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ことくさんのレビュー
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  • アヒルキラー 新米刑事赤羽健吾の絶体絶命

    アヒルキラー 新米刑事赤羽健吾の絶体絶命

    木下半太

    幻冬舎文庫

    一味違うシリアルキラーもの。これはこれでアリです!

    現代のアヒルキラーと昭和の家鴨魔神の事件が平行して語られ、過去と現在が交錯していくストーリー展開はスピード感があって非常に面白かったです。 新米刑事の赤羽健吾君、彼は頭で考えて捜査するよりも瞬発力で動いて、敵には容赦なく必殺技の頭突きをキメていきます。痛快の一言! そのケンカ法は、彼がジジイと呼ぶ祖父であり刑事の大先輩である光晴から教わったものです。 健吾と光晴のエピソードは、思わずニヤけてしまいます。 でも何といってもこの作品の醍醐味は、家鴨魔神とアヒルキラーとの因縁です。 それぞれの事件が繋がっていく過程は意外性があって一気読み必至です。 私は種明かしの箇所に来るまで、両事件の犯人が全くわかりませんでした。くそー、やられたと思いました。 だってどうしたってミスリードされてしまいますもん。それぐらい上手く書けてます。 シリアルキラーが出てくるのに、ジメジメ・陰湿・残酷感が薄い、ちょっと変わった面白い作品です。 軽いエンタメ作品をご所望の方は是非ご賞味ください!

    2
    投稿日: 2016.04.19
  • FOR RENT――空室あり――

    FOR RENT――空室あり――

    森谷明子

    幻冬舎文庫

    ミステリではないような??

    とても丁寧に書かれている作品です。 最終的に、あるべき物があるべき所におさまったなという感じ。 でも面白かったかと問われたら、残念ながら『否』です…。 ひとつの真実を核にして、時折語りべが『わたし』、『私』、『ぼく』、『あたし』等と変化して物語が紡がれていくのですが、全体的にとりとめのない印象になっていると感じました。 書籍説明では、『祖父母の相次ぐ死』、『悲劇の真相が二転三転する』、『感動のミステリ』とありますが、蓋を開けてみたらどれも煽りすぎ感が否めません。 文章は読みやすく、とても好感が持てます。 嫌いじゃないし、むしろ好き。 将来、本格長編ミステリを書いてくれそうな予感。 期待してます!

    5
    投稿日: 2016.04.19
  • 殺す

    殺す

    西澤保彦

    幻冬舎文庫

    時間を返して…

    目を引くタイトルと装丁に惹かれて読み始めたものの…。 途中で強烈に感じたストレス。 これまでの私の読書人生で、こんなにストレスフルな小説は読んだことがありません。 ストレスの理由のひとつは、登場人物の名前にあります。読みにくい漢字の多いこと。読みに詰まるとルビがふってある箇所を検索する…という作業を繰り返し、 途中でハイライトを使用しながら読む戦法を取りました。(電子ブックの有り難さを痛感しました…) 読みにくい名前を抜粋します。 淡海:おうみ 小美山:おみやま 去川:さりかわ 他田:おさだ 健王部:ためるべ 活井:いくい 纏向:まきむく 高牟禮:たかむれ 生地:おち 下宅:おろしや 上県:かみあがた 何この苦行…。読者に読ませる気あるの? まあ、百歩譲って読みにくい名前に目を瞑ったとしましょう。 それにしても、内容が余りにもひどい。起承転結無視。 こんなのミステリーでもサスペンスでも何でもない。 幻冬舎さん、何でこの本を書籍化したの?読者を馬鹿にしてるの? いくらタイトルが『殺す』って言っても、ただただ殺してればいいってもんじゃないですよ。 不愉快ここに極まれり…です。 問答無用の★1、正直★1の価値もないです。

    9
    投稿日: 2016.04.18
  • 死にぞこないの青

    死にぞこないの青

    乙一

    幻冬舎

    あなたはどう思う?

