兵士の1人ボッソが手引きをし、将軍がクビにされ恨みを持つ元部下たちにとらえられたフィーナ。ボッソは前から表情がうつろで怪しげな雰囲気に描かれていた。複数の男たちに犯される危険にさらされ、フィーナはシルヴェリオへの愛をあらためて確認する。

将軍の婚約者となったことに周りが気をつかい、仕事を減らされたことに不服なフィーナ。普通なら喜ぶところを、妙に仕事熱心でプロ意識の高いフィーナが面白い。シルヴェリオが自分の婚約者となったフィーナの身に危険がふりかかることを警戒したとたん、彼女がさらわれてしまう。

お互いへの気持ちを認め合い結ばれたフィーナとシルヴェリオ。冷徹将軍の面をはずし、すっかり甘くなったシルヴェリオが早速皆の前で婚約したと発表。これにはフィーナもびっくり。フィーナが兵士たちから慕われているので、釘をさす目的ではないかと思う。

自分の目で確かめないと気が済まないフィーナは、麻薬疑惑の親子のいる地下牢へ行く。そこで想像したようなひどい目にあわされているのではなく、むしろ保護されている様子を見、将軍の行動が冷酷なものではなく、親子の安全を考慮してのものであることに気づくフィーナ。そして、将軍は自分のフィーナへの気持ちを告白する。

町で将軍と予想以上に楽しい時間を過ごすフィーナ。2人の仲は近づくが、危険な種の密輸疑惑で母親と幼い子どもが連行され、将軍の冷たい態度にフィーナはがっかりしてしまう。将軍がフィーナの賢さを評価し、対等に言い合えるのがよい。

寒がりのフィーナは、媚薬を常備しそれで体を温めるという変わった習慣を持っているが、その媚薬を知らずに飲んでしまった将軍には効果てきめん。それをフィーナがまた臆さずに鎮め、それ以降将軍のフィーナに対する態度に変化が。。。

傷の治療をしてあげたお礼にと、兵士たちがフィーナに差し入れをしれいることを将軍に見とがめられるが、今回は兵士たちがこぞって恐れている将軍に事情を説明。皆からの支えにフィーナが喜ぶ様子がかわいい。そして、さらにフィーナが後宮で優秀で暗号解読にも優れていたことが明らかになる。

検問所で疑惑を持たれた外国語の手紙を訳し、冷徹将軍にも認められ、フィーナがただのメイドではないことが、徐々に示されていく。またその手紙の内容が愛情を露骨につづったものだったにもかかわらず、フィーナは恥ずかしがることなく読みあげ、さばさばした人柄で周りを圧倒する。

冷徹将軍に娼婦と間違えられたフィーナだが、周囲に兵士が誰もそれを否定しなかった状況を冷静に観察、誰も頼りにならないと判断する。可愛らしい見た目に反し、冷徹将軍に対しても自分の意見をはっきり言う強さを持つ、筋の通ったヒロイン。

ヒロインのフィーナは、西洋人形のような外見。条件の良い結婚相手が見つかりそうなところで働きたいという他のメイドたちとは異なり、寒いのが嫌なので南の暖かい地へいくことが第一条件、という変わり種。絵が細部まで丁寧に描きこまれていて美しい。