ゆきおんなさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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よろこびの歌
宮下奈都 / 実業之日本社文庫
悩める乙女達の物語です。
12
自分が高校生だった頃、こんなにいろいろ考えてたかなぁ?と思いました。
皆が様々な事情を抱えて押し隠して何事もないようにさらっと過ごそうとしている姿が苦しくて切ないです。合唱に関わることで、本当は変わり…たいと思っているはずの自分を見つけて、葛藤していく彼女たちを応援せずにはいられませんでした。後半は涙で本が見えなくなっちゃいました。
彼女たちの『麗しのマドンナ』に心がふるえる瞬間を味わってみたいです。 続きを読む投稿日:2015.10.07
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神様の御用人3
浅葉なつ / メディアワークス文庫
黄金様ブクブクの危機!
11
電子化が遅かったので、待ちきれずに図書館で借りて読んでしまいました。やっと入荷したので、早速私の本棚へ並べられます。うれしい!
今回は、黄金様の心のつぶやきがちょっとずつ切なかったです。
良彦くんは…相変わらず神様にタメ口だけど、何気ない一言に神様達の心の靄が晴れていく様子はいつ読んでも心地よいですね。
大切な事がたくさんちりばめられているお話だったけれど、思わず笑ってしまう場面もたくさんあって、今作も大満足でした。 続きを読む投稿日:2015.07.16
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ヴァン・ショーをあなたに
近藤史恵 / 東京創元社
ヴァン・ショーを飲んでみたい。
11
前作より少し重めのお話がありました。
三舟シェフがさりげないけれど鋭い視点で、小さなモヤモヤを綺麗にしていくところは前作と変わらず心地よいです。
無愛想だけど、大切なことは間違えない三舟シェフが素敵で…した。
日々の生活に流されて、大切なことを見失ってしまう事って誰にでもあるのでは?と思います。大切なことをごまかさないで生きるって難しいけれど、そうありたいと感じています。
今作も口にしたことの無い食材やメニューがたくさん出てきました。
中でも一番気になったのは素晴らしい香りがするというヴァン・ショーです。
春だというのに雪がちらついています。
あったかいヴァン・ショーで心も身体も温まりたいです。
続きを読む投稿日:2015.04.08
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片耳うさぎ
大崎梢 / 光文社文庫
うさぎは怖い?かわいい?
11
うさぎが復讐を遂げる日本昔話が底辺にあるお話です。
主人公のなっちゃんが、
昔々、大人たちが上手に受け流してきた事のひとつひとつを見つけながら
自分の中の弱さと向き合っていきます。
心に引っ掛かる小…さな違和感を見極める目には思わずハッとさせられました。
言いたいことを上手に言えない不器用だった普通の女の子が
いろいろな大人の事情を理解し、飲み込んでもひねくれることなく
きらきらと輝きだす姿がとても清々しいです。
親のいないところで、闇に飲まれそうになる子
親がいないところで、自分を見つめ直すことが出来る子
この違いは何処にあるのでしょう?
読み終わってから、いろいろ考えてしまいました。
続きを読む投稿日:2014.08.11
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ランチのアッコちゃん
柚木麻子 / 双葉文庫
食は人を元気にする。
10
何といってもアッコ女史が魅力的でした。
社会に出ていろいろな経験が増えてくると、どうしても他人の目を気にして振り回されることが多くなる…。頑張ってるのに、いつのまにかそこには本当の自分がいない。
そん…な世渡り下手の代表である派遣女子がアッコさんとのかかわりの中で変わっていく様子がとても心地よかったです。
アッコさんがあまり出てこないお話もありますが、
どれも、自分で自分を追い込んでいる人の肩からふっと力が抜ける瞬間を楽しめるお話でした。
次作も楽しみです。 続きを読む投稿日:2015.06.01
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仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。
小西利行 / かんき出版
メモにも賞味期限!
10
ずっとメモの取り方って難しいな~と思っていたのでとても参考になりました。
デジタルメモの解説部分はあんまり使いこなせそうになかったので、ざっと眺める程度に読みました。
「時間がたつとメモは腐る」という…言葉に思わずなるほど~とうなずきました。
書くことは嫌いではないので、もっといろいろ書いて気持ちの整理が出来たら些細なことでイライラすることも少なくなるかな?と別の期待もしています。 続きを読む投稿日:2016.08.06