    書籍説明には書き下ろし長編小説とありますが、ガッツリ長編小説を読みたい方は、きっと物足りないのでご注意を。 少年の視点で語られていくので、スイスイ進むし、恐らく1時間以内に読めてしまいますよ。 気が弱く引っ込み思案のマサオは、5年生で新卒・新担任の羽田からスケープゴートにされてしまいます。 マサオは素直で優しい男の子なので、そんな理不尽な羽田の仕打ちに戸惑い、それに影響されて自分から離れて行ってしまったクラスメイト達を責めるのではなく、『自分が悪い子だからいけないんだ』と自己否定し、自分を追い詰めてしまいます。 私には、『こんなこと現実には有り得ないよ~』と笑い飛ばすことが出来ませんでした。 無さそうで有りそうな感じが本当に怖かったです。 大人にも子供にも読んで欲しいな~。そしてあなたが読了後どう思うか、それを知りたいです。 最後に…いじめって格好悪いよね。

    4
    投稿日: 2016.04.15
  • 探偵の鑑定II

    探偵の鑑定II

    松岡圭祐

    講談社文庫

    Wヒロインって難しい…

    『Ⅰ』で、気になるところで続く…となってしまったので超楽しみにして読みました。 Wヒロイン絶体絶命の大ピンチをどうやって乗り越えるのか想像もつきませんでしたが、かなり強引に幕引きしたなぁ…というのが、感想です。 今回の結末は、祭の終わりのような感じとでも言いますか…。 Wヒロインの化学反応を期待していた私ですが、本作は、まさかの1+1=1/2…でしたね。 コラボすることで、それぞれの活躍が目立たなくなって魅力が半減しちゃったなーと思いました。 私は万能鑑定士Qシリーズを網羅してなかったため、これまでの事件で関わってきた人物で分からない人がたくさん出てきてしまいました。もしも読んでいたならお得感が増したかもしれませんね。 それにしても多かった…無念。 今後、それぞれのヒロインの話をどうやって次作に繋げていくのか興味深いところですが、次があるのかな~と不安になる結末でした。 ちょっと辛口★3で。

    4
    投稿日: 2016.04.15
  • 夜は短し歩けよ乙女

    夜は短し歩けよ乙女

    森見登美彦

    角川文庫

    ナニコレ!?新⭐感⭐覚

    とあるカリスマブロガーが本作の大ファンだとブログで何度も紹介していたため、『絶対読まなきゃイカンでしょ!』ということで読んでみました。 多分、彼のブログを読まなければ、出会わなかったであろう作品。なんせ、私はミステリー・サスペンス・ホラー好きなただの偏食読者。このような乙女チックな装丁とタイトルの本との接点は皆無なのでありました。 ということで、恐る恐る読んでみたところ、見事★5つ!アザースツ!!! いや、ホントこんな文章読んだことないっていうか、こんな作品アリ??とワクワクしっぱなしで、それこそ鼻血出るかと思いました。マジで。 こんなに遊びのある文章って…もう目からウロコがバリバリ落ちました。 森見氏何者?ということで、簡単にググってみたところ、なんと天下のK大卒のインテリさんでした。やっぱり作中の学園祭の大学はそこでしたか。っていうか、そんな天才さんがこんな文章書く!? 色んな意味で驚かせてくれるので、食わず嫌いの方、お薦めです。騙されたと思って。そこをなんとか。 前述のカリスマブロガーの彼も、作品の舞台となった京都に巡礼の旅に出てまして、その時の日記がものっすごく楽しそうだったんです。イヤ、わかる。読んだ今なら心の底から共感出来ます。 ※※ちなみに、彼はアニメの『けいおん!』のファンでもあり、その舞台も京都だとか。さすが日本の誇る古都ですね。ちなみに私はカリスマブロガーの回し者ではありません。念のため※※

    3
    投稿日: 2016.04.14
  • ハケンアニメ!

    ハケンアニメ!

