
バブル女は「死ねばいい」~婚活、アラフォー(笑)~
杉浦由美子
光文社新書
タイトルが素晴らしいです。
タイトルにひかれて読みました。 どんな罵詈雑言が……と思ったら、 内容はかなり、真面目なものでした。 世代間差というのはしょうがないのかもしれません。 いつの時代も「最近の若者は」と言われますし、 いつの時代も、自分の上の世代の方との付き合いに悩む…… もやもやっとしたとき、ちょっと思い当たることがあったら オススメです。 タイトルが与える過激さよりも、真面目さ、そして意外にも思いやりも感じます。
0投稿日: 2017.03.08
貴族探偵対女探偵
麻耶雄嵩
集英社文庫
「貴族探偵」第二弾!
『貴族探偵』に連なる第二弾になる本作は、 新米探偵・愛香を置くことにより、前作の謎めいた“貴族探偵”の特異さがより明解になっている。 そして、愛香の対抗意識を描き出すことによって、 テンポのいい掛け合いやコミカルさが生まれています。 謎めいた雰囲気とミステリーらしさなら第一弾『貴族探偵』、 わかりやすさなら第二弾『貴族探偵対女探偵』ですね。 『貴族探偵』のみを読んだときに、 「これをドラマにするってハードル高いかも」という気もチラっとかすめましたが、 『貴族探偵対女探偵』を読んでメインキャストに女探偵が入っていたので なるほど、と納得しました。 小説読んで結末を知っていたら、 ドラマを見る楽しみがなくなる、という人もいるかもしれませんが、 小説を読むとますます映像化が楽しみになります。 それだけ、魅力にあふれたミステリーです!
1投稿日: 2017.03.08
ダンジョン飯 1巻
九井諒子
HARTA COMIX
ダンジョンとはなんぞや?
「ダンジョンってなんだろう」 この世で生きてて、誰にも聞けず、ググってもいまいちよくわからず……。 『ダンジョン飯』とあわせて、ググったことでわかりました。 たくさんのことを学びました。深く、深く感謝しております。 前フリがちょっと長くなりましたが、 そんなわけでよくわからないまま読み始めましたが、 スゴク面白かったです! だって、全然知らない、全くリアルに存在していないものたちを 料理して……「美味そう!」って、もはや神業です。 しかも、ちょっと斜め視線がいいですね。 これは、ハマりそうです。私もあのきのこ、すごく食べたい。
0投稿日: 2017.03.08
ロードムービー
辻村深月
講談社文庫
『冷たい校舎の時は止まる』と併せて読みましょう。
『冷たい校舎の時は止まる』の番外編のような短編集ですが、 『冷たい校舎の時は止まる』を読んでいなかったとしても、充分、楽しめます。けれど、読んでいたら、10倍くらい、感動が増幅します。 と、いうわけで読んでからがおすすめですが……あちらは長編なので、読むのが大変だよう!ということであれば、こちらを読んでしまうのもアリです。 そうしたらきっと、『冷たい校舎の時は止まる』が読みたくなるでしょう。きっと。 そうして「辻村深月……、恐ろしい子!」となるのです。
2投稿日: 2017.03.08
冷たい校舎の時は止まる(下)
辻村深月
講談社文庫
こんなに良い小説が読めるなら……!!
ぐんぐん読み進めて、あっという間に下巻の終盤に。 もはや読み進めることがもったいなく…… けれど、しっかり最後まで味わいたい、今の勢いを失うことなく……と、 「すごく読みたい、でも読みたくない」という、葛藤を抱えたまま、ラストに突入しました。 とにかく登場人物が魅力的で 「うわー、絶対こんな人いないんだけど、絶対、好きになってしまう!」とか 結構そんなミーハーな気持ちにもなりました(そういう楽しみ方もできます) 伏線も素晴らしく、読み進めているうちに気づいた瞬間、 その巧みさに鳥肌立ち、その優しさに涙がでました。 確かにボリュームがあるので、なかなか手にとりにくいとは思うのですが……、 こんなに良い小説が読めるなら、大好きなどら焼きを3週間ぐらい我慢してもいいと思いました。本気です。
2投稿日: 2017.03.08
冷たい校舎の時は止まる(上)
辻村深月
講談社文庫
人を選ばず、おすすめしたくなる小説。
読み始めて少し進んだあたりから、 ぐんぐん、ひきつけられました。 なにか、よくわからない、でも怖いことがおきてる……という ざわざわ感がなんともいえず、不気味で、ますます引き込まれました。 心理描写が巧みなうえに、とても読みやすく、 ハラハラドキドキしているうちに、 結構なボリュームのはずの上巻を読み終えてしまいました。 キャラクターひとりひとりも、それぞれしっかり物語を背負っていて、 その描き分けと熱量に「これは力作」という印象を受けました。 そして、ずいぶん昔になってしまったけれどすごく「学生時代にこんな風な仲間がいたら」なんていう気持ちにもなりました。 ボリュームはあるけれど、これは人を選ばずにおすすめできる小説だと思います。
2投稿日: 2017.03.08
上流階級~富久丸百貨店外商部II~
高殿円
光文社
待ちに待った、上流階級第二弾!
