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たかじ56さんのレビュー
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  • 真紅の戦場2 勝利の代償

    真紅の戦場2 勝利の代償

    ジェイアラン,嶋田洋一

    ハヤカワ文庫SF

    つっこみどころが・・・

    一巻に引き続き読んで見ました。 これまでと同じ世界観で物語は続き、いつの時期かのどこかの世界での状況を未来に投射しているというか、既視感みたいなものを感じながら読み進みました。 なんと、一巻を読んだ時にコメントした「突っ込みどころ」に対する答えがちゃんと2巻に出てきました。失礼しました。 また、2巻では宇宙空間での戦艦(宇宙船?)同士の戦いが多く描かれており、その中で、地球の海上でのそれとは、概念として大き異なることが描写されていあました。また、巻末にはそのことに関する解説があり、なるほど理屈を考えてみればそうなのかもしれないと感心しました。

    6
    投稿日: 2016.05.12
  • 真紅の戦場 最強戦士の誕生

    真紅の戦場 最強戦士の誕生

    ジェイアラン,嶋田洋一

    ハヤカワ文庫SF

    来てほしくない未来

    歴史は繰り返すという話を聞いたことがあります。 かつて西欧列強が競って地球上の各地域に植民地支配を広げていった時と同じことが宇宙レベルで繰り広げられている物語です。 本書では23世紀の時代背景についても描写があります。本書で描かれている200年後の世界は読んでいて気持ちが沈んでしまうほど灰色の世界です。 今現在世界で起きていることの延長線で考えるとひょっとすると本当に未来はこんな世界になってしまうのでは?と思えてしまったので尚更です。 そこが本書の面白いところでもあります。みんなで力を合わせてこんな未来にならないようにしましょうというメッセージと解釈すれば良いのかもしれません。 携帯式核融合発電装置や惑星間移動、ワープゲートなどが実用化している世界でも、無人兵器ではなく生身の兵士が血を流して戦う必要があるのか?等々、突っ込みどころもなくはないのですが、小説として楽しめたので星5つ付けます。

    7
    投稿日: 2016.05.03
  • 人類進化の700万年 書き換えられる「ヒトの起源」

    人類進化の700万年 書き換えられる「ヒトの起源」

    三井誠

    講談社現代新書

    ヒトの起源

    タイトルの通り、人類の起源について詳しくかつ分かりやすく書かれています。 人類の祖先が地球に現れてからとてつもない時間が過ぎて、いわゆる私たちと同じ人が現れ、そしてまたとてつもない時間が過ぎて、やっと文字を持ち文明と呼ばれるものが始まったのだと実感させられます。現代のライフスタイルは、ながーい間人類が過ごしていたそれとは、あまりにかけ離れたものになっています、ですが私たちの物理的な身体は現代のライフスタイルの急激な変化についていけていないことに気が付きます。 ということは、そのながーい間人類が過ごしていたライフスタイルを参考にすることが私たちの健康に役に立つのではと感じさせられました。

    5
    投稿日: 2016.04.15
  • 世界の軍事情勢と日本の危機

    世界の軍事情勢と日本の危機

    高坂哲郎

    日本経済新聞出版

    涙が出る程目をそらしたい現実

    あくまでも、本書にあることが事実だとすれば(私が知る限りの知識では事実だと感じました。)、本書には涙が出る程目をそらしたい現実が客観的に淡々と書かれています。 本書の良い点は、現状の問題点を分かりやすく公平に指摘しつつ、批判するのではなく、著者としての対策案を提示していることです。加えて、本書は右でも左でもなく中立の立場で語られていることに感銘しました。 しかしながら、本書のタイトルが内容をよく表しているのですが、本書の題名はどうしても右寄りの印象を与えてしまうことが残念です。 うまいタイトルを考えれば、より多くの人に読んでもらえると思います。また、そうあって欲しいと感じさせる本です。 私たちは、この現実に目をそらさず向き合っていかなければなりません。

    6
    投稿日: 2016.04.15
  • これから始まる中国の本当の悪夢 習近平に迫る経済壊滅、政権分裂、国内大乱

    これから始まる中国の本当の悪夢 習近平に迫る経済壊滅、政権分裂、国内大乱

    石平,黄文雄

    徳間書店

    右か左か

    世の中を注意してみると、右側の人、左側の人それぞれがいろいろな手段を使って一般の人(どちら側にも寄っていない人)を自分と同じ側に引き付けようとしていることがわかる。何事も片寄り過ぎは良くないと子供の頃に教えられたため、常に中立的であろうと心がけていた。自分の子供の世代に自分の生まれ育った国が、少なくとも戦争に巻き込まれてないようにしなければならないと思い自分としてどのような考えを持つべきか?そんな事を考えていた最中に本書を手に取った。 タイトルを見ればどうみても右である。うー、と思いながら読み進めた。タイトルの通りのことについて著者がいろいろな面から解説している。左よりの人の書くことを読んだ時と比べて、どうしてもこの本の内容が自分には、より腑に落ちてしまう。 そんな自分は右に寄っているのか? そうかもしれないが、それでも自分は自分の考えを他の人に植えつけたくない。 自分と違う考えを持つ人のことを尊重したい。同意はしないとしても否定はしない、相手がこちらに危害を加えない限りは。世の中は両側の人たちの考えが適当に拮抗している状態が良いのだと思う。 とりとめがなくなってしまい申し訳ありません。

