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ことくさんのレビュー
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  • 信長協奏曲(14)

    信長協奏曲(14)

    石井あゆみ

    ゲッサン

    日本史苦手な人でも楽しめるコミックです♪

    日本史に滅法弱い私にとって、このコミックは大変ありがたいです。 なんとなーく名前だけ知っていた人物の戦国時代での立場がわかったり、サブローという現代からタイムスリップしてきた高校生が、顔が瓜二つの織田信長に代わって家臣の人望を集めながら何年にも渡り、強い武将であり続ける設定は本当に面白いと思います。 本作でも描かれていますが、裏切り・寝返り当たり前。口では忠誠を誓っていても、まるで信用なりません。そんな微妙な駆け引きが常に水面下で行われていて、「はわわ~。どうなるの~」というハラハラ感が堪りません。 本能寺の変という大事件でサブローがどのような運命を辿るのか…。やっぱり気になってシリーズ最後まで読み続けてしまうでしょうね。 それにしても、今回多く頁を割いているのが相撲大会なのには笑います。本物の信長さんはそんなことしなかったでしょうが、サブロー、いいキャラですね。 とても楽しくあっという間に読み終えました。 ごちそうさまでした☆

    5
    投稿日: 2016.10.07
  • ひまわりの祝祭

    ひまわりの祝祭

    藤原伊織

    角川文庫

    わわわ~すごい結末

    藤原伊織さんの電子書籍はこれで最後だなぁ…。寂しいな~と思いながら読み終え、レビューを書く前に調べてみたら新たに4作品追加されていました!嬉しい~!!Readerさんありがとうございます。 なぜなら藤原さんは既にお亡くなりになっているので、新作が出版されることはないのです。 題名『ひまわりの祝祭』のひまわりは、ファン・ゴッホのひまわりを指します。世に出回っているひまわりの他に幻のもう1枚のひまわりが存在しているかもしれない…。それを巡って、たくさんの人間が右往左往します。 主人公は、38才にして隠遁生活を送っている秋山秋二。妻を自殺で亡くし、生きながらにして死んでいるような生活をしていた彼があれよ、あれよと言う間にひまわりを巡るトラブルに巻き込まれていきます。 妻は何故自殺したのか、いま、自分の周りで一体何が起こっているのか、絡まった紐をほどいていった先には、思いもかけないラストが待っていました。 『テロリストのパラソル』をはじめ、何作品か読んで来ましたが、本作が一番ハードボイルドぽかったです。ちょっと苦手なジャンルだけど、不思議なことに藤原さんのは平気なんです。やはり、面白さが勝るのですね。 結末、天晴れでした。

    7
    投稿日: 2016.10.05
  • 3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 3巻

    3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 3巻

    西川秀明,羽海野チカ

    ヤングアニマル

    久々に思い出した棋士

    田中名人に負けてから3年の月日が経ち、神宮寺は更に成長を遂げていました。 本作は、あの昭和の怪物田中名人の出番はなく、主に神宮寺とその兄弟子、山南との物語です。 山南は棋士であるにも関わらず、TVのバラエティー番組にも出演し、活躍している異色のキャラクター。はて?何故か思い出すあの人…。そうだ!芹沢八段だ! 私が子供の頃『アイ・アイゲーム』というちょっと変わったクイズ番組があり、その解答者として芹沢八段が出ておられました。当時の私は芹沢八段の八段が棋士を指していることも知らずに見ていました。 兄弟子は精根込めて弟弟子を育てます。山南も神宮寺相手に夜通し将棋を指して鍛えます。しかし、弟弟子のあまりの成長に愕然とする時が来ます。何という皮肉でしょう。可愛い弟弟子がいつの間にか自分の背後にぴったりとくっついている。いま、まさに自分を抜き去ろうとしている…。物凄く複雑ですよね。 今回はそんな神宮寺と山南の兄弟対決が見られるなど、とても見ごたえがありました。 そして、芹沢八段はその後九段にまで昇格するも、名人になることなく51才の若さで亡くなっていたことがわかりました。黒ぶちメガネでいつも気だるそうに前のめりに座していた芹沢八段。そういえば山城新吾も川島なおみも番組に出ていたっけ。みんないなくなっちゃったなぁ…。 神宮寺がいかにして名人位を取るのか、成長が楽しみです! 追記:3月のライオン12巻も本日同時発売ですよ~!

    3
    投稿日: 2016.09.29
  • 3月のライオン 12巻

    3月のライオン 12巻

    羽海野チカ

    ヤングアニマル

    待ってました!12巻!

