
いつかの青春
高木しげよし
別冊花とゆめ
これを読んで一日を終えたい……良い読後感です。
両方の視点から楽しめます。 大人→若者 若者→大人 大人目線での「学生への憧れ」もグっときますし 10代のころに感じていた「20代の人への憧れ」もまたちょっと甘酸っぱく、いいですねえ。 感覚的にふわっと舞い降りてくる甘酸っぱさは読後感がとてもいいです。 こういうの、たまに読んで「いいなあ」って思いながら、 一日を終えたい……癒されます。
0投稿日: 2017.03.15
訪問者
萩尾望都
プチフラワー
『トーマの心臓』のオスカーの外伝
『トーマの心臓』が本編だということはわかりますが、 この『訪問者』のすばらしさと言ったら! というわけで『訪問者』大好きッコな私としては、何が何でもいろんな人に読んでもらい 「そうだよね、すごいよね」と認めてほしい、といつも思います。 オスカーのグスタフへの視線がたまらなく、彼の寂しさ、愛情、それらを思うと どうしていいのかわからなくなってしまう。 そして、オスカーが父グスタフと旅してまわる旅情というのでしょうか……、 いろんな意味で悲しくて、切なくて、どうしてこんなにすごい漫画が存在するのだろう!とすら 思いました。 ちなみに、萩尾望都さんは映画『砂の器』を見ているときに オスカーとグスタフの旅の情景が浮かんだ、とおっしゃっている記事を読んで すぐに映画を見ました。涙がとまらなくなりました……。 トーマの心臓とはまた異なる、名作です。
0投稿日: 2017.03.09
女ひとりの夜つまみ
ツレヅレハナコ
幻冬舎単行本
重宝してます、美味しいレシピ
この本、すごいです。 料理をするときは「これつくろう」と、計画的に考えるよりも 「これとこれを組みあわせたら、こうなる~♪」みたいなスタンスですが、 そんな私にピッタリ。 簡単な組み合わせで、美味しいものを楽しく生み出す! ぶどうとベーコン炒めるだけ、など本当にシンプルなのと レシピからすぐに工程と味が想像できるので「あ、つくろう!」って思えるんですね。 いろんなレシピがありますが、重宝する一冊です。
1投稿日: 2017.03.09
二都物語(下)
ディケンズ,池央耿
光文社古典新訳文庫
シドニー・カートン、世界文学史上、最強のかっこよさ!(かもしれない)
素晴らしいです。 特に物語終盤、シドニー・カートンが愛するルーシーの窮地を救うための “決意”からのたたみかけるような緊迫感、まさに息を飲むようでした。 そして、ただ一言、シドニー・カードンが愛するルーシーに投げかけた言葉。 思わず涙がこぼれました。 そしてそのまま、終盤まで駆け抜けていくのです。 現代ではきっと“ありえない”小説です。 現実としても、お話としても。 現代日本でこういう小説が書かれることはないだろうと思います。 古典だからこそ存在しうる力強さともいえるでしょう。 シドニー・カートンの魅力を語り継ぐに足る、 これ以上は考えられない素晴らしい新訳だと思います。
0投稿日: 2017.03.09
二都物語(上)
ディケンズ,池央耿
光文社古典新訳文庫
シドニー・カートンは無頼者ではない!
ちょっと昔、シドニー・カートンは 文学青年の間では「男のロマン」の象徴のような存在だったと思う。 「ろくでなしでどうしようもない無頼者」だから、ルーシーに思いを打ち明けることができない、というのが 定説だったようだ。 けれど、この新訳ではそうではない。 ただのアル中気味の優秀な弁護士で、 自分のためだとどうにもならないけど他人のためなら頑張れちゃうというタイプ。 だから、友達弁護士のために仕事をしてしまうし、 結局「ルーシーのため」という形で生きていく道を選ぶのだと思う。 少しかための翻訳ですが、見事な翻訳です。 ディケンズも喜んでいるのでは。
1投稿日: 2017.03.09
アンナ・カレーニナ 4
トルストイ,望月哲男
光文社古典新訳文庫
秀逸なリアルさ。
これや翻訳の方の素晴らしさもあると思いますが……。 とてもリアルな描写がグっと印書に残ります。 情緒不安定になり、薬に溺れ、取り乱すアンナの描写が秀逸です。 特に、有名なアンナのラストの場面の 「生身」を感じるリアルさは、生々しく、かえって凄みすら感じます。 アンナ・カレーニナを読み終えて、トルストイのパワーにひたすら驚き、 その卓越した描写力に圧倒されました。 そして、これまでわからなかったリョーヴィンの魅力や面白さが 十二分に伝わる新訳に感謝です。 欲深い読者の一人として 同じ訳者で是非『戦争と平和』が読みたいです!
