなければやってみたいこと
本書を読む前に、私も似たような方法で自分の強みは何かを考えていたところだったので、意を強くしたとともに、背中を押された気分でも有りました。
著者の吉江さんが本書のおわりで、「起業」について次のように書いています。
『自分が心から好きで情熱の湧く仕事を、志や価値観の合う仲間とともに納得いくまでやり抜くことで、サラリーマン時代には想像もつかなかった報酬と感謝、喜びや共感の声をもらえるようになった。
自分の人生を自分の手で完全にコントロールできる幸せは、何物にも代えられない。充実と自尊心の高まり、そして、「自分の生き方は、これでいいんだ。間違いない」という心からの確信と平穏をもたらせてくれる。』
本書で語られるほど起業は甘く無いと自覚しているつもりですが、吉江さんの言われるように、起業が、「自分の人生を自分の手で完全にコントロールできる幸せ」は何物にも代えがたいものだとも思っています。
続きを読む投稿日:2015.09.23
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比較ケースから学ぶ戦略経営
松田久一 / 中経出版
企業の持続的成功のための5つの原則
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本書は、企業戦略の原則を解説した本です。
これから、企業戦略を立案してくビジネスマンには是非オススメしたい本です。
著者の松田久一氏は、「戦略経営」を次のように定義し、
『戦略経営とは、時代変化…による危機を戦略で乗り越え、会社を持続的成功に導こうとする組織行動であり、経営スタイルである』
企業の持続的成功のための原則を、次の5つに整理しています。
1. 顧客:変わる顧客を基軸とする
2. 差異:シーズを生かして差異づくりをする
3. 競争:現場の競争で少しでも競り勝つ
4. 集中:限られた社内資源を集中させる
5. 組織:人づくりに力を注ぐ
本書の特徴は、この5つの原則の視点から、国内外15社の有名企業の戦略を具体的に読み解いている点です。
誰もが知る企業の例であることと、エビデンスに基づいた定性的、定量的な説明であり、非常にわかりやすい本です。
私が印象に残ったのは、集中の原則で読み解かれたシャープとフィリップスの戦略です。
シャープは自社の経営資源を液晶に集中させましたが、サムスン電子などの台湾、韓国メーカーとの競争に負けました。しかし、その遠因には、彼らを顧客としたフィリップスの撤退戦略にあった、というのは印象的でした。
仕事で戦略立案を考えるときには、何度でも読み返したくなる、本書はそんな本です。
続きを読む投稿日:2015.10.04