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このユーザーのレビュー
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チャイルド・オブ・ゴッド
コーマック・マッカーシー, 黒原敏行 / 単行本
異常犯罪者の生態
1
銃の扱いに長けているが、暴力的で人との交流を隔絶しているレスター・バラードが、どのような犯罪をおこない、生活はどのようなものであったのかをドキュメンタリーみたいにまとめ上げた作品です。
物語の舞…台となる町や自然の描写が上手いと思ったのと、あまり具体的に書かず、あくまでまとめ上げた風に書いてあるのが印象的でした。レスターの心理や行動を自分なりに考え、どのようなことからそのような行動に至ったのか考えさせられました。トマス・ハリスの「羊たちの沈黙」のような具体的な殺人描写は無いものの、殺人というグロテスクさや異常さがひしひしと感じました。 続きを読む投稿日:2015.05.16
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GUNSLINGER