
青春の蹉跌
石川達三
新潮社
薄ら寒い恐怖すら覚える青春の挫折。
世の中ある範囲の男なら誰もが覚えのある話だろう。 時代を越えて実にリアリティ溢れる。それだけ普遍のテーマなのか? 映画に終わらず読んでよかった。
0投稿日: 2017.09.18検察側の罪人(下)
雫井脩介
文春文庫
日本版、太陽がいっぱい
正義とかそういうことより、私はこの本を日本版太陽がいっぱい、と読みました。青春の栄光と挫折です。 傑作です。
0投稿日: 2017.09.16合本 義経【文春e-Books】
司馬遼太郎
文春e-Books
あっけなさ過ぎる結末はこの著作の特長。しかしそれにしても。
ある種のコンセプトに基づいて英雄を描くのは、司馬遼太郎の魅力。 「政治的痴呆」とまで言い切る義経の運命は哀れ。あわせて特長である結末のあっけなさも、この作品際立つ。 逃亡劇、ほぼ描かず。大胆だ。
0投稿日: 2017.09.03儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇
ケント・ギルバート
講談社+α新書
残念 ひどい!
もう少し儒教を勉強して書いたと思っていました。 ネット右翼の投稿並。勉強しましょう。
0投稿日: 2017.08.21項羽と劉邦(上中下) 合本版
司馬遼太郎
新潮文庫
ひょっとしたら司馬作品最高傑作かもしれない。
つくづく司馬作品のうまさを堪能した。竜馬が典型だが、魅力あるヒーロー像を造る、語るうまさ。ラストの鮮やかさ、虚しさ。その後の人物たちの運命を途中、途中で入れ引っ張るストーリーテリング。すべてが唯一無二。
0投稿日: 2017.08.15制裁
アンデシュ・ルースルンド,ベリエ・ヘルストレム,ヘレンハルメ美穂
ハヤカワ・ミステリ文庫
巧みな伏線がすべて衝撃のラストへ
サスペンスに始まり一見犯罪をめぐる社会派劇だ。しかしながらそれは巧みな伏線が張り巡らされ、 衝撃の結末に繋がることに読後気づかされる。あまり経験のない傑作。
0投稿日: 2017.08.06蝦夷地別件 下
船戸与一
小学館
アイヌ反乱の物語には終わらない日本人の物語
正直、この大作のいよいよクライマックスがホラー小説並みの展開になることに 驚き、感動した。こういう展開を選んだ著者のある意味勇気に敬意を覚えました。 アイヌの話かと思っていたら日本人いや日本の話だった、という感動作。
0投稿日: 2017.07.31パレートの誤算
柚月裕子
祥伝社文庫
がっかりでした、柚月新作。
浅い社会問題描写。テレビドラマのようなクライマックスのサスペンスと犯人の意外。 どれをとってもらしからぬ新作。題名だけは納得。
0投稿日: 2017.06.20スリーピング・ドール 下
ジェフリー・ディーヴァー,池田真紀子
文春文庫
圧倒されるどんでんに次ぐどんでんの連鎖
意外と人間嘘発見器の設定は面白くない。しかしながらリーンカーンライムシリーズを上回るテンポの速さ。 主人公の魅力的なキャラ。そしてモントレーを舞台にした美しき逃走劇に楽しまされる。
0投稿日: 2017.06.18昨夜のカレー、明日のパン
木皿泉
河出文庫
私は乗れませんでした、昭和のホームドラマ。
昭和のホームドラマ的なムードで展開するほのぼの小説。 唯一よかったのが、職場のお局様のエピソード。しかしこの言葉も死語。時代の行ったり来たりはうまいな!
2投稿日: 2017.04.06