    4
    投稿日: 2016.04.04
  • ガンメタル・ゴースト

    ガンメタル・ゴースト

    ガレス・L・パウエル,三角和代

    東京創元社

    銀河鉄道999の世界へ

    子供の頃、機械の身体をテーマにしたアニメ銀河鉄道999をよく観たことを思い出しました。偶然にも、本書を読む少し前にディスカバリーチャンネルで、コンピュータと脳を直接つなげる技術を研究している人達を紹介している番組を観ました。銀河鉄道999は全く夢物語だと思ってきましたが、このテレビ番組を観たら、私の子供か孫の世代ではこのようなことが、ひょっとすると実用化されるのでは?などと考えさせられたところで、本書を読んだため、とても感慨深いものがありました。本書で扱われているのは、銀河鉄道999と比べれば極初期的技術ですが、それがまた現在の技術とのつながりを感じさせることで現実味を増し読者を引き込みます。 また、和訳された外国人作家の小説にありがちな、読みにくさが本書にはほとんど感じられませんでした。 また本書の著者はイギリス人で物語はイギリスを中心とするヨーロッパを舞台に描かれています。そのため、イギリスに行ったことや住んだことのある方には、懐かしさを感じさせる描写がそこここにありました。

    4
    投稿日: 2016.02.08
  • 東アジアの軍事情勢はこれからどうなるのか

    東アジアの軍事情勢はこれからどうなるのか

    能勢伸之

    PHP新書

    集団的自衛権に関する議論との関連

    本書では、まず近年における中国と北朝鮮との軍事力の推移が客観的な表現で説明されています。ここで注目すべきは弾道ミサイルを迎撃することの難しさという点に触れていることです。要約すると現代の技術では飛来する弾頭のほとんどは打ち落とせると理解できるが、「間違いなく全て」打ち落とせるとはどう解釈してもいえない。日本にとっては、弾頭ひとつでも国内に着弾すれば大変なことであり、ましてその一発が核弾頭ならば・・。 その後、太平洋に展開しているアメリカ軍、韓国、そして自衛隊のミサイル防衛に関する防衛力を中心とした紹介がまた、客観的表現で記述されています。ここまでできているなら万が一の時でも大丈夫なのか、という気持ちになり、「間違いなく全ての弾頭を打ち落とす」ことに一歩でも近づくための手段としてデータリンクが紹介されています。データリンクの中身については、民間で普及している最近の技術レベルを考えてみれば、この技術が防衛に導入されていても驚きません。 しかしながら、ここで問題になるのがデータリンクの仕組みが集団的自衛権と個別的自衛権の定義に引っかかることです。昔の戦争での考え方をデータリンクに当てはめることができないのです。この点について、丁寧な解説がなされております。 本書に書かれていることが真実であるとするならば、昨年政府が強行といえるほど、集団的自衛権を許す方向に議論を進めた理由が分かります。

    4
    投稿日: 2016.02.08
  • 平成の零式艦上戦闘機

    平成の零式艦上戦闘機

    木村譲二

    光文社文庫

    奇想天外

    本書の著者は、軍用機に関わる分野に関するとてつもなく詳細な知識をお持ちの様です。あるいは、読者にそのように思わせようとされているのでしょうか?本書の随所に見られた詳細にわたる描写は、そのような知識を得たいと思っている読者には良いのかもしれないが、読書を楽しみたいという読者には過剰かもしれないです。この分野に興味を持つ私にも、そのように感じさせました。 序盤、そのような気持ちを持ちながら読み進めていくと、物語は奇想天外なことに・・・。 作中、登場人物の一人が主人公に対して、この世界ではあまり突っ込みを入れずありのままを受け入れることが良いといった趣旨の発言をする。なるほどこれは読者に対してのメッセージか。 軍用機にまつわるあまりに詳細な描写と、物語のありえない進み方のギャップにこの本の面白さがあるのか? 読後少し時間が経った後、このような感想を得ました。

    4
    投稿日: 2016.01.14
  • デトロイトから見える日本の未来

    デトロイトから見える日本の未来

    WEDGE取材班,中西享

    WEDGEセレクション

    地方自治体運営のあり方

    本書で紹介されていたニューヨーク州ロチェスターには十数年前、デトロイト市には数ヶ月前に、仕事で訪問する機会があったこともあり本書を手にしました。 十数年前、その地域のアメリカ人の姿や彼らの仕事の仕方から、雑な仕事やそれにも関わらず驕った態度が見て取れた。 こんなことでは長続きしないと思っていたら本当に製造拠点が海外に行ってしまった。 年金などレガシーコストなどは自治体だけでなく企業をも圧迫する問題だった。 それから、十数年、リーマンショックなども経た後のアメリカ北部は明らかに寂れていた一方、本書に紹介されていたデトロイトでの様子のように再生への動きが見えた。そこには、反省、謙虚さ、新しいことへチャレンジする気持ちが人々の様子から感じ取れました。 本書は、日本におけるこれからの地方自治体運営のあり方について参考になると思います。

    6
    投稿日: 2016.01.06
  • 人生・愉しみの見つけ方 「いま」を充実させる100の逆転発想

    人生・愉しみの見つけ方 「いま」を充実させる100の逆転発想

    川北義則

    PHP文庫

    だまされたと思って

    若い頃、プラス思考とか聞いたり、妙に前向きなひとを見ると、返って斜に構えて胡散臭いと感じるタイプでした。人生の中でいくつかの困難(他の方にとっては困難と呼べる代物ではないかもしれませんが)に直面した時、前向きにことを考えることを学び、事態を良い方向に切り抜けられたと思っています。 本書は、そのようにプラスに前向きにことを捉えるアドバイスがよくまとめられています。 中には以前耳にしたこともあるかも知れません。でも、このような事は忘れてしまいがちなので繰り返し目にする位で良いと思います。それによって身につくと思います。 という意味で本書の値段と読む為の時間は、多くの方にとって投資する価値ありかと思います。

    4
    投稿日: 2015.12.29