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このユーザーのレビュー
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ドリアン・グレイの肖像
ワイルド, 仁木めぐみ / 光文社古典新訳文庫
快楽と美への飽くなき追及をする主人公。行きつく先は何なのか?
6
美青年ドリアンは、ヘンリー卿や画家バジルとの出会いによって、快楽と美に溺れていきます。そして快楽と美への飽くなき追及によって、堕落した魂は、彼が堕落をする以前の姿を描いた肖像画に、少しずつ表面化してい…きます・・・。
容姿端麗な人でも、その人の心は果たしてそれと同じように美しいものなのか?美や快楽を追及するドリアンを通して、心のあり方や本当に美しいものは何なのか?
これらの事について、考えさせられました。
私が高校生の時に、衝撃を受けた本の一つです。純文学がお好きな方に、オススメです。 続きを読む投稿日:2014.05.05
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GROUNDLESS -隻眼の狙撃兵- 1
影待蛍太 / 漫画アクション
グイグイと世界観に引き込まれるマンガでした
6
何処からともなく打ち込まれる弾丸が、戦場で戦う兵士に与える恐怖心をリアルに描いており、戦場における狙撃の役割や影響力の強さを浮き彫りにさせる作品です。少しだけですが、狙撃に関する知識を分かりやすく物語…中で描かれているうえに、難しい銃に関する用語等はないので、読みやすかったです。
ただし絵は漫画の表紙とは異なり、作中は少し荒いと感じました。ですが絵がダメで手放すことはありませんでした。
なお1巻は序章的役割を持っており、主人公ソフィアが何故銃を手にしたのか(書籍説明で答えは出てますが・・・)を描いています。2巻目以降は、穀倉地帯における軍事作戦を、とある部隊が遂行するが・・・という話です。主人公のソフィアももちろん重要人物ですが、他の登場人物もおり、彼女onlyで話は進んでいきません。今後はソフィアと登場人物たちとの関係や、作中における戦況の動向が楽しみです! 続きを読む投稿日:2015.01.29
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BLAME!(1)
弐瓶勉 / アフタヌーン
読む人を選ぶが、ハマると最高に面白い作品
6
個人的にはとても楽しめた作品でした。作中の世界観やキャラクター、そして建物などの構造物が独創的で、癖になり、読み直したほどです。
物語の内容としては上記の「書籍説明」通りです。ただ個人的には、必ずし…も万人受けする作品ではないという印象を受けました。会話が少ないため、作中の用語や世界観の理解は最初の1巻では出来ませんし、戦闘シーンもコマ数が少なくわかりにくいです。また1巻は、ほぼ戦闘シーンで終わる為、ある程度読み進めないと、この作品の面白さが分かりません。
SFが好きな方には、是非手に取っていただきたいですが、1巻だけの試し読みは、個人的にはお勧めしません。 続きを読む投稿日:2014.11.15
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わたしを離さないで Never Let Me Go
カズオ・イシグロ, 土屋政雄 / ハヤカワepi文庫
ゆっくりと判明する世界
6
自分の人生について思い悩むことは誰しもあるはずです。そして今後の自分の人生なんてはっきり言って、分かりません。しかしこの作品で登場する「提供者」と呼ばれる人物たちの運命は、決定されています。しかも残酷…で抗いようがないものです。
読み進めるうちに読者は、提供者の運命や小説内の世界観が少しずつ分かっていく構成です。
じわりじわりと進んでいき、最後に深く心を揺さぶられる結末を迎えていきます。
己の生きる意味、他者への影響などこの作品から得られるものは人それぞれだと思います。深い小説です。 続きを読む投稿日:2013.10.16
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そして誰もいなくなった
アガサ・クリスティー, 青木久惠 / クリスティー文庫
最高の犯人捜し
5
後世の作品にも影響を与えた作品です。それだけ、いろいろな読者を騙し、唸らせたということですが、もちろん私も騙されました。「お前が、犯人かよぉー。くそ、なんか悔しい!」というのが素直な感想です。「騙さ…れるミステリー」そして「犯人の意外さが際立つミステリー」として、オススメの作品です。これを読まずして、「ミステリーが好きなんです」とは語れないと思います。
ちなみにですが、この作品はポワロやミス・マープルなどの探偵は出てきません。館に集められた人々が一人、また一人と殺害されていき、残った人たちがこの中の誰が犯人なのかと考え抜いていく作品です。あなたもこの惨状の中の世界に入り、第三者となって犯人を探し出してみてください。 続きを読む投稿日:2013.11.06
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1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編
O・ヘンリー, 芹澤恵 / 光文社古典新訳文庫
古き良き時代のアメリカ
5
英語の優れた短編小説に送られるO・ヘンリー賞というのがあります。これからもわかりますが、短編の名手と謳われている作家の作品集です。人生の皮肉さ、素晴らしい恋愛、数奇な運命などそれぞれの作品から見えてく…るもの、感じるものは違い、各作品が生き生きとしています。
読者の世代や性別、人生観などによって好きな作品が違ってくるというのが魅力の1つだと思います。私は「千ドル」、「幻の混合酒」、そして好きな作品という人が多い「最後の一葉」が好きです。ぜひ古典文学に興味がある方は読んでみて、自分の好きな作品を見つけてみて下さい。 続きを読む投稿日:2013.10.12