0投稿日: 2017.03.09
アンナ・カレーニナ 3
トルストイ,望月哲男
光文社古典新訳文庫
ロシアの農業に俄然、興味が芽生える!
夫カレーニンとの離婚が成立しないまま、 ヴロンスキーとの田舎生活を送るアンナのところに 義姉のドリーが訪ねていきます。 ドリーは浮気性の夫(アンナの兄)に手を焼き、 子どもたちの世話(何人いたのやら、というくらい多い)に手を焼き、 生活にうんざりしていたところにアンナを訪問します。 そうするとアンナの優雅さや、自分の日常とあまりにかけ離れた生活に ひけめを感じますが……。 アンナというヒロインは強烈で確かに魅力的ですが 農村生活を送るリョーヴィン側の描写も本当に魅力的で、 アンナの魅力は映像的ですが、リョーヴィンの魅力こそ、文字の力を発揮できるものなのかもしれない、 トルストイの凄さはこういうところにあるのかもしれない、と思いました。 農作業を頑張るリョーヴィンの場面が読んでいて病みつきになります。
0投稿日: 2017.03.09
アンナ・カレーニナ 2
トルストイ,望月哲男
光文社古典新訳文庫
リョーヴィンが主人公……?
お話としては(古典だし、ネタバレというほどでもないでしょうが)、 アンナとヴロンスキーとの破滅的な愛、という切り口がクローズアップされていますが。 実際に読んでいると、群像劇ともいえて、 特にアンナ×ヴロンスキーカップルから 多大に影響(被害?)を受けたキティ×リョーヴィン夫妻側のお話もとても面白いです。 領地管理、農作業への思いなどが、リョーヴィンの熱い思いが滴るようです。 またトルストイはひとつひとつのエピソードというか仔細な描写が面白く、 浮ついたように見える色男ヴロンスキーがだらしないところが大嫌いで結構なけちんぼで 「財布の洗濯」なる作業に勤しむ、なんて箇所は感心してしまいます。 古典は偉大だから面白い、というよりは 面白いものがぎゅうぎゅう詰まっているから、偉大なのだと思いました。 長いことは認めますが。
0投稿日: 2017.03.09
アンナ・カレーニナ 1
トルストイ,望月哲男
光文社古典新訳文庫
アンナ・カレーニナってこんなお話だったんですね!
世界文学を代表する、メロドラマ! ヒロインが冒頭なかなか、出てこない! その程度の知識で、よしよし、世界文学にドーンとチャレンジ! そんな「挑戦」気分でとりかかったら、 全く違いました……。お勉強気分などふっとぶほど、面白いです。 そして、文章が流暢でとても読みやすいです。 新訳だからだと思いますが、昔の外国文学へのイメージを塗り替えるような 読みやすさとわかりやすさです。 アンナのお兄さんの人間臭さも(笑ってしまいますが)、 アンナのお兄さんの奥さん(つまり義姉)のちょっとプンスカしたところも、 生活感があり、生き生きとした描写がとても面白いです。 そして、ヴロンスキーがアンナに仕掛ける恋の罠。 アンナの反応も、なんていうのでしょうか、、 今後の展開がとても楽しみです! そしてアンナの息子を思う気持ちの強さも。 「こういう感情量の大きい、情の深いタイプの女の人は大変」なんですよね。。
0投稿日: 2017.03.09
つくおき~週末まとめて作り置きレシピ~
nozomi
美人時間ブック
わかりやすく、便利。
お料理をするのか、日常の食べ物を用意するのか……。 お料理というと力が入りますが、 料理人ではないので日々の生活の中でちょちょっとできたらいいな、 という私にはとても便利で有効な本でした。 一週間分の作り置きのしかた、という説明もありますが、 そんな時間もとれないので、気になるレシピを数品試しましたが、 とっても簡単で、美味しくできました。 お気に入りは鮭の西京焼き。 西京焼きってこんなに簡単においしくできるんだ、と感激しました! 説明もわかりやすいので、料理慣れしていない人にもおすすめです!
1投稿日: 2017.03.09
