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future4227さんのレビュー
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  • レパントの海戦(新潮文庫)

    レパントの海戦(新潮文庫)

    塩野七生

    新潮文庫

    迫力の海戦シーン

    地中海海戦三部作の最終巻。ベネツィア共和国とスペインを主力とするキリスト教連合艦隊VSトルコ艦隊のガレー船同士のガチンコ大海戦。『村上海賊の娘』を彷彿とさせる海戦シーン。この戦いの中に『ドン・キホーテ』を書いたセルバンテスもいたらしい。トラファルガー海戦は知ってたけど、レパントは知らなかった。世界史勉強してないからなぁ。この十四年後に天正遣欧少年使節団がベネツィアを訪れたと聞いてやっと歴史が繋がった。ベネツィア艦隊参謀のバルバリーゴとフローラとの禁断の恋が美しくも切ない物語として花を添えている。

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    投稿日: 2024.05.13
  • 死屍(しし)の導(しるべ)~警視庁特命捜査対策室九係~

    死屍(しし)の導(しるべ)~警視庁特命捜査対策室九係~

    渡辺裕之

    光文社文庫

    新メンバー加入のシリーズ3作目

    シリーズ3作目。アクションほぼなしで、地道な捜査を積み重ねていく本格的な刑事物語、という渡辺氏の他シリーズとはちょっと毛色の違うシリーズ。一見すると通りすがりの強盗殺人事件に違和感を覚える九係。この係は被疑者死亡で捜査終了となってもお構いなし。目的は犯人逮捕ではなく、真実を暴くことにあるから。優秀な新人女性警官の2人が加わり捜査能力も小説としての面白みもパワーアップ。前作で岩城警部といい感じになった中国の女性捜査官とのその後が気になるなぁ。そしてあのムカつく森高管理官をいつかギャフンと言わせてほしい。

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    投稿日: 2024.05.13
  • きみの鐘が鳴る

    きみの鐘が鳴る

    尾崎英子,しらこ

    teens’ best selections

    ちょっとドロドロした中学受験物語

    中学受験を目指す塾仲間5人のうち4人の子たちの受験物語。どうせなら5人全員描けばいいのに…。若干『二月の勝者』と被る所があり、ストーリーの新鮮さに欠ける。涼真くんのお父さんは『二月の勝者』の島津くんのパパそっくりだし。親の過度の期待、同級生からの妬みやいじめ、学校の先生への嫌がらせ、兄弟や家族とのギスギスした日々。なんか殺伐とした中で受験勉強してる感じが今ひとつ共感できず。受験って本来もっと楽しいものだと思うんだけどなぁ。でもこの本、題材的に来年の入試問題に使われそう。4月首都圏模試で出題された。

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    投稿日: 2024.05.13
  • ちはやふる(50)

    ちはやふる(50)

    末次由紀

    BE・LOVE

    ついに完結(泣)

    これでもう終わりという寂しさから半年間読まずに逃げていました。でも、さすがに読みたいという衝動に勝てなくなって腹を括りました。やっぱり最後は涙が止まらないですねぇ。千早引退後の瑞沢高校かるた部もけっこう面白そうなドラマが広がりそうですね。あるいは大学生となった千早のチア物語で新連載はだめでしょうか?いずれにしても、千早、太一、新の3人にもう会えなくなるのはさみしい限りです。

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    投稿日: 2024.05.13
  • スマホはどこまで脳を壊すか

    スマホはどこまで脳を壊すか

    榊 浩平,川島 隆太

    朝日新書

    スマホ怖い

    様々な実験から得られたデータを基にスマホが脳にもたらす悪影響を説明した研究論文のような本。科学者が書いてるだけあって、報告レポートのような文体で、話を盛ったり、脚色したり、比喩的表現もない。ただ、淡々と事実を述べる文章なので、読み物としては面白みに欠ける。ただ、内容はかなり衝撃的で、スマホを1日3時間以上使うと、どんなに勉強しようが成績は伸びないという。特に脳の発達途上にある10代の子への影響は大きいそうだ。裏を返せば、成績を伸ばしたきゃスマホを使わないのが1番手っ取り早い方法と言える。

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    投稿日: 2024.05.13
  • 忘れられた少女 上