    朝イチで起きて、ソッコーダウンロードして、羽海野ワールドへ行ってきました。 11巻がヘビーだったので、12巻のほっこり感が際立ちます。 今回は桐山くんの周りの棋士たち、元担任のことが、良く描かれていると思います。 何というか、あかりさんという光輝く恒星の回りをみなさんグルグルとたくさんの惑星(イヤ、それぞれもよーく見たら輝いているのですが)が回っているような、そんな感じです。 二海堂愛犬のエリザベスの話あり、桐山くんの苦手とする雷堂さんの話あり、そして喪服の棋士、滑川の話あり、大変内容が濃いです。 私の願望としては、島田さんとあかりさんお似合いだと思うな~、でも元担任の林田先生も優しいし~…。なんてことを楽しく想像しながら読みました。 しかも!2016年10月8日(土) 23時よりNHK総合よりアニメが開始しますし、2017年には神木隆之介くん主演で二部作の映画化も決定しております!ムハ~!! これはただの少女マンガではありません。男の闘いの物語でもあります。男性にも是非是非読んで、見てもらいたい逸品です。 今回はスピンオフ『灼熱の時代3巻』も同時発売という心ニクさ。これから読んでまたレビューします! おっと、その前に先崎学先生のコラムを読まねば。いつも後回しにしていますが、とても丁寧に将棋のことを説明してくださっています。 みなさん、是非読んでください!

    9
    投稿日: 2016.09.28
  • 絹の変容

    絹の変容

    篠田節子

    集英社文庫

    二代目ボンボン社長の大失敗譚

    イヤ…。怖かったです…。マジで。 虫嫌いで怖がりたい方、オススメです。 私のスマホで328ページ、ボリュームとしては多くないのですが、中身が濃いです。 包帯屋の二代目社長、長谷康貴が、祖母の遺品の中から美しく小さな絹織物を見つけてしまったことが悲劇の始まりでした。ただの包帯屋で終わりたくないという康貴の小さな野心が、まさかの大惨事を引き起こしてしまいます。 普通の養蚕からは生まれない、特別な野蚕からしか採れないまばゆく輝く絹糸を大量生産すべく、バイオ・テクノロジー技術者の芳乃に夢を託した康貴でしたが、新たに生まれた蚕はとんでもない厄災をこの世にもたらしてしまいます。 小学生の頃、教室で蚕を飼っていましたが、私は怖くて近づけませんでした。繭は触れたのですが、幼虫と成虫はもう勘弁でした。私のようなヘタレな方は恐怖で震え上がると思います。 そしてなんとも言えない、恐らくバッドエンディングなのでしょう。未来に課題を残す形で終わります。 二代目ボンボンは、真面目に家業を継ぐべし。決して生態系を崩すようなことはしてはいけないのです。 彼のもたらした大惨事、興味を持たれた方は是非見届けてください。死んで詫びても足りません。

    7
    投稿日: 2016.09.25
  • 宇宙兄弟(29)

    宇宙兄弟(29)

    小山宙哉

    モーニング

    六太、絶体絶命!?

    面白さのあまり一気読みしてしまいました。 宇宙兄弟は1巻、1巻とても心に残る内容ですが、期待を裏切らず本作もほっこり、ニヤリ、ハラハラ、ドキドキの展開です。 私は、ブギーの密かなファンなのですが、今回もブギーは大活躍します。(途中でバッテリー切れなんてハプニングもありながら) 宇宙飛行士は、想定外のことに柔軟な対応が必要とされますが、今回の六太たちへの試練は過酷極まります。 でも、これまで何度もピンチを乗り越えて来た六太なので、終盤の絶体絶命の大ピンチを必ずや乗り越えてくれると信じています! な、なんと六太は日々人が月で見たのと同じ光景を見ることになるのです。なんという運命のいたずらか…。 それにしても宇宙はコワイ…。早く次巻読みたいな~。

    12
    投稿日: 2016.09.23
  • 7年目のツレがうつになりまして。

    7年目のツレがうつになりまして。

    細川貂々

    幻冬舎単行本

    幸せになって良かったな~

    このシリーズは、これまで紙で読んでいました。読んでいた場所は心療内科の待合室。私も、仕事のストレスからうつ病と診断されていました。 それまで、「うつなんて自分には全く無縁だよね~」と思っており、仕事は忙しくこなしながらも、そんな日常に満足していました。そのうちリストラや業務改革などで仕事量はひとりで処理できる量を上回り、何があってもどこでも眠れる自分が不眠になり、これまで出来ていたことがどんどん出来なくなっていきました。 ツレうつは、全くその時の自分と同じで、何回も何回も読みました。全部同じじゃないけれど、共感できるところはたくさんあり、少し気が楽になりました。 今では大好きな読書も出来て、レビューも書けるようになり、音楽も少しずつ聴けるようになりました。 (バラエティーなどのうるさいTVはまだ苦手です) うつのおかげで無くしたものもたくさんありますが、その代わり得たものもたくさんあります。 プラマイでいくとマイナスかもですが、それでもいいのだ、と思います。 本作のツレさんは既に寛解されており、作者であり妻の貂々さんは、明るくユーモラスに当時のこと、現在のことを描いておられます。うつってどんなかな?という興味がある方は気軽にお手に取って頂きたいと思います。

    8
    投稿日: 2016.09.22
  • 償い

    償い

    矢口敦子

    幻冬舎文庫

    償い方間違ってない?

