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thutomuさんのレビュー
いいね!された数32
  • ロスジェネの逆襲

    ロスジェネの逆襲

    池井戸潤

    ダイヤモンド社

    痛快!

    元々、ドラマでこのシリーズを知って、ドラマの続きの感覚で期待感を持って読み始めた。 出だしは、実際にあったあの話じゃないかと少し醒めたものの、その後の展開は実話とは全く違う展開で、ぐいぐい惹き込まれていった。 結果的に半沢直樹が当然「勝つ」んだろうと思っていても、ワクワクドキドキさせてくれて、非常に痛快だった。 ドラマが流行った時に、水戸黄門説があったけど、確かに勧善懲悪的なところはある。だから、痛快で読後感もいいのかもしれないけど、とにかく理屈抜きで面白かった。 池井戸潤原作のドラマは、どれも面白くて、大体(特に最近は全部)観ているんだけど、小説ももっと読んでみたくなった。

    2
    投稿日: 2015.12.06
  • 舟を編む

    舟を編む

    三浦しをん

    光文社文庫

    文句なし!

    文句なく面白かった。 三浦しをんの作品を読んだのは、『月魚』に続いて2作目だけど、2作続けてこれほど面白ければ、お気に入り作家に加えてもいいかな。 ユーモアのセンスもいいし、キャラクターの作り込みもいいし、エピソードの作り方もいいし、とにかく最後まで飽きさせずに読ませるね。

    0
    投稿日: 2015.11.23
  • 薬指の標本

    薬指の標本

    小川洋子

    新潮社

    緊張感がたまらない

    表題作と『六角形の小部屋』の2点を収録。 どちらも不思議というか不気味な設定の話だけど、緊張感があって惹き込まれる。 小川洋子の作品は、『博士の愛した数式』しか読んだことがなかったけど、設定も面白いし、読ませる力も持っているので、もっと他の作品も読んでみたくなった。 点数は五つ星にしようかとも思ったけど、実質4.5ということで。

    0
    投稿日: 2015.10.03
  • 火花

    火花

    又吉直樹

    文春文庫

    面白い「純文学」

    芥川龍之介で小説の面白さに目覚めて、太宰治にはまるというのは、僕と全くなので、はっきり言って又吉直樹には親近感や好意を持っています。なので、どうしても読後感が甘めになってしまうのかもしれませんが。 正直、思っていた以上に「純文学」な文章と内容に少し驚きました。そこには、又吉直樹の文学に対する愛情を十分感じることができました。この人は、本当に文学が好きなんだなぁ。 それでいて、とても読みやすくて、読み物として面白いので、決して話題性や出版業界の思惑で芥川賞を受賞したわけではないと思います。 ただ、やはり自分が経験してきている芸人の話ではあるので、芸人から離れた話を書いた時が又吉直樹の真価が問われる時なんでしょうね。 次作を期待します。 (文藝春秋の電子版で読みました。)

    0
    投稿日: 2015.09.02
  • かわいそうだね?

    かわいそうだね?

    綿矢りさ

    文春文庫

    予想していたとおりの「綿矢りさ」だった

    綿矢りさについては、芥川賞を受賞した時から、ずっと気になっていて、いつか作品を読みたいと思っていたんだけど、この作品が初めて読む作品となった。 読んだ正直な感想は、綿矢りさの作品ってこんな感じなんじゃないのかなぁと、予想していたとおりだったこと。 心理描写とか素晴らしいと思ったし、もちろん面白かったんだけど、2作品ともラストは、僕としては、あっけない感じがした。 多分、女性の方がより感情移入できるんだろうとは思う。 星も5段階評価なので4を付けたけど、正直3.5ぐらいな感じ。 といっても、3を付けるのは読後感から違和感があって、より近い4にした。(是非、10段階評価にしてほしい) 多分、この2作は軽快で「笑い」の要素が多いものをパッケージしたものなんだろうけど、もっと別の作品も読んだ方がいいのかなぁ。

    0
    投稿日: 2015.08.20
  • 月魚

    月魚

    三浦しをん

    角川文庫

    他の作品も読みたくなった

    三浦しをんの作品を読むのは初めてだったけど、予想以上に面白くて、他の作品も読みたくなった。特に三話(3話目は文庫書き下ろしの掌編)あるうちの最初の「水底の魚」は途中からぐいぐい引き込まれた。「水底の魚」だけなら5つ星。正直言うと、2話目がなかった方が印象が好かったかも。もちろん、つまらないというわけじゃないけど、「水底の魚」の緊張感が好かったので。

    0
    投稿日: 2015.07.06
  • イニシエーション・ラブ

    イニシエーション・ラブ

    乾くるみ

    文春文庫

    予備知識なしに読もう

    評判に引っ張られて期待値が上がっていたので、最後はなあんだとちょっと拍子抜け。 でも、凄く読みやすいし、一切の予備知識なしに普通に読めば、損はしないと思う。 著者の名前から女性だと思っていて、読んでいて違和感を感じていたんだけど、男性だと知って納得。

    0
    投稿日: 2015.05.06
  • すべて真夜中の恋人たち

    すべて真夜中の恋人たち

    川上未映子

    講談社文庫

    すべて真夜中

    読み終えるまでずっと、タイトルを『すべての真夜中の恋人たち』だと思い込んでいた。読み終えてみて、タイトルの意味が分かった気がした。 スマホであとどのくらいで終わりか分からず読んでいたこともあって(あとどのくらいか分かる機能があることは知っていたけど)、最後はえっ、これで終わりなのと正直思ったけど、大切なのはストーリーじゃなくて、文章から滲み出てくる心の襞だから。そういう意味では、やっぱり川上未映子は好きだなと再認識した作品。

    3
    投稿日: 2015.04.20
  • ヘヴン

    ヘヴン

    川上未映子

    講談社文庫

    意欲作!

    違うとは聞いていたけど、それまでの川上未映子の作品とは文体が全く違うね。 かなりの意欲作だと思うけど。 いじめの描写には正直嫌な気持ちになった。 コジマや二ノ宮がどうなったのかも気になるけど、最後は希望が感じられる終わり方で良かったよ。

    0
    投稿日: 2015.01.11
  • グラスホッパー

    グラスホッパー

    伊坂幸太郎

    角川文庫

    伊坂幸太郎について評価が変わった

    伊坂幸太郎については、斉藤和義とのコラボで興味を持ったけど、朝日新聞夕刊連載の小説は正直面白くなくて途中で読むのを止めちゃっていた。今回、ソニーポイントが使えたので読んだんだけど、凄く面白かった。これなら、人気があるのも分かるな。

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    投稿日: 2014.11.22