    忘れられた少女 上

    カリン・スローター,田辺千幸

    ハーパーコリンズ・ジャパン

    現在と過去の謎が錯綜する

    証人保護プログラムを受けている女性が保安官補になっての初任務。脅迫を受けている連邦判事の護衛と共に38年前にエミリーという女子高生に起きたレイプ事件と傷害致死事件の真相を追う。レイプの被害に遭った女性が妊娠したときの周囲の冷やかな態度に衝撃を受ける。学校からも親からも友達からも村八分状態。責められるべきは加害者の方なのに、なんと理不尽なことか。エミリーの境遇があまりにも可哀想過ぎる。さらにカルト集団的な農場まで出てきて、現在と過去のミステリーが同時並行。どっちも結末が気になる。

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    投稿日: 2024.05.13
  • 忘れられた少女 下

    忘れられた少女 下

    カリン・スローター,田辺千幸

    ハーパーコリンズ・ジャパン

    前作も読むべし!

    そうか!「彼女のかけら」の続編だったのか。巻末の訳者あとがきを読んで気づいた(おせーよ)。訳者自身でさえしばらく気づかなかったと告白しているぐらいだから、仕方ないよね。読み終わったあとに続編と知って、物語の深みがぐっと増した。主人公のお母さんは、前作で躊躇なく犯人の喉を掻っ切った凄い人だったし。38年前の事件の容疑者の一人クレイは主人公のお父さん!とにかく登場人物が多い上に名前も変わったりするから相関関係が把握しづらいのが難点。でも、全貌がわかると親子二代にわたる壮大なサスペンスだということがわかる。

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    投稿日: 2024.05.13
  • YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors

    YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors

    小林深雪,にかいどう青,長谷川まりる,如月かずさ,水野瑠見,菅野雪虫,鎌谷悠希

    YA! ENTERTAINMENT

    悩んでる子どもたちに手を差し伸べよう

    ジェンダーフリーをテーマに児童文学作家たちが描く短編集。お目当ては水野瑠見さんと如月かずささんの作品だったけれど、結果的にはどれも個性的で素敵な作品だった。同性愛とか性同一性障害で悩む子どもたち。いつまでも娘が小学生だと思ってるセクハラパパ。生理に無理解な男子学生たち。異性とあるいは同性とどういう距離感で付き合えばいいのか?新しい価値観が出てきてみんな困惑し模索している感じがよく表現されていると思う。実際、世の中の価値観もどんどん変わっていくんだろうな。金八先生で上戸彩さんの演じた女の子を思い出す。

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    投稿日: 2024.05.13
  • サマータイム・ブルース[新版]

    サマータイム・ブルース[新版]

    サラ・パレツキー,山本やよい

    ハヤカワ・ミステリ文庫

    時代の古さを感じさせない

    パレツキー初読み。V.I.ウォーショースキーというちょっと風変わりな名前(実際、作中の悪党にもなかなか名前を覚えてもらえない)の美人私立探偵が主人公のシリーズ第1作目。パソコンも携帯もない時代の超アナログ社会が舞台だけに、とにかくフットワークと体力が勝負。そして空手の使い手でもある彼女は殺し屋を相手に大立ち回り。最後はスカッとさせてくれるが、ハードボイルド小説にしてはちとキャラが弱いかな。個人的にはもう少しド派手に暴れまわって欲しい。でも、当時の女性の社会的地位からすると充分型破りな女性なのかも。

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    投稿日: 2024.05.13
  • 自転車少年記―あの風の中へ―

    自転車少年記―あの風の中へ―

    竹内真

    新潮社

    単行本はもっと長いらしい

    初めて補助輪を外して自転車に乗れた時の感動、新しい自転車を買った時のワクワク感、友だちと一緒にサイクリングに出かけた時の未知なる冒険への高揚感、彼女と二人乗りして走るトキメキ感。小さい頃に誰もが経験した感情を大人になってもずっとキープしてる登場人物たち。八王子から糸魚川までの300キロの道のりを1日で走破した草太。別れた彼女とよりを戻すために千葉から仙台まで自転車で会いに行く昇平。自転車を通して紡がれる友情や愛情。登場人物のすべてがいい人たちで溢れている。最初から最後まで爽快感と自転車愛に満ちた物語。

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    投稿日: 2024.05.13