
乾坤の児 千里伝
仁木英之
講談社文庫
唐代版スターウォーズ!神仙の帰還
スターウォーズ エピソードⅥ(ジェダイの復讐/今は帰還か??)を思い起こさずにはいられない。しかしパクリ感があるわけではないのでご安心を。しかし仁木様は人の暗部を書くのがとてもうまい。それでいてドロドロ?、黒々?しないのだから不思議。読んでいて嫌な気持ちにはならないのはスバラシイと思います。 胸熱くなる大団円。しっかり1巻、千里伝から読みましょう。
2投稿日: 2014.09.13阿弥陀堂だより
南木佳士
文春文庫
おとぎばなし??? 少々自然礼賛・・・
書籍説明には「大人のおとぎばなし」とありますが、私はそのような感触は受けませんでした。 難しい問題を抱えた二人の女性と、かって抱えていた(であろう)お婆様を、情けない(と自称する?)中年男性が語っていきます。 決してなめているわけではないのでしょうが、自然礼賛、自然がなんでも問題も解決!するように読めてしまうのは、ひねくれすぎかなぁ。 でも、ちょっと語りの男の俗っぽいところは、魅力あり。(これもひねてる!!)
0投稿日: 2014.08.12旅行者の朝食
米原万里
文春文庫
ホットケーキの威力とは?q
食べものエッセイなのだけど、「舌の上でとろけるように」とか、「ジューシーでさわやかな香りがひろがり」「肉汁のナイアガラやぁ」といったたぐいのものではありません。 虎→バター→ホットケーキを連想させる、かの童話(今は問題があるらいしいあれ)の食欲に及ぼす威力?を語ります。 色々な表現で味を伝えるより、よほど食べたくなります。
3投稿日: 2014.08.09本能寺六夜物語
岡田秀文
双葉文庫
本能寺とんでも説・・・ではありません。すばらしいストーリー。
これぞ小説!と思わせる本能寺/信長にまつわる話が6編。”史実と違う!”などと野暮な事は言わず、読書の時間を堪能してください。 これを読むと戦国武将で明智押し??になってしまうかも・・・。
2投稿日: 2014.07.24ばいばい、アースII 懐疑者と鍵
冲方丁
角川文庫
苦しみの後には?
主人公ヘベル(鍵)とアドニス(懐疑者)、二人二様の喪失と再生の巻。特にアドニスの再生への道のりが過酷。正直読んでいるのが辛い。 しかし、それを読み越えたあとのベルの物語がせつなく、胸にせまります。投げ出さないでよかった。 次巻以降への助走(複線?)としてはとても濃厚な回です。
0投稿日: 2014.07.24テンペスト 第二巻 夏雲
池上永一
角川文庫
沖縄宮廷昼メロ最高潮!
主人公(寧温)のジェットコースター人生は、感情移入の前にページがめくれと急かされます。今回の敵は大国”清”のエロ宦官。迫りくる悪の手に、寧温の運命やいかに! 細かいことは気にしない!楽しく読みましょう。
1投稿日: 2014.07.13テンペスト 第一巻 春雷
池上永一
角川文庫
首里城に行こう!
初の沖縄旅行の前に読みました。同本で沖縄を知る!!・・・・訳にはいかないかな?? と思えるようなエンタメ小説。むしろ昼メロ。でも首里城をみれば、「あぁ、あのシーンの舞台はここだろう」と思える描写がここかしこに・・・ある気ががします。 断定できないのは、台風の影響で沖縄に行けなかったからですがTT。 次の機会まで、この小説を読んで行ったきになろう(なれるかな)。
4投稿日: 2014.07.13カササギたちの四季
道尾秀介
光文社文庫
気が利く!小林少年?
探偵小説の王道キャスティング???探偵役と助手と女性・・・。ホームズにワトスンあり、明智に小林少年あり。でも気が利く(ききすぎ?)小林少年がいたらどうなってしまうのでしょう。二十面相の予定も狂うのかなぁ。 でも最後はやっぱり女性にはかなわない、って感じです。 道尾様にしてはハートフルな一品です。
2投稿日: 2014.06.29高原王記
仁木英之
幻冬舎
理力の暗黒面はかくも強し
仁木様の得意分野?得意の土地柄??モンゴル地区を思わせるおなじみの舞台設定。読む人を安心させるやさしい文体と軽い会話・・・・なのですが、実は人の暗黒面をこれでもかと書いています。基本的に登場人物全て暗黒面あります。・・・千里伝をお読みの方は「あぁ、あいつに似ているな」と思うのでは。
2投稿日: 2014.06.23盤上の夜
宮内悠介
東京創元社
ゲームの行く末にあるものは?
登場するのは囲碁、将棋、麻雀などおなじみのゲーム。しかし、よくあるゲーム/ギャンブルの勝負モノのように”対決の緊迫感とか大逆転の爽快感”を求めるものではありません。 しっかり内容を”読まない”と本に敗けてしまうかもしれません。ゲームは何故できて、どこで終わるのか・・・。 冲方様の解説が頼りになります・・・。
3投稿日: 2014.06.10