    私のスマホで700ページ。いや~倍の長さくらいに感じました。 36才の脳神経外科医、日高は妻子の死を自分のせいだと思い込み、な、なんとホームレスになってしまいます。 ホームレス医師なんて設定変わってるな~と思いながら読んでいたのですが、妻子の死の責任だけではなく、自分が担当して亡くなってしまった患者のこと、引いては過去に自分が命を助けた少年が、連続殺人鬼ではないかと疑念を持ち、助けたこと自体が間違いだったのではと苦悶しながら、各事件の真相を追います。 人の命に1番近いところにいる医者にしては、繊細すぎるな~と思っていたのですが、も~ウジウジグルグル思い悩んでいる時間が長いっ! 大体医者は神様じゃないんだから、患者の一人や二人(というか、それ以上)救えなくて当然なのに、もしそのことに自責の念を抱くなら、未来の患者をひとりでも多く助けろよっ!と途中でキーッとなってしまいました。 ひとつの街で起こった幾つもの殺人事件は、人間関係が複雑に絡まり合っていて、それはそれで読みごたえがあったのですが、心がヨワヨワの人達が多過ぎて疲れました。 自分を痛めつけたり、自殺したりしても償ったことにはならないよな~、というのが読了後の感想です。 終わりかた尻切れトンボみたいだったし。私にはちょっと合わなかったみたいです。ごめんなさい、辛口で。

    5
    投稿日: 2016.09.17
  • 追憶の夜想曲

    追憶の夜想曲

    中山七里

    講談社文庫

    またしてもどんでん返し…。すご過ぎる。

    法外な報酬を要求する悪徳だけど辣腕弁護士の御子柴。その御子柴が何故か、既に夫殺しで16年の実刑を言い渡されている主婦の弁護を引き受けます。 普段の御子柴ならぬ振る舞いに首を捻りながら読んでいくと、最後の最後にまたもやどんでん返しが待ち受けていました。 でも、誰も救われない結果に何て言うか複雑でしたね…。 しかし、最初は何も出てきそうにない所から、御子柴は地道に根気よく証拠を集め、ある結論を導きだします。事故犠牲を伴っても、弁護の手を緩めない悪名高き弁護士御子柴。格好良すぎます。 最新刊、読まないわけにはいかなくなっちゃいました。まんまとハマってしまったなぁ。 中山七里氏は、寝食を忘れてるほど、面白い本を書きたいと仰っているそうですが、書けてます。一気読みせずにはいられないですもの。 文句なしの★5です。

    7
    投稿日: 2016.09.14
  • 贖罪の奏鳴曲

    贖罪の奏鳴曲

    中山七里

    講談社文庫

    最後にとんでもないどんでん返しが!

    実は本作は2年ほど前に読んでいたのですが、今回次作の『追憶の夜想曲』を読むためにおさらいとして再読しました。 中山七里氏の本は、『魔女は甦る』、『ヒートアップ』など素晴らしく面白い作品がありますが、本作も例に漏れず、再読でも大変スピード感を持って楽しめました。 過去にかなり陰惨な少年事件を起こして医療少年院に服役していた御子柴礼司という弁護士は、主人公としてはかなりキャラが立っていて読み手を飽きさせません。御子柴が起こした過去の事件と彼が長きに渡って過ごした医療少年院、そこで出会った同世代の仲間と刑務官。かなりのページ数を割いて描かれていますが、ここで、何故、御子柴が弁護士を志したのかが分かります。 また、今回御子柴が担当した事件は、とある製材所の社長が事故死をするのですが、事故死のほんの10日前に三億円もの多額の保険金がかけられていました。受取人は妻と重度の障害を持つ息子。 事件の核心に迫ってThe Endかと思いきや最後にとんでもないどんでん返しが待っています。 最高に面白いミステリー、ごちそうさまでした。 ※ 中山七里氏、長年女性かと思っていました…。ググってみたら男性でした。そりゃもう驚いたのなんのって…。

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    投稿日: 2016.09.14
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