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grimonaさんのレビュー
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  • 人生を10倍自由にするインターディペンデントな生き方実践ガイド

    人生を10倍自由にするインターディペンデントな生き方実践ガイド

    勝間和代

    ディスカヴァー・トゥエンティワン

    相互依存の世界で重要な「自立」について書かれた本

    本書は相互依存の世界で重要な「自立」について書かれたものです。 よくある自己啓発に関する実用書では、スキルアップや仕事に関する能力向上に関するノウハウは書かれてあっても、なぜ「自立」が必要なのかまでを掘り下げたものはあまり見かけたことがありませんでした。 あったとしても、会社からの独立を目指す、起業するというくらいです。 そのような意味での「自立」も重要だと思いますが、いつも何かが欠けているという感じを持っていました。 しかし、本書を読んで「自立」の必要性について納得がいきました。 「自立」が必要なのは、その先にある相互依存の世界で生きていくために必要だからです。 勝間氏は、相互依存を以下のように定義しています。 『相互依存とは、共通の価値観に基づき、同一の目標の実現を目指して、複数の自立人が共生する関係』 そして、 『自立とは、そのあとの相互依存の世界に移るための入り口の資格です』 と言っています。 人の生き方として、完全な依存や完全な自立というのはありえないです。 人は自分の能力の範囲で自立していて、それ以外の部分では依存して生きています。 その意味で、「相互依存」は社会の基本的な形態です。 したがって、「相互依存」の世界で、自立した自分を最大限に活かしていくことが重要であり、その方法を考えていくことが本書の目的になっています。 本書は2部構成で、第1部では、相互依存社会の中での自立の必要性、第2部では、自立するために必要な考え方やスキルについて書かれています。 これは余談ですが、私が初めて買った電子書籍端末がPRS-350で、その中にプリインストールされていた1つが本書です。 何気に読み始めたら、「自立」について疑問に思っていたことへの一つの解釈が展開されていて、製品版を購入するきっかけになりました。

    1
    投稿日: 2013.10.14
  • 宇宙に外側はあるか

    宇宙に外側はあるか

    松原隆彦

    光文社新書

    宇宙の謎が解明される日は来るのか

    本書は、最新の宇宙論を紹介した本です。 科学的に解明されたことと、仮説にとどまっていることが整理されており、一般書として非常に読みやすい本です。 標準宇宙論で解明できていることは、宇宙が誕生して1兆分の1秒以降のことで、それ以前はまだ解明できていないとのこと。 宇宙が誕生して138億年ですが、宇宙の始まりの謎はこの1兆分の1秒という本当に短い時間に凝縮されているそうです。 その謎を解くべく、「インフレーション理論」、「超弦理論」、「エクピロティック宇宙論」などなど、様々な仮説が上げられています。 それらが描く世界観は、我々の常識をはるかに超えたものばかりで、例えば、親宇宙から無数の子宇宙、孫宇宙がつくられるというマルチバースの考えなどは、凡人の私はただただ驚くばかりです。 今、観測技術の向上で、宇宙について新しい事実が分かり、宇宙論も修正が迫られているようです。 『それまでには予想されていなかった宇宙の大規模な構造が発見されたり、宇宙マイクロ波背景放射の温度ゆらぎが観測衛星COBEにより初めて見つけられたりと、観測的にも大きな進展がありました。それまで定量性に乏しかった宇宙論は、一気に定量科学へと変貌を遂げていくことになります。 すると、それまでの理論主導の宇宙論にも変化が起こります。理論的に望ましいと思われていた宇宙の姿と、現実の宇宙の姿の間にギャップがあることが明らかになってきたからです 宇宙は、人間がそうあってほしいと思うようにはなっていませんでした』 宇宙の謎が一歩ずつでも解明され、我々に新しい知的刺激を与えてくれることを期待したいと思います。

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    投稿日: 2013.10.12
  • 酒場を愉しむ作法

    酒場を愉しむ作法

    自由酒場倶楽部,吉田類

    SBクリエイティブ

    思わず酒場に出かけたくなる本

    心が緊張感から解放されるせいか、仕事をやり遂げた後や、旅先では、私は酒場に出かけたくなります。 本書の読後感は、これに似ていて、思わず酒場に出かけたくなる本です。 われわれサラリーマンにも手の届く大衆的な酒場や、酒場に関する薀蓄や作法が紹介されています。 『総じて酒場の愉しみ方の基本は、「ツウぶらないこと」だ』 『酒場の作法を心得てさえいれば、ちょっとした勇気で未知の世界に入り、そして出てくることができる。そこにいる人々と束の間の交歓するも良し、傍観者として黙って飲むのも良し。地位や身分を曖昧にし、日常からはほんの僅か離れ、現実の桎梏から解き放たれることの至福に浸る』 と本書でも語られているように、酒場の愉しみはこれに尽きると私も思います。 酒場を愉しむため、今日もまた日常をしっかり生きていこう。

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    投稿日: 2013.10.07