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ことくさんのレビュー
いいね!された数626
  • 鬼畜の家

    鬼畜の家

    深木章子

    講談社文庫

    これは面白い。高評価に納得!

    レビューが高評価だったので、「これは期待できるぞ~」と思って読み始めました。 レビューしてくださったみなさまありがとうございます!最近読んだミステリーの中で、突出して面白かったです。 深木章子さんのデビュー作となった本作品。 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作だそうですが、これ新人賞のレベルをはるかに超えていると思います。ホント驚きました。内容が内容なだけにメジャーな文学賞は取れなかったのでしょうか。 周到に仕組まれたトリックに、読了後堪らず再読してしまいました。 こういう読み終わった後にイヤな気分になるミステリーのことをイヤミスと呼ぶのですね。 だとすると、本作品はイヤミスの極みと言って良いのではないでしょうか。 元刑事で現在探偵の榊原が、ある家族の不審死について調査するため、関係者にインタビューする形式で話が進んでいくのですが…。 黒幕とその家族と関係者の中にも鬼畜がウヨウヨ。イヤ、これは通常の神経じゃもちません。榊原が真相に迫るほどに、心がザワザワします。 ミステリー好きなら読まなきゃ損!だと思います。

    4
    投稿日: 2016.04.25
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

    彼女がその名を知らない鳥たち

    沼田まほかる

    幻冬舎文庫

    衝撃のラスト!

    は~~。ラストのシーンが衝撃的過ぎて、しばし脱力。 この作品は、男性と女性で捉え方がだいぶ違うのではないでしょうか。既婚か独身かでも意見が分かれるかもしれません。 献身的な愛と取るか、ストーカー的な愛と取るか…。 主人公の十和子ですが、独善的で本当にイヤなオンナです。15才も年上の陣治が自分に惚れているのをいいことに彼に対して傍若無人に振る舞います。 まぁ、陣治はお世辞にもいい男とは言い難く、生理的に受け付けない面も多々ありますが、だからと言って、陣治に対する十和子の振る舞いはあまりにも酷い…。十和子さん…思いやりって言葉知ってる?と何度ツッコミ入れたか…。 ただ、これは衝撃の結末のために穿たれた布石なのかと思うとすごい話を書くなあと感心してしまいました。 ちょっと異質のラフストーリーでしたが、文句なしの★5で!

    5
    投稿日: 2016.04.24
  • せん-さく

    せん-さく

    永嶋恵美

    幻冬舎文庫

    悪いとわかっていても…逃げて~!

    オフ会で知り合った遼介と典子。少年と主婦。普通だったら出会わなかったであろう二人が、運命に引き寄せられるように手と手を取り、雨の中を逃げまどいます。実は人に言えない過去を持つ者同士だったということが徐々に明らかになります。 平凡な主婦だと思っていた典子の意外すぎる過去、そして遼介の正体。二人の逃亡中に次々と起こる問題…。 幾つもびっくりポイントがあって面白かったです。 さて、本作の時代背景が微妙に昔で…ミドルエイジとしてはとても懐かしかったです。今から大体15,16年前くらいですかね。2000年問題等もチラっと出てきますし、今となっては懐かしい23時からのカケホーダイ。フロッピーディスクやPHSなども登場します。 それにしても逃げるのって難しい。二人と一緒に逃げているようで、ハラハラ・ドキドキすること請け合いです!

    3
    投稿日: 2016.04.24
  • 正三角形は存在しない 霊能数学者・鳴神佐久に関するノート

    正三角形は存在しない 霊能数学者・鳴神佐久に関するノート

    二宮敦人

    幻冬舎文庫

    鳴神兄弟萌え…なのに胸キュンしない私のバカ~!

    登場人物のキャラ設定は文句なし。多すぎず少なすぎず、ホントに丁度良くて面白かったです。 最近登場人物150人という本を読みまして、脳みそ爆発するかと思いました。だからこういう作品はホント安心します。 ありがたや。 文章も軽快なタッチで書かれているので、ゴロゴロリラックスして読めました。 でもな~、あの人に取り憑いた霊とその動機…あんまりじゃないすか? 取り憑かれた人、気の毒ぅ。。。 個人的にはもっと鳴神兄弟を堪能したかったです。 鳴神兄弟シリーズ化されないかな~。

    3
    投稿日: 2016.04.23
  • 放送禁止

    放送禁止

    長江俊和

    角川ホラー文庫

    映像化作品を見たくなりました

    プロデューサーのメモをもとに、3つのお蔵入りになった番組について何故放送禁止となったのかを探りながら読む面白い形式の物語でした。 『呪われた大家族』、『ストーカー地獄編』、『しじんの村』これらの番組はいずれもお蔵入り。放送禁止の真実はどこにあるのか、超ウルトラ集中して読みました。(関係ないですが、誤植を2箇所見つけてしまいました…) いや~、これはテレビ化や映画化された映像作品を見た方が良かったかもしれません。 特に『ストーカー地獄編』は、文章のみで真実を探り出すのは難しいんじゃないでしょうか。「え、なに?ワカラナイんですけど…」と何回も読み返してギブアップ。ネットでググってしまいました。そしてかなり放送禁止ファンがいることも分かりました。へぇ~。 いや~無理無理。こんなの文章だけじゃ分からないって! ボリュームが少なく、あっという間に読めてしまいますのでちょっと興味を持たれた方、是非『ストーカー地獄編』の真実に挑戦してみてはいかがでしょうか。

