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アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
フィリップ・K・ディック, 浅倉久志 / 早川書房
ディックの入門としては、お勧めの作品です
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ディックの小説の中でも、分かり易い部類に入る作品です。
物語の最初は、アンドロイドを狩ることを主軸に展開をしていきます。そして生物である「人」と、人として人工的につくられた、非生物である「アンドロイ…ド」の何が違うのか?精神世界と現実世界の区別とは?そして人とは何なのかといった疑問を、近未来を舞台に、物語の最後に投げかけてきました。
独特の世界観と語り口が個人的には、好きな作品です。しかし娯楽作品というよりは、純文学に近いSFといった方が良いと思います。映画の影響などから娯楽作品と考えて読むと、特に後半の部分において、難解な部分があることから、驚く方がいるかもしれません。
しかし日頃からSF作品を読む方には、面白いと感じる作品だと思います。 続きを読む投稿日:2014.06.08
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星を継ぐもの
ジェイムズ・P・ホーガン, 池央耿 / 東京創元社
謎から浮かび上がるものは?
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月面にて発見された遺体から判明していく事実。そしてその事実から生まれてくる新たな謎。加えて木星の衛星「ガニメデ」で発見された宇宙船から浮かび上がる事実や謎。これらの事象から、登場する研究者たちは、やが…て一つの仮説に行きつくこととなる、というストーリーです。
SF映画の影響からか、派手な戦闘シーンや化け物のような宇宙人が出てくるのかなと考える方がいるかもしれませんが、そのようなものは一切ありません。知的な考察を展開していくにもかかわらず、難しいと感じることは無く、むしろ次はどんなことが分かっていくのだろうという、ワクワク感があり、とても面白かったですし、推理小説を読んでいるような感覚で読むことが出来ました。
SF好きの方にはもちろんの事、推理小説が好きな方にも読んでいただきたい作品です。
なお本作の続編に、「ガニメデの優しい巨人」「巨人たちの星」「内なる宇宙」がありますが、本作は一応切りの良いところで終わるようには、なっております。しかし続きが気になります。私個人としては非常に面白いと感じた作品ですので、続編も読んでいきます! 続きを読む投稿日:2014.12.21
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宇宙戦争
H・G・ウェルズ, 井上勇 / 東京創元社
私がSFを読む、きっかけとなった本です。
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スピルバーグが2005年に再映画化したこともあり(たまにテレビでやっていますよね!私が大好きな映画の一つです)ご存知の方も多いものと思われます。映画では現代兵器を駆使しますが、原作のこの小説の時代設…定では大砲が最新兵器です。また原作はイギリスが舞台です。
突如飛来し、開始した火星人の地球侵攻を、食い止めようとする人類。最新兵器を駆使しても致命傷を負わせることなく、撤退しか無くなっていき、追い詰められていきます。しかし火星人はあることを考慮せずに侵攻をしたために・・・。主人公は兵士ではなく単なる民間人なのですが、戦いの場面、そして火星人の生態が判明する場面に居合わせることになります。娯楽小説として十分楽しめます。そして深く読んでいただくと、火星人は未来の我々を暗示していることにも気付くと思います。SFの入門にも打ってつけです。 続きを読む投稿日:2013.11.18
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進撃の巨人(1)
諫山創 / 別冊少年マガジン
サントラからハマった男。
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絵に好き嫌いがあるようですが、私は平気でした。巻数が進んでも、絵に劇的な変化は無いので、不安な方は、サンプルを見てから購入を検討してみてください。あと、手足の欠損表現があります。
主人公エレン…の成長や巨人との戦い、徐々に判明する巨人の謎など話の内容としては、グイグイ引き込まれる魅力があります。作品の時代設定や作中の兵器についても段階的に、説明が加わっていきます。私個人としては、かなりの確率でキャラが生き残る(死なない)マンガに嫌気がさしていたので、登場キャラがかなり死亡するのが、斬新で良かったです。人によっては好きなキャラが無残な死に方(食われたり、潰されたりなど)をするので嫌かも知れませんが・・・。過去編も短めなので中だるみもなく、物語が進んでいきます。おそらく近年を代表するマンガとなると思うので、興味のある方は読んでみてください。 続きを読む投稿日:2013.11.20
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渚にて 人類最後の日
ネヴィル・シュート, 佐藤龍雄 / 創元SF文庫
時が経つごとに確実に崩壊していく世界
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最初は書籍説明にあるような生存者を求めて汚染地域を目指していく、ロードムービーのような作品なのかなと思い読み始めましたが、全く違いました。主に4人の登場人物が世界が滅び、自分たちの人生も終わりに近づい…ていく中で、残された時間をそれぞれどのように過ごし、どのように感じていくかに焦点があてられています。登場人物たちは、自分の運命に抗うことなく、己の運命を受け入れます。
ちなみに書籍説明には「感動」とありますが、泣けるタイプではありません。しかし、心を打たれることは確かです。久々に読んでよかったと思わせてくれた作品でした。名作と呼ばれるのも納得です。 続きを読む投稿日:2013.10.03
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ADAMAS(1)
岡エリ, 皆川亮二 / イブニング
「何事にも屈しない」という意味のタイトル通り、強い女性が主人公の能力者バトルマンガ
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宝石や鉱石の力を利用出来る宝石使い(ジュエルマスター)である女性主人公が、任務を行っていくというストーリーです。優れた観察眼や宝石の力を利用して、宝石に関する事件を解決したり、「シャニ」という組織と対…決をしたりしていきますが、ほとんど鉄拳制裁で解決してきます!
また必ずしも宝石使いは万能という訳でもなく、弱点をどう踏まえたうえで戦うのかという描写もあったりと、楽しむことが出来ました。1巻は序章的意味合いが強いのですが、巻数が進むと他の宝石使いも登場したり、事件の裏に潜む何者かを追い求めていくことになります。
皆川ファンならもちろん楽しむことが出来ますし、アクションが好きな方も楽しめると思います。 続きを読む投稿日:2015.01.15