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KKさんのレビュー
いいね!された数130
  • 終わらない歌

    終わらない歌

    宮下奈都

    実業之日本社文庫

    歌・音楽,いいね。青春だ。

    「よろこびの歌」の続編。 私自身,ここまで専門的ではないにしろ,趣味で楽器を弾くので,音楽の世界にのめり込めるというのは非常にうらやましい。歌っている玲の姿が思い浮かぶようだ。 音楽だけではなく,絵画でも書でも演劇でもいいのだけど,なにか一つ,芸術の道に足を踏み入れておくと,世界が豊かになるのではないだろうか。

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    投稿日: 2016.11.17
  • プロジェクトぴあの

    プロジェクトぴあの

    山本弘

    PHP研究所

    表の顔はアキバ系アイドル,裏の顔は・・・

    書きっぷりはライトな感じなんだけど,かなりしっかりと考え抜かれたSFの世界。どこまでが実際の科学で,どこからがフィクションなのか。 VRゴーグル,ARコンパニオン,まさにこれからの時代に活躍しそうなガジェットたちも出てくるが,こんな世界が実現したら楽しそうだ。

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    投稿日: 2016.11.17
  • あなたのセキュリティ対応間違っています

    あなたのセキュリティ対応間違っています

    辻伸弘

    日経BP

    セキュリティについて考えてみよう

    昨年から今年にかけて,日本年金機構,JTBなど,さまざまなサイバー攻撃があったが,それらの事件はどのように攻撃され,どのようにして被害が大きくなったのかということを解説してくれている。 その他,標的型攻撃,ランサムウェアなど,今流行?の攻撃へどのように対処すべきかを考えるいい材料になるだろう。 日頃からセキュリティに気をつかって情報収集していれば,既に知っていることも多いが,それらを丁寧に解説してくれているところに大きな価値があると思う。

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    投稿日: 2016.11.10
  • イカロスの誕生日

    イカロスの誕生日

    小川一水,ゆうきまさみ

    ミューノベル

    空を飛ぶ!

    空を飛ぶ能力を持つ有翼人が少ない割合ながらも生まれる世界。ただ,彼ら・彼女らと人間とは対立してしまい,小数の有翼人たちは排斥されてしまう。 どうも,NHKの青春アドベンチャー(ラジオドラマ)にもなったことがあったみたい。青春アドベンチャー,懐かしいなあ。高校時代,結構聞いていた記憶がある。内容はあまり覚えていないけど。 ちょっと,設定的にはいろいろ無理があるところもあるけど,まあ細かいことを考えずに読もう。面白いのは確かだから

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    投稿日: 2016.11.08
  • アイの物語

    アイの物語

    山本弘

    角川文庫

    物語の中の物語

    まさに,SFの千夜一夜物語。ただ,お話を語るのはシェヘラザードではなく,アンドロイド。いってみれば短編集なのだけど,「物語の中の物語」の形で語られているので,ただの短編集ではなく全体でも大きな一つの作品になっていて,二つの楽しみ方ができる気がする。 今,世間ではAI(人工知能)が騒がれ,シンギュラリティはいつやってくるのかと危惧されている。もし,本当に人工知能が人間を越えたらどうなるのか。 個人的には,「人工知能が人間を凌駕し,人工知能にコントロールされて生きるような世界」というのは,まあ,当面はあり得ないだろうと思っている。でも,SF的にはそんな世界を想像してみるのも面白い。というより,現実には起きえないだろうと思っているから面白いのかな。

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    投稿日: 2016.11.08
  • 水族館ガール

    水族館ガール

    木宮条太郎

    実業之日本社文庫

    水族館ってなんのためにあるのだろう

    以前からちょっと気にはなっていたけど,ようやく読んでみた。 水族館を舞台にした,お仕事と恋愛のお話。人間関係に関しては,有川浩さんの図書館戦争と似た雰囲気を感じる。面白い。 表面的にはそんなお話しなんだけど,自分自身,名古屋港水族館やアクア・トト ぎふといった水族館に,お客さんとしてちょくちょく行っているので,水族館の運営について,いろいろ考えさせられるところがある。話の中でも書かれているのだけど,水族館というのはたいそうお金のかかる施設だ。なにせ,飼育しているのは基本的に水の中でしか生きることができない生物。もちろん,生き物なので呼吸もするし排泄もする。実際の海の中では,その程度の汚染は大きな海が薄めてくれるし,他の生物たちが分解してくれたりして無害化される。でも,水族館の小さな水槽の中では機械的に濾過し,循環し,水温の調節もしてやらないといけない。 また,サーカスではないので,単に生き物に芸をさせているだけではなく,生物自体の学術的な研究も行われている。(実際の名古屋港水族館だと,ウミガメの研究が有名。) まだ,子どもが小さいうちは,「かわいいね」とか「きれいだね」という見方でもいいけど,そろそろ「なぜ飼育しているのか」「飼育することの何が大変そうか」というところも含めて,見せたいなと思うようになった。

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    投稿日: 2016.10.30
  • 楽園のカンヴァス(新潮文庫)

    楽園のカンヴァス(新潮文庫)

    原田マハ

    新潮文庫

    絵画の世界

    実のところ,「絵」というものはあまり得意じゃない。どうにも,絵の良し悪しがわからない。 ただ,この原田マハの小説の中では,絵画も画家たちも,とても生き生きとしている。自分は普段絵に興味が無いにもかかわらず,どんな絵だろうと見てみたくなってしまう。さすがは,元MoMAのキュレーターだ。

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    投稿日: 2016.10.25
  • 旅屋おかえり

    旅屋おかえり

    原田マハ

    集英社文庫

    職業 旅人

    職業:旅人。ただし,依頼人のかわりに旅をする人。そして,その旅で得たものを依頼人に届ける仕事。 プロの旅人なんて,うらやましい。それで生活できたら,幸せだろうなあ。 それにしても,原田マハさんの描く人物というのは,非常に魅力的だ。感情も豊かで,かつ,それが文面から浮かび上がってくる。 まあ,ちょっとご都合主義な所もあるけど,それが小説のいいところでもあるし。

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    投稿日: 2016.10.25
  • これは王国のかぎ

    これは王国のかぎ

    荻原規子

    角川文庫

    いざ,アラビアン・ナイトの世界へ!

    現代日本の中学生の女の子が,ふと気づくとアラビアン・ナイトの世界の魔神族(ジン)になっていた。 異世界転生ものというとなんかラノベっぽい設定だけど,ちょっと違う感じ。ラノベも悪くないけど,もうちょっと落ち着いた荻原規子さんのファンタジー世界。 読み終わった後,リムスキー・コルサコフの「シェヘラザード」が聞きたくなる。

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    投稿日: 2016.10.14
  • あかね色の風/ラブ・レター

    あかね色の風/ラブ・レター

    あさのあつこ

    幻冬舎文庫

    子どもの頃のこと

    小学生の頃,こんなにいろいろ考えて生きていたのかな。数十年経って,いろいろ忘れてしまっている。思っていることがまわりに伝わらないこともある。友達にも,家族にも。 それにしても,あさのあつこさんの描く子供たちの姿はとても好きだ。ぜひ,自分の子供たちにも読んでもらいたいな。

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    投稿日: 2016.05.07