    5
    投稿日: 2016.04.23
  • 粘膜人間

    粘膜人間

    飴村行

    角川ホラー文庫

    タイトル負け

    冒頭からいきなり作品の中にぐんっと引き込まれました。細かい説明などなしに問答無用で引きずられる感じは新鮮でした。 この物語のキーマンである小学生の雷太は身長195センチ、体重105キロの巨漢。もうそれだけでチビりそうですよね。しかも心優しい大男ではなく、暴力で周りをねじ伏せる暴君だったら…。家族にこんなのがいたら私も排除したいと思うだろうなぁ。 雷太殺害計画を練るのは、彼の長兄の利一と次兄の祐二。でも彼らは自分達の手で雷太を始末しないんですよね。殺し屋を雇うわけです。でも殺し屋はタダではそんな汚れ仕事を請け負わない。対価を求められます。その対価の払い方は人間として最低で、不愉快千万です。 途中で話が横滑って、思いもかけない所に着地したなぁという感じでした。ボリュームは少ないのですが正直私は途中で飽きました。冒頭>結末 のように面白さが尻すぼみになり残念。内容…タイトル負けでは?

    5
    投稿日: 2016.04.23
  • 蛇 ジャー 下

    蛇 ジャー 下

    柴田よしき

    徳間書店

    ジャー様、あまり人間に無茶ぶりしないで。

    下巻では舞子と陽一以外にも竜を捜す人々が続々と出てきます。 ちなみに本のタイトルになっている蛇(ジャー)というのは、滋賀の一部の地域で竜を指す言葉であるとのこと。 下巻ではタイムトラベルが頻繁に起こり、過去と現在を駆け巡ります。 ジャー様を追いかける人々は、それぞれ何らかの役割を与えられており、最終的に何のために動かされていたのか明らかになるわけですが…。 でもジャー様、回りくどすぎます…。こんなことやあんなことが出来るなら、こんなに人間を巻き込まなくてもよかったんじゃ…。正直大迷惑だと思うんですよね。 最後は帽子を探していた中西の正体が明らかになるのですが、『え~~…』ショボショボショボ…と力が抜けてしまいました。 私はジャー様よりドラゴンボールの神龍に会いたいです。 それにしてもファンタジー、ハードル高いな~。

    4
    投稿日: 2016.04.22
  • 蛇 ジャー 上

    蛇 ジャー 上

    柴田よしき

    徳間書店

    うひゃ~、間違えて買っちゃった!

    柴田よしきさんの作品はミステリー&ホラーが殆どかと思います。 実は本作品もそっちよりの話だと思って読み始めたのですが、途中で『あ、これSF?しかもファンタジー??』と気付いた次第で…。 実を言うとあまり得意なジャンルではないのです。 でも、さすが柴田さん。竜やタイムトラベルという内容でも、途中飽きることなく駆け足で読み進めることができました。 竜にさらわれた赤ん坊を取り戻すため、舞子とボーイフレンドの陽一は、竜の後を追いかけます。 しかし、竜を探しているのは彼らだけではなかったのです。 それぞれの事情で竜を追いかける人々。果たして彼らは竜に再び出会い、思いを遂げることができるのか! あぁ…でもやっぱりホラー要素がほしい…。 『ゆび』や『0シリーズ』があまりにも怖く面白いのでついつい同じような刺激を求めてしまうのでした。 私の趣味嗜好の問題で申し訳ないのですが、★3で!

    3
    投稿日: 2016.04.22
  • パレード

    パレード

    吉田修一

    幻冬舎

    再読はないな…

    うーん…。 この作品のレビューは難しいなぁ。 特筆すべきことが何もないのです。山本周五郎賞受賞?各紙誌から絶賛?? みんなに見えるものが、私には見えない。 もしかして私はものすごくボンクラなのかもしれません。 私は作中の5人が生きている感じが全くしませんでした。 みんなのっぺらぼうで、最後まで作品の中で体温を持ちませんでした。 何故なら、彼らが何を考えているのか全然読み取れないからです。木偶と同じです。 この小説で唯一印象に残ったのは旧甲州街道を真上から見下ろした景色のみ。 最終章では予想だにしない事件がいきなり始まり、中途半端なままエンディングを迎えます。 そんな兆候がそれまで全くなかったのに、気持ち悪いです。 多分二度と読み返すことはないと思います。

    5
    投稿日: 2016.04.20
  • 女子高校の怪談~深夜0時の校内放送~

    女子高校の怪談~深夜0時の校内放送~

    悠崎仁

    いるかネットブックス

    価格に見合う内容です

    携帯電話向けに横書きで書かれた物語。 最初それが分からなくて、必死に左から右へスワイプして焦りました。右から左にスワイプして読んでください。 ページ数が少なく、行間が空いていて、読みやすいです。 そして、他人の不幸は蜜の味。残酷な暴露話は他人のもの、しかも自分の知り合いのものなら尚更美味でしょう。 誰にも止められない恨み放送…怖いですね。バットエンドで後味悪し。 でもお手ごろ価格ですし、読んでみて損はないかと。

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    投稿日: 2016.04.19
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