雪野と一己の仲を疑う香織の態度が硬化。香織の気持ちも理解できる。そんななか、一己は会社の実験を叔父から奪還することに成功するが、満足より空虚に支配され、雪野たちのいるスケートリンクへと足を向ける。命がどのくらい持つかわからないという緊迫した状況のなか、雪野たちのオリンピック出場計画が告げられ、苦しい中にも目標が。

ロマンがペアを解消し、パートナーがいないという絶望的な状況に陥る雪野。打開策としてトラマノフがパートナーとなり、個性的なペアとなるが、身体の故障を抱えながら減量もするというトラマノフ。リンクで倒れた彼をカバーする雪野に、成長が感じられる。

一己が雪野たちのコーチを離れ、香織との結婚そして会社での叔父への復讐を進めることを決めた時、一己と雪野が並んで空を見上げる空港での場面が切ない。一己の身体の変調、雪野に冷たい態度をとろうとするところも、切なさが募る。

一己への想いを封印すると決めたものの、彼が香織に接近するのを見て動揺する雪野。そんな気持ちを持ちながら、スケートに精進しようとする。新コーチトラマノフは個性的なキャラクターで、鋭い観察眼を持ち、自分の思うところをはっきり言うところが爽快。

ストーリーのターニングポイント。一己と結ばれた雪野だが、彼と恋人としての関係に進むことはいったん封印し、スケートで世界一になるという決意をする。苦しい決断ながら、一己に頼ってしまいたくなる気持ちを抑え、自信の持てる自分自身になるという、雪野のスケート選手として、また一人の女性としての新たな一歩となる。

選手を引退するなつきと月白ペア。幼馴染で友人だった2人だが、月白はなつきを愛していた。だが、性格のきついなつきは、彼の結婚しようという言葉をはねかえし、一己に対抗するため叔父と手を組む。それでもなつきを想い続ける月白のやさしさが哀しい。

全日本ジュニアの試合前に、眠れなかった雪野を一己が温泉に連れて行くエピソードが印象的。雪野とロマンのペアは優勝できず、クラブが閉鎖されることに。処理に追われ疲れ果てた一己の姿に、心が揺さぶられる雪野。2人の距離は近づくが、雪野を大切に育てるため、彼女とは恋愛関係にならないと決める一己。が、あふれ出した雪野の気持ちは膨らんでいき、彼女を大人っぽくする。

一己と仲の悪い叔父が、一己が雪野とロマンのペア育成に力を入れるのを面白くなく思い、スケートクラブ潰しに乗り出す。雪野と出会う以前の無気力な生き方に決別し、2人のコーチを務める決意もする一己。打ち込めるものと出会い、生活が一変する。叔父との確執が、さらに彼の熱意を高める。

雪野とロマンのペアが始動。2人でロシアに練習に行き、他の選手たちとともに生活する中、ペアとして前進する。一方雪野は自分に好意を示しアプローチしてくる一己にとまどう。そしてそれを見た一己の元恋人なつきは面白くなく、黒い嫉妬が燃え上がる。

怪我をきっかけにスケートから離れていたヒロイン雪野と、煌河グループ御曹司一己が、冒頭で出会う。雪野は初めて立ったスケートリンクが解体される前に挨拶に訪れていた。解体するのは煌河グループで、その専務である一己は雪野にとって敵という存在。雪野の滑りを見てその才能を一己が見出し、スケートを介した2人の関係がスタートする、印象的なはじまり。