上流階級、待ちに待った第二弾! 百貨店の、とくに外商部というのは 興味はあるけれどご縁がなく(さびしい)、例えフィクションといえども 外商部ってこんなこと、するんだ!という面白さがありました。 第二弾になると今度はそこで生きる人たちの生きざまにぐっと踏み込んでくる、 そんな手ごたえがあります。 もちろん「そんなことまで、百貨店が?!」と思うので それを肯定するか否かもありますが(接客業の難しいところですね……)、 そのあたりの迷いにも踏み込んできます。 第一弾でキャラ立ちした登場人物たちが、もう一歩踏み込んで 人間関係が面白くなってきます。 第一弾はドラマ化してますが(竹内結子さんで)、本当にイメージぴったり! 是非、第二弾もドラマ化してほしい、そんな面白さもぎゅっと詰まった一冊です。 読んで損はないです!
0投稿日: 2017.03.07
上流階級~富久丸(ふくまる)百貨店外商部~
高殿円
光文社
読むと、元気になります!
とにかく読みやすく、そして面白いです! ヒロインの静緒の「一生懸命さ」が気持ちよく、 仕事をする上で、そして生きていく上での理不尽さも 「バシッ」と切り抜けていく様は爽快です。 そして、食べ物の描写がとっても美味しそうで…… スウィーツ食べたくなります。 そして、百貨店の魅力を改めて感じることができます。 百貨店て、いいよね!と思うのです。 仕事を頑張りたい人、まっすぐな人を応援したい、 人と人との関係を大切にしたい、一生懸命生きたい、そんな人におすすめの一冊です。 気持ちのいい物語でした。
0投稿日: 2017.03.07
貴族探偵
麻耶雄嵩
集英社文庫
安楽椅子探偵、一読の価値あり。
謎の貴族探偵。 キャラ立ちしている主人公。と、言っても「貴族探偵」を本気で名乗り、 かつ、推理は執事、メイド、運転手にまかせ、最後はしっかり「貴族探偵」がしめる、という。 安楽椅子探偵の極みともいえるかもしれない。 キャラ立ちしているし、設定(特に登場人物や場所)が面白いので映像化したときに映えそうです。 小説としても、面白いです。一読の価値あり。 追記 『貴族探偵』を読んだら、第二弾『貴族探偵対女探偵』も。 女探偵の登場でますます盛り上がります!
3投稿日: 2017.03.07
罪と罰 3
ドストエフスキー,亀山郁夫
光文社古典新訳文庫
すごすぎる!
読み終えて、全てを理解できたとは思えない。それでも、すごい、面白かった。 理解できたとは思えない、というのは これが非常に難解だとかそういったことではなく、 いろんな読み取り方ができそうだ、でも、ひとついえるのは、 エンターテイメントとしても読めるということ。 でも、それはこの新訳だからかもしれない。 登場人物たちが魅力的すぎる。 え、そこでなぜ……!!という展開についていけないといえばついていけないのだけれど、 ぶっ飛びすぎていて「ついてける」とかそういうレベルではない。 そんなエネルギー炸裂ワールドで一人、 不思議な、不可解な謎を残すスヴィドリガイロフは文学史上最も魅力的な人物の一人ではなかろうか。 と、いうことで、『罪と罰』読み終えました。 すっごい面白かったし、「生きてる間に読んでよかったー」と思った小説のひとつです。
1投稿日: 2017.03.06