    辻村深月,CLAMP

    マガジンハウス

    この作品、一言で言うなら『熱い!!!』熱すぎるわっ。火傷したわっ。

    辻村深月さんって一体何者?面白すぎて怖いんですけど…。 4章から成るこの作品、それぞれの章のタイトルが面白いです。でも読んでみると成る程、これ以外ありませんね…と納得。 特に、第3章 『軍隊アリと公務員』夏の陽射しや緑の田園、鍾乳洞、祭の花火、イメージが溢れ出し、胸が震え、その上登場人物達のアニメ愛に溺れてしまい、まんまと泣かされました。くそっ。 しかも辻村作品に良くあるリンク、あの作品のあの人なんかも登場して、『あら。またお会いしましたね』感も味わえて二度美味しい。 タイトルの『ハケン』をカタカナにしたのも、辻村さんの遊びなんですよね~。さすがだな~。ついついあっちと思っちゃいますよね。てか、まんまと引っ掛かりましたけども。 この作品を読む前に、出来れば『スロウハイツの神様』とそのスピンオフの『V.T.R.』は押さえていただきたいです。

    3
    投稿日: 2016.04.14
  • 探偵の鑑定I

    探偵の鑑定I

    松岡圭祐

    講談社文庫

    そ、そこで続く…?

    はわわ~どうなるの?という場面で続く…。あぁ、そうか探偵の鑑定『Ⅰ』でしたね。見落としてました。 しかし、松岡さん相変わらずヒロインは美人設定ですね。登場人物も女性は押し並べてみな美人揃い。『この松岡ワールドにブスは足を踏み入れてはならぬ』と物語の神様から宣告されているかのよう…。あ、いけない。ひがみ根性が漏れてしまいました。レビューしなければ。 今回、Wヒロインの設定なので1+1=2以上の期待を持って読みました。 後半で明らかになるトラップ、そして『どうなっちゃうの?』とあわあわしているうちに最終頁。 いや、これは続きを読まずには済ませられないでしょう。スマ・リサーチのあの方々の過去なども描かれ、なるほど~そうだったのね~と1人フムフムしながらスピード読了!毎回グイグイ読ます力業のストーリー展開には脱帽です。 『Ⅱ』で1+1=2以上の化学反応が起きるのか?いまからワクワク・ドキドキです。 簡単にサラ~っと読めるので軽めのエンタメをご所望の方、読んでみてはいかがでしょうか!

    2
    投稿日: 2016.04.13
  • 悪霊の島(下)

    悪霊の島(下)

    スティーヴン・キング,白石 朗

    文春文庫

    上巻で酷評しましたが…修正します!

    上巻は本当に退屈で辛かったのですが、下巻に入ってからのスピード感が半端なく面白かったです。 上巻では、主人公のエドガーが不慮の事故に遭い、デュマキーという孤島でリハビリ生活を始めるところから、不思議な力に導かれるように絵を描き、その絵画が人々の心を捕らえていく様がこれでもかというほど丁寧に描写されています。 私は堪え性がないので、退屈極まりないと早合点してしまいましたが、下巻を読み進めるに従って、なるほど…このストーリー展開のために上巻の内容が全て必要だったのだなぁと納得できました。 下巻では、エドガー含めたデュマキーの三銃士(勝手に呼んでます)が悪そのものとも言えるナニカと戦う様をスピード感をもって楽しめます。途中ホント怖いです。 ナニカとは果たして何なのか、その勝負の行方や如何に! でもスティーブン・キングのもって回ったような言い回しと登場人物を色んな愛称で呼ぶ手法(?)は、読みなれている人でも混乱してしまうと思います。 投げ出したくなるのをぐっと堪えて読んだ先に、恐ろしい世界が広がっていますよ! ※ 上巻★1から★3へ修正しました。

    4
    投稿日: 2016.04.12
  • 悪霊の島(上)

    悪霊の島(上)

    スティーヴン・キング,白石 朗・訳

    文春文庫

    く…苦しい…けど頑張って読んだ先には?

    いま上巻を読み終えたところですが、正直退屈で何度も脱線(別の作品を読む)してしまいました。スティーブン・キングは初期作品から読んでいますが、年々グダグダ感が増しているように感じます。もうホラー界の巨匠だし、出せば売れるからこんなものでいいのかしら…?わけの分からないアメリカンジョーク、下品な言い回しは相変わらずですが、遅々として進まない展開には辟易です。上下巻あわせて購入してしまったので、これから下巻に入りますが、★の数が増えるように祈るばかりです…。もし下巻が期待以上の結末だったら、こちらのレビューを修正します。 (修正)下巻、期待以上でした!★1から★3に修正します。怖かったです…。

    4
    投稿日: 2016.04.07
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