killingHeadさんのレビュー
参考にされた数
122
このユーザーのレビュー
-
進撃の巨人(18)
諫山創 / 別冊少年マガジン
まだ3か月しか経ってないのか
3
今回もまた、(えー、あの故障も……)なんて思うと序盤を見返したくなってきます。
◇見どころ:
・本当にやめてあげて下さいハンジさん
・特別ではなかった(戒め)
・オイオイオイオイ(脅し)
・肉食系奇…行種「マジかや……」
・イノシシ野郎!(チラッ)勘違い野郎!(チラッ)
・相変わらずテンパった時に真価が出る子やで
・故郷(絶景)
・人類最高クラスのファインプレイ(あれでダメならもう無理だろ……)
71話「傍観者」を見るに、アニメ化なんかよりはるか前からここまで設定を練り込んでいたのだなあと思うと改めてすごいマンガですね。
そして長い闘いもいよいよ決着&全伏線回収の時期が近づいてきた……ようですが、後半の73話あたりから良くも悪くもベルセルク感が出てきました。
出撃シーンとか風景とかはかつてないほどに迫力があるんですが、さすがに大ゴマや回想が多くて引き伸ばし感は否めません。
ただ話は進むべきところに確実に進んでいるので、今回で準備を整えて次の巻は思い切り戦闘しまくりになりそうだなと期待できる引きでした。
(なんか待望の新武器もあるみたいだし)
それにしても未来的な友達がクレバーにルールの徹底を迫ってくるなんて本当に予想外でした。
次の巻も楽しみです。 続きを読む投稿日:2015.12.09
-
進撃の巨人(10)
諫山創 / 別冊少年マガジン
(´-`).。oO(結婚しよ)
3
敵も味方も疲れきってしまい、あまりに斬新すぎるカミングアウトが発生します。
激しく物語が動いて盛り上がる巻ですが、10巻にして未だ着地点がはるか先という印象です。
しかし「わるい巨人」が次のページと違…いすぎて本当に予想外でした。
次の巻も楽しみです。 続きを読む投稿日:2013.12.12
-
ディザインズ(1)
五十嵐大介 / アフタヌーン
あまりに無慈悲なハードコア・バイオSF
3
人化動物(ヒューマナイズド・アニマル)という、動物の身体能力と人間の知性を融合させたキメラ生物たちの話。
登場人物に遺伝子操作の倫理や感傷は皆無で、ビジネスとして戦闘に特化した生物が描かれています。
…たとえば足が極端に短いブタを作って、「大人になると自分で歩けなくなるから効率的に太っていいわね」なんて具合です。
表紙のように「人頭」の動物も出ますが、五十嵐大介先生の超がつくほど写実的な描写にはただならぬ説得力を感じます。
そもそもこのテーマですが、「ヒューマナイズドマウス」とか「キメラ臓器移植」等と検索するととんでもなくえげつない……が、同時に合理的な将来性もある話題に遭遇します。
つまり単なる思いつきの空想科学ではなく、ある部分では近未来に起こりうる現実の話題が含まれています。
よくぞこんなにもドス黒く人類の光と闇と利権が入り混じったテーマを選んだなと思います。
ただ、唐突に挿入されるコマの動物や昆虫の異様なリアルさを見ると、愛ゆえの選択なのかなとも感じます。
五十嵐氏の作品と言うと、すさまじいインパクトがあるもののぶっちゃけ観念的でとっつきにくいものも多いのですが、本作については「アクションもの」としても楽しめる内容です。
隔号連載中というのもあるのか、各話で必ず「見せ場」のようなアクションシーンがあります。
ただ淡々としたセリフにも数多くの示唆や暗示があり、とんでもなく高密度な内容なのでそういう作品が好きな方にもおすすめです。
個人的には、もはや魔法のような戦闘をこなしながら、自分が数秒でボコボコにした「弱い先生」を思い出すシーンが心に残りました。
ちなみに毎号買っているアフタヌーン本誌で連載をすべて読んでいたので、購入はちょっと迷いました。
しかし、「あれ、なんでここセリフ変えたんだろ」と思ったら……うおぅ、という感じで数十ページに及ぶ加筆がありました。
こんなに買ってよかったと思った単行本もなかなか無いですね。
なお第一話のみ「モアイ」公式サイトで試し読みがあるので、ここで違いを確認してみるのも面白いでしょう。
ただ一点、連載前に発表された前日譚のような読切「ウムヴェルト」が収録されていないのは残念。
これはオクダやまだ幼い頃のクーベルチュールの話で、「なぜカエルなのか」や人化動物の真の目的も語られています。
ひょっとしたら後々どこかで収録されるかもしれませんが、気になる方はアフタヌーン2014年6月号でどうぞ。
*
(追記)上記読み切りは、その名も「ウムヴェルト」という3月発売の短編集に収録されるとのこと。(安心) 続きを読む投稿日:2016.03.05
-
アフタヌーン 2015年7月号 [2015年5月25日発売]
アフタヌーン編集部, 市川春子, 沙村広明, 藤島康介, 草水敏, 恵三朗, 弐瓶勉, PEACH-PIT, ひぐちアサ, ヤマシタトモコ, 西本英雄, 木尾士目, 庄司創, 瀧波ユカリ, 篠房六郎, 芝村裕吏, キムラダイスケ, 北道正幸, 小松ふみ, 幸村誠, 西尾維新, チョモラン, 清家雪子, 大橋つよし, 冲方丁, 槇えびし, シオミヤイルカ, 真刈信二, 雨松, 芦奈野ひとし, カラスヤサトシ, 木村紺, 村田耕造, 田丸浩史, 安彦良和 / アフタヌーン
ファックス、ありました
2
・表紙:宝石の国
・ネオ寄生獣#8:PEACH-PIT「教えて! 田宮良子先生」12P
・新連載:西本英雄「そろそろ家の話をしましょう。」24P(カラー4P)
・四季賞2015春の四季賞:小松ふみ「い…んへるの乙女」36P
・出張掲載:「毎日カラスヤサトシ」4P
・出張掲載:「ねこたん。」8P
・特別掲載:「マルさんのスナック」8P
→単行本にも収録されている番外編。
・読切:村田耕三「DOI~地底より愛をこめて~」17P
・月に吠えらんねえ:カラー4Pあり
・付録:BLAME!ポスター(電子版にも収録)、「宝石の国」スペシャルカード(紙媒体のみ)
・完結:ラブやん
・休載:ヒストリエ、アンダー3 ※ディザインズは偶数月のみ掲載
今号で、現在の連載陣で最長話数だった「ラブやん」が完結です(158話)。
欄外では、特別企画としてこれまでの歴史や裏話、エビのニオイ等について(わりとびっしりと)語られています。
なんだかんだで15年間1度も休載を出さなかったというのは偉大でしたね。
ネオ寄生獣は、受け属性のシンイチが強気なミギーや先生に迫られる話です(だいたいあってる)。
ある意味、今までで最も原作キャラをぶち壊しているフリーダム具合で面白かったです。 続きを読む投稿日:2015.05.25
-
のぼる小寺さん(2)
珈琲 / good!アフタヌーン
ブルブルブルブル ( ぐっ )
2
前巻は言うほど登っていなかった小寺さんですが今回はめっちゃ登っています。
中でもボルダリング大会編の一部始終がガッツリ収録されているのは単行本派としては嬉しいところ。
ちなみに本誌(2015年10月号…)に出張掲載された「11.5話」ももちろん収録されています(さすがにカラーではありません)。
2巻の小寺さんも相変わらず多方面にブラックホール並の求心力(※無自覚)を展開していますが、個人的にはナンパ男の闘志に火がつきすぎて仙人モードと化すあたりがなんだか妙に気に入りました。
あと初心者目線な四条くんの話がまた丁寧な描写で深みを増していると思います。
実際のところページ数的には少ないほう(147ページ)なんですが、特に展開を急いでいる感じでもないのに人間関係や大会の様子はきっちり描かれていました。
このへんはコマ割りやセリフ回しのセンスなのかなと思います。
改めて見ると、冒頭の1~2ページ形式スタイルだとか、小さいおまけコマのじわじわ来る感じとか、節々からバランス感覚の良さというか「漫画の上手さ」を強く感じます。
(田崎さんや梨乃の心理描写もなんかぐっと来るものがある)
ちなみに最近の動向では、good!の表紙で三人娘のセンターだったり、2巻の告知としてリアル小寺さん的な実写PVが公開されたり(モアイ公式で見れます)……と、編集部の待遇にも徐々に熱が入ってきている気配。
どうもこれは本格的に化けてきたようで、実に今後が楽しみな作品&作家さんです。 続きを読む投稿日:2016.02.08
-
HUNTER×HUNTER モノクロ版 33
冨樫義博 / 週刊少年ジャンプ
待つさ いくらでもな
2
2012年12月の32巻ラストで暗黒大陸編が始動してから3年半を経て待望の最新巻。
どうも今月(2016年6月)はドリフターズ、ベルセルクも出るという奇跡の月だとして騒然となったとかなってないとか。
…しかしどれだけ休載があろうとも、書店を通れば ハンターハンター! 最新巻! を連呼する呼び込みや告知ポスターを見かけたりと、その存在の大きさを改めて感じます。
肝心の内容ですが、まず一体何が起きているのかというくらい絵柄の安定感や密度がハネ上がっています。
ハンターハンターと言えば連載中は落書きのような状態で掲載されることがあり、それをコミックスで「最低限」の修正を加えることが有名。
ただ、たとえば32巻の339話と、33巻344話の同じ部屋を見比べると加筆がどうとかいうレベルを越えて歴然とした差があります。
他にも暗黒大陸の描写や(少ないけど)戦闘シーンでも凄まじい迫力で、待たせるだけのことはあるな、という出来です。
(人物では、黒服と化したクラピカがむちゃくちゃかっこいいです)
そしてストーリーのほうは、もう語り尽くせないほどの壮大な始まりに立ち会っているようなワクワク感に満ちています。
デスノート以上のセリフ量もあって読むのにも理解するのにもかなり時間がかかりました。
例によって「暗黒大陸編」と一口に言っても、
・協会vsビヨンド
・ジンvsパリストン
・厄災の脅威
・「フリークス」の謎
・14名の王位継承戦
・壺中卵の守護霊獣
……といった内容が同時展開しているため、この巻だけでもとんでもない数の新キャラやキーワードが登場しています。
あまりにも馬鹿デカすぎる大風呂敷がだばだばだばーっと広げられたわけですが、これまでを考えれば一見重要ではない脇役の一人ひとりに至るまでここ一番の役割や伏線が散りばめられていることでしょう。
なお、余白ページにある「危険生物 ランク表」の定義や「3世代口座」の概念といった詳細な解説も新章の深みを増しています。
本作を振り返ると、GI編では仮想ゲームやカードゲームをルールブック付きで、キメラアント編では新種の生物の生態や繁殖の過程を創造していたように思います(大げさか)。
そして今回は、これまでを上回るスケールで「未知の世界」そのものを描き始めているのかなと。
すでにアルカ(=アイ?)の件だけでも念能力を越える未知の一端がかいま見えますが、今後どれほど壮大な展開に至るのかもはやまったく想像できません。
まあつまりなんていうか、この時代に生まれてよかったです。 続きを読む投稿日:2016.06.05