
代償
伊岡瞬
角川文庫
最後まで止められない
代官山の蔦屋でお薦めのだったので読んでみました。 物語の大半はとんでもない奴の邪悪な行為に、精神を痛めつけられる主人公 が描かれます。うんざりするぐらいです。 最後は代償を払う訳ですが、想像していたのとは違う最後でしたね。 紹介された通り最後まで止められない感じで読みきりました。
2投稿日: 2017.02.23
静かな炎天
若竹七海
文春文庫
”このミステリーがすごい!”で紹介された
こう言うのを掘り出し物と言うんですね。 手にしたきっかけは、”このミステリーがすごい!”で紹介されたからですが想像以上でした。ストレートに面白いです。 短編ならではの展開の速さと、落ちの鮮やかさに感銘しました。 毒のある人物描写は巧みで、そのキャラが目の前にいるような印象を受けます。それだけでも面白いです。 葉村晶シリーズは4作目なんですね。また遡って読むことになりそうです。
1投稿日: 2017.02.07
パードレはそこにいる 上
サンドローネ ダツィエーリ,清水 由貴子
ハヤカワ・ミステリ文庫
ジェフリー・ディーヴァー絶賛のミステリー
イタリアを舞台にした警察と犯罪者の緊迫感溢れるせめぎあいが描かれる。 心に闇をかかえるコンビが葛藤しながらも互いに惹かれあって行く。 ジェフリー・ディーヴァー絶賛のミステリー。 ディーヴァーっぽいテーストが一杯に散りばめられ,彼のファンなら充分に楽しめると思います。
1投稿日: 2017.01.09
楽園のカンヴァス(新潮文庫)
原田マハ
新潮文庫
どこまでが真実でどこが創作なのか
どこまでが真実でどこが創作なのか。 ルソーが好きでルソーに取り付かれた人達のフューマンドラマ。 様々な人生を歩んできた人達が葛藤しながらも自分の居場所を見つける。 倉敷、バーゼル、ニューヨークと世界を股にかけて展開する物語は壮大でドラマチックです。
1投稿日: 2017.01.05
亡者のゲーム
ダニエル・シルヴァ,山本やよい
ハーパーBOOKS
スピード感と切れ味の鋭さに時間の経過を忘れます
ガブリエル・アロンシリーズ。 『英国のスパイ』に心酔し迷わず購入。相変わらずのスピード感と切れ味の鋭さに時間の経過を忘れます。 狡猾なターゲトとの騙しあいにハラハラしつつも最後には勝利に導く、ガブリエルの実務能力に爽快感を覚えます。 このシリーズ、電子版は2作しか見つけられませんがもっと読みたい。
3投稿日: 2016.10.10
英国のスパイ
ダニエル・シルヴァ,山本やよい
ハーパーBOOKS
ガブリエル・アロウシリーズの最新作で5作目
本作は、ガブリエル・アロウシリーズの最新作で5作目。なんでこんな面白いシリーズを見逃していたんだろうと悔やみつつも、素晴らしい作品に巡り合えた幸せをかみしめながら5作目からさかのぼることになりそうです。 英国のMI6の諜報活動を拠点に話が進みますが、主人公のガブリエルはイスラエルの工作員。MI6の長官とガブリエルの個人的な信頼関係がサイドストリーとして描かれます。 業務遂行の為ならば手段を選ばないMI6の007スタイルは顕在。ターゲットを袋小路に追い込み網にかける。 足音を立てずに獲物に近づいて行くわくわく感がたまりません。 著者ダニエルシルバはUPI通信の記者として経歴をスタートし、中東の特派員などを経験。在任中に執筆活動えを始めます。今回の舞台である中東の情勢には当然明るく、登場人物の微妙な立ち位置まで細かく描かれ、早い展開に圧倒されながら至高の時間を過ごすことが出来ました。
3投稿日: 2016.09.20
親鸞(しんらん)(上) 【五木寛之ノベリスク】
五木寛之
講談社文庫
親鸞の少年時代から越後に流刑になるまでの波乱の人生
親鸞の少年時代から越後に流刑になるまでの波乱の人生を劇画調に描かれる。 後白河上皇が賭場に現れたり、使用人が実は賭場の胴元だったり、つぶての弥七が絶体絶命の時に必ず救ってくれたりと、荒唐無稽ではありますが、躍動感に溢れダイナミックに時代を描く筆力はさすがです。 勿論、時代考証はしっかりしており、親鸞の求めた極楽浄土の道も余すことなく表現されています。
1投稿日: 2016.07.13
ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 上
ダヴィド・ラーゲルクランツ,ヘレンハルメ美穂,羽根由
早川書房
違和感なく物語を継承しています
作者であるスティーグ・ラーソンが亡くなったと聞いていたので続編は諦めていました。 ですから本屋でミレニアム4を発見した時には我が目を疑いましたね。 引き継いだ作者はノルウエーで有名が作家で、違和感なく物語を継承しています。 リスベット・サランデルの戦闘力もミカエル・ブルムクヴィストのジャーナリスト魂も健在で、懐かしさすら感じながら通読。大満足です。 NSAやノルウエー警察などの巨大権力を敵にまわし、ぶっきらぼうでも優しさを湛えるリスベット。 大好きなキャラクターです。早く続編がみたいですね。
5投稿日: 2016.01.18
もう過去はいらない
ダニエル・フリードマン,野口百合子
東京創元社
こんなおじいちゃんが居たら大好きになりますね。
『もう年はとれない』の続編。元殺人課刑事のバック・シャッツがまたまた破天荒に大活躍します。 過去の忌まわしい事件の当事者が亡霊のように登場。昔の事件がフラッシュバックします。 心にしこりを負うシャッツは、亡霊に追い立てられるように腰をあげるが体が思うに任せない。 もどかしい肉体を鞭打って、悪態をつきながらも真実に近づく男の執念を感じます。 こんなおじいちゃんが居たら大好きになりますね。 続編を期待します。
0投稿日: 2016.01.06
もう年はとれない
ダニエル・フリードマン,野口百合子
東京創元社
粋で面白いおじいさんですよね。楽しかったです。
登場人物のキャラ設定の妙ですね。ちょっとコミカルで素敵な物語です。 シャッツの繰り出す自虐的な発言で、ナチスドイツの大虐殺や老人問題などの深刻な話題が陳腐にならずに 浮き彫りになってきます。 小説を読む楽しみの一つは、主人公に乗り移って疑似体験を味わえること。いつの間にかシャッツになって、探偵になったり、追手から逃走したり、銃を構えたりしている自分がいます。 銀行の貸金庫からお金をかすめるシーンは自分がその場にいるような緊張感さえ味わえます。 しかし粋で面白いおじいさんですよね。楽しかったです。
0投稿日: 2015.11.30
