フクが旅行に出かけ、律と実椿2人だけの夜、以前に不思議な引力で接近した時の気持ちをお互いに語り合い、2人の関係が特別なものであることを確認する。そして、昔の写真を見て実椿の夢に出てくる律に似た男性が、彼の祖先であることがわかる。

稲刈りの手伝いを律と一緒にする実椿。実椿の周りに男性が寄ってくると嫉妬を感じる律。一方実椿も、律が見知らぬ若い女性と話しているのを目にすると、ヤキモキする。ゆっくりと進む2人の物語。

ようやく屋敷から出ていきたくなくという、自分の気持ちを素直に語ることができた実椿。律とフクに優しく受け入れられあふれる気持ちは、安堵感だけではなくそれ以上の何かがある、ということは実椿も気づいた。

アパートの空き室がでたという報せ。が、実椿は屋敷を出て律やフクと離れることを哀しく思う。律やフクも同じ思いだが、差し出がましいことを言ってはいけないという自制がはたらく。そんななか、再び過去世の夢を見る実椿。それは過去世での2人をより明らかにするものだった。

律も実椿もお互いのことが気になり、自分の中で悶々としている状態だが、米農家の淳が実椿に触れるのを見た律は、自分でも気づかないうちに2人の間に割って入る。実は淳は中世的な女性ということがわかるが、このできごとを機に律は実椿のことをよりよく知りたいと思うように。

フクが律と実椿の様子を観察し、2人が仲良くなってほしいと願うことが微笑ましい。実椿の首元に椿に見える痣があることは、過去世とのつながりをより強くにおわせる。

夢を見て以来、律のことを意識してしまう実椿。ずっと律のことを見守ってきたフクが、実椿をとても気に入っていることが、良い兆しに思える。

実椿が泊まった最初の番に1話冒頭の過去生にまつわる夢を見て、椿が多く植えられている屋敷に滞在することになったのは単なる偶然ではない、という予感が強まる。

過去生における2人の場面が冒頭に描かれ、過去の縁から物語が始まることを告げ謎めいた雰囲気を醸し出す。ヒロインの名前に椿が入っていて、椿がつなぐ縁というのも情緒がある。

とらえた者たちにとびきり強い媚薬を飲ませ動けない状態にし、うまく逃げだすことに成功したフィーナ。彼女の風変わりな習慣が、ここで役立った。自分でも気色が悪いと思いつつ、無事にシルヴェリオの元に戻るため茶番を演じたフィーナは、また抜きんでた人柄と頭脳を披露した。