レビューネーム未設定さんのレビュー
参考にされた数
363
このユーザーのレビュー
-
そして誰もいなくなった
アガサ・クリスティー, 青木久惠 / クリスティー文庫
最高の犯人捜し
5
後世の作品にも影響を与えた作品です。それだけ、いろいろな読者を騙し、唸らせたということですが、もちろん私も騙されました。「お前が、犯人かよぉー。くそ、なんか悔しい!」というのが素直な感想です。「騙さ…れるミステリー」そして「犯人の意外さが際立つミステリー」として、オススメの作品です。これを読まずして、「ミステリーが好きなんです」とは語れないと思います。
ちなみにですが、この作品はポワロやミス・マープルなどの探偵は出てきません。館に集められた人々が一人、また一人と殺害されていき、残った人たちがこの中の誰が犯人なのかと考え抜いていく作品です。あなたもこの惨状の中の世界に入り、第三者となって犯人を探し出してみてください。 続きを読む投稿日:2013.11.06
-
黄色い部屋の謎【宮崎嶺雄訳】
ガストン・ルルー, 宮崎嶺雄 / 東京創元社
密室殺人の後には、謎解きとドラマが待っている
5
密室殺人を描いた作品として名高い作品です。超人的な探偵ではない、青年記者ルールタビーユが巻き起こる事件や現場などを1つずつ分析し、解決へと導いていきます。トリックももちろん素晴らしいのですが、個人的…には犯人が意外な人物でした。部屋の間取りなどを理解しつつ読んでいく必要があるので、本格的なミステリーを読みたい方にお勧めです。訳も分かり易かったです。
ガストン・ルルーは因みにですが、「オペラ座の怪人」を書いたことでも知られています。「オペラ座の怪人」が好きという方にも、是非読んでいただきたいです。 続きを読む投稿日:2013.11.09
-
1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編
O・ヘンリー, 芹澤恵 / 光文社古典新訳文庫
古き良き時代のアメリカ
5
英語の優れた短編小説に送られるO・ヘンリー賞というのがあります。これからもわかりますが、短編の名手と謳われている作家の作品集です。人生の皮肉さ、素晴らしい恋愛、数奇な運命などそれぞれの作品から見えてく…るもの、感じるものは違い、各作品が生き生きとしています。
読者の世代や性別、人生観などによって好きな作品が違ってくるというのが魅力の1つだと思います。私は「千ドル」、「幻の混合酒」、そして好きな作品という人が多い「最後の一葉」が好きです。ぜひ古典文学に興味がある方は読んでみて、自分の好きな作品を見つけてみて下さい。 続きを読む投稿日:2013.10.12
-
東京喰種トーキョーグール リマスター版 1
石田スイ / 週刊ヤングジャンプ
苦悩、葛藤、闘争、他の者の主張や生き様。金木が出していく答えとは?
5
人を喰らう「グール」と呼ばれるものが蔓延る(はびこる)世界。
20区という都市に住み、読書が趣味である金木研には、いつも足を運んでいる喫茶店に気になる女性がいた。あることがキッカケとなり、彼女とデート…をすることとなった金木。楽しい時間はあっという間に過ぎ、暗くなってしまったため、彼女を送り届けることになるが・・・・。
という出だしで始まっていきます。物語自体はとてもシンプルで、主人公+味方VS敵という構図ですが、キャラクターたちの主義や主張、生き様、そして主人公の葛藤が大きな見どころではないでしょうか。話の展開も早く、緊迫感のあるストーリーが展開されていきます。他の漫画とかぶる部分がありますが、また違う面白さがあります。楽しく読ませていただきました! 続きを読む投稿日:2014.03.24
-
HELLSING(1)
平野耕太 / ヤングキングアワーズ
OVAを見てから読み始めました
5
全話のOVAを見てから読み始めました。普通に面白いです。独特のセリフが個人的には大好きです。書籍説明通りに話は進んでいきますが、とある神父が出て来るところが一巻の目玉です。これを機に物語が一気に面白く…なっていきます。
ブラム・ストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」を読んでいると、さらに面白く感じると思います。これを機会にこっちも読んでみては、いかがでしょうか? 続きを読む投稿日:2013.10.15
-
緋文字
ホーソーン, 小川高義 / 光文社古典新訳文庫
「不倫の罪」を軸にし、深く人の心理に迫った作品
5
不倫の罪を犯した女性を中心にし、その不倫相手の男性や復讐に燃える男の心理も踏まえながら、罪を克服し、生きようとする物語です。
不倫した女性に対する仕打ちや態度などから、宗教色を強く感じる作品ではあり…ますが、罪の意識といった人の心理描写を巧みに記した作品でした。冒頭部分は少し退屈する部分でしたが、進むにつれ、各登場人物たちの思惑や行動が重なっていき、最後はある行動を決行していくというストーリー展開の為、後半は退屈することなく読むことが出来ました。
純粋に文学を楽しみたい方に、オススメです。 続きを読む投稿日:2014.10.13