チョッピーさんのレビュー
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渇きの海
アーサー・C・クラーク,深町眞理子
ハヤカワ文庫SF
傑作
クリフハンガーな状況設定の連続や、登場人物のキャラクター設定の描き分けもくっきりと、今読んでも小説として十分に面白く読めました。余りにもありとあらゆる面で「端正」な印象を受ける為か、個人的には内容に見合った「ダイナミック」なインパクトに欠けているような印象も残りましたが、個人的嗜好の範囲でしょう。古典SFが大好きな人間としてもお勧めしたい作品です。
1投稿日: 2014.05.06
氷の闇を越えて〔新版〕
スティーブ・ハミルトン,越前敏弥
ハヤカワ・ミステリ文庫
読みやすい、でも浅くない。
主人公のキャラクターに捻りが効いている点や、登場人物達の描き分けが明確で状況設定や自然描写のバランスも良く、結末のロジックも小説らしい「無理やり」感はありつつ明快で、全体的には非常に好感が持てる内容でした。継続的なシリーズ作品の翻訳を個人的には希望したい所ですが・・・。
0投稿日: 2014.05.06
黄昏に眠る秋
ヨハン・テオリン,三角和代
ハヤカワ・ミステリ文庫
「悲しみ」が胸を打つ傑作
冒頭から結末まで物語の流れはゆったりとしていますが、全体が「悲しみ」に包まれているような作品で、善悪が単純には割り切れない世界の中で、もがきながら生き続ける登場人物達の織りなす人生の陰影描写の深さが強い余韻を残す、素晴らしい作品だと思います。
2投稿日: 2014.05.06
解錠師
スティーヴ・ハミルトン,越前敏弥
早川書房
傑作!
小説の構造そのものが「解錠」とリンクするという凝った仕様でありながら、物語の主題は「ミステリー」というよりも主人公の青春の物語であり純愛の物語で、ラストのある「希望」に向けて鮮やかに収束する極上の読み物として、最高にお勧めの1冊です。翻訳ミステリはちょっと?という方も是非!
2投稿日: 2013.10.24
