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Stellaさんのレビュー
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  • とりかえ・ばや(13)

    とりかえ・ばや(13)

    さいとうちほ

    月刊flowers

    自分探しを導く愛

    数多い登場人物の外見だけでなく、心理まで描き分ける作者の力量に感服。賢明だが人間味も見せる帝と吉野の宮が魅力的。沙羅と睡蓮は恵まれた華やかな環境に生きながらも悩みが深かったが、そこから抜け出せたのは愛する人を自覚することだった。

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    投稿日: 2024.05.05
  • 月影ベイベ(9)

    月影ベイベ(9)

    小玉ユキ

    月刊flowers

    心に沁みる物語

    病気になってから娘のために綴る蛍子の母繭子、繭子と円の死を超えた愛、蛍子が踊る日に円が繭子の姿を見るエピソードなど、読む者の心に沁みゆさぶる要素が詰まった作品。富山の方言が優しく、物語のトーンと合っている。

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    投稿日: 2024.05.05
  • 僕と魔女についての備忘録【デジタル限定特典付き】(5)

    僕と魔女についての備忘録【デジタル限定特典付き】(5)

    三つ葉優雨

    ベツコミ

    規格外の珠玉の作品

    幼いころから渉の話し方が、今どきの日本語ではない丁寧な言葉で、ゆっくりと読む者の心に染み入る心地よさがある。そして、水彩画のようなタッチの絵柄も優しく、独自の雰囲気を醸し出す。魔女宅の見取り図、時守の定義など、作者が綿密に築いた世界の中で、時間という普遍的な題材をとりあげるマンガというジャンルにおさまらない完結した「作品」で、宝物のように大切に心にしまっておきたいもの。同じ時間を生きる喜び、有限の時間の哀しみ、別れの辛さ、めぐり逢いの不思議など人生の深遠に触れるこのような作品が、多くの読者の支持を得たことに、この世界もまだまだ捨てたものでないと感じる。

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    投稿日: 2023.08.08
  • 輝夜伝(8)

    輝夜伝(8)

    さいとうちほ

    月刊flowers

    オリジナリティーに敬服

    かぐや姫の物語をベースとしているにせよ、登場人物からお話まで大部分が作者の創作によるもの。前作「とりかえばや」より、創作性がより高い。展開には予測がつくところもあるが意外な部分が多く、先がどうなるか見えない楽しみを提供している。作画の美しさは言うまでもなく、似たようなストーリーや人物の作品が多いなか、オリジナリティーにあふれる作品を生み出す力量に敬服。

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    投稿日: 2023.08.07
  • 黒崎秘書に褒められたい【マイクロ】(14)

    黒崎秘書に褒められたい【マイクロ】(14)

    宮坂香帆

    Cheese!

    元気になれるオフィスラブコメ

    最初はそんなに好みではないと思った。が、ドジだが一生懸命な樹理の笑える行動と、仕事上は冷静な黒崎のかなり粘液質な心の声やリアクションと、2人のやりとりのコミカルさが楽しく、引き込まれた。2人が恋人同士になる過程の描写もていねいで、それゆえ連載も長く続いている。恋愛とキャリア両方において自分を磨こうとする樹理の姿に好感が持て、元気にしてくれるオフィスラブコメの決定版。

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    投稿日: 2023.08.07
  • 花嫁Reスタート【マイクロ】(5)

    花嫁Reスタート【マイクロ】(5)

    京町妃紗

    ベツコミ

    切なさの真骨頂

    作者は切ないストーリーの名手として知られるが、大好きな人との婚約直前に不慮の死をとげる主人公という設定、生まれ変わるチャンスを得るが自分の正体を明かせないという条件、スタートから切なさにあふれている。さらに、恋のライバルである元親友・紬、主人公をずっと想っているその兄・奏と、周囲の人々が皆よい人であることが切ない状況が加速させる。奏を相手として選べば、すべてうまく収まると悩みながら、結局自分のほんとうの気持ちを貫く主人公を応援したくなる、心にしみる作品。

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    投稿日: 2023.08.06
  • 偽りのフレイヤ【電子限定おまけ付き】 10巻

    偽りのフレイヤ【電子限定おまけ付き】 10巻

    石原ケイコ

    LaLaDX

    多彩なエンターテインメント

    巻が進み登場人物が増えているにもかかわらず、1人1人を絵柄だけでなく性格・人柄まで描き分けているところが素晴らしい。敵側の人物、(特にシグルス皇帝ディミトリ)も一筋縄の悪者ではなく、個性的で人として魅力的であることも。主人公のフレイヤが戦いや冒険のなかで成長していくのみでなく、周囲の人物たちも彼女とかかわることで気づき、成長していくところも深みがある。また、フレイヤの出生に知られざる秘密があることが所々で感じられ、それがどのように展開するのか今後も楽しみ。

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    投稿日: 2023.08.06