
切り裂きジャックの告白 刑事犬養隼人
中山七里
角川文庫
社会派ミステリー
後にシリーズ化される犬養刑事の1作目。 他の作品に出てくる古手川刑事も主要な登場人物になっていて、興味が増す。臓器移植をテーマに医療倫理を投げかけながら、有名な切り裂きジャックを絡めて、ミステリーとして飽きさせない。 更に、家族の話も絡めて、最後もどんでん返しで、最高のエンタメ。
0投稿日: 2024.10.05
スマイルメイカー
横関大
講談社文庫
スマイルをメイクする
タクシードライバー3人が乗せた乗客が・・・ 同時並行で3台のタクシーが進行していると思いきや、1台は1か月前の話でややこしいと思ったら、納得の展開が。 主人公のタクシードライバーの過去も絡み、伏線回収も見事で、飽きさせずに後味も良かった。
0投稿日: 2024.09.29
オー!ファーザー
伊坂幸太郎
新潮社
最高に楽しめる作品
父親が4人いるという設定自体が面白いし、4人とも作者の作品らしくキャラが立っていて、それぞれの特技を活かして活躍するのも痛快。 そして、物語の最後に向けて、作者得意の伏線回収祭りが楽しい。 最高に楽しめる作品。
0投稿日: 2024.09.22
静おばあちゃんにおまかせ
中山七里
文春文庫
一捻り
引退した裁判官の老婆が謎解きをする話。 老婆の昔話で作者の『テミスの剣』に登場した裁判官であることに気付く。 この辺は作者のファンとしては嬉しいところ。 真相を暴いた老婆が孫娘を通して真面目な刑事に話していくつもの事件を解決するというのが面白いし、孫娘の両親のひき逃げ事件の謎も明らかになっていくので飽きさせない。 そして、ある程度予想したラストと思ったら、もう一捻りしてあって、やられたね。
0投稿日: 2024.09.22
悲しみのイレーヌ
ピエール・ルメートル,橘明美
文春文庫
タイトルどおりだけど
タイトルからイレーヌに災難が降りかかると思ったし、意外な人が犯人なんだろうなと思いながら読み進めて、結果としてその通りではあったけど、特に終盤の怒涛の展開には惹き込まれた。
0投稿日: 2024.09.22
蒼ざめた馬を見よ 【五木寛之ノベリスク】
五木寛之
講談社
秀作
作者の作品は初めて。 設定も面白いし、少し緊張感のある文体に惹き込まれる。 そして、明らかになった真相も意外性があって楽しめた。
0投稿日: 2024.09.22
神去なあなあ日常
三浦しをん
読楽
若者の成長物語
騙されるようにして都会を離れた山村に連れていかれて、嫌々林業に就かされたものの、村の人たちの生活に触れていく中で、村人たちの人情や「なあなあ」の精神に触れて、村人の一員になっていく若者の成長物語。 作者らしいユーモアも満載で最後まで飽きずに楽しめた。
1投稿日: 2024.09.21
レキシントンの幽霊
村上春樹
文春文庫
短編集
『レキシントンの幽霊』(村上春樹)、読了! 作者らしい翻訳小説のような文体で、不思議な話の短編集。 表題作は良かったものの、全体的には今一つ入り込めなかった。
0投稿日: 2024.08.12
きよしこ
重松清
新潮社
作者自身がモデル
作者自身をモデルにした吃音に悩む少年の成長物語。吃音に加え、父親の仕事の関係で転校も多い少年。辛い思いもするものの、両親を始め見守ってくれる人々とのふれあいもあり、順調に成長し、自分の足で一歩踏み出すまでが描かれていて、いい小説だと思った。
0投稿日: 2024.08.08
アムリタ (下)
吉本ばなな
幻冬舎
「異常な設定でも普通に生きている人たちの日常」
作者が文庫版あとがきに書いてあるとおり、「異常な設定でも普通に生きている人たちの日常」を描いている作品。登場人物はそれぞれ訳ありながら、日常を送る姿がいじらしい。異常な設定に惹かれるところもある一方で、没入できないところも正直あった。
0投稿日: 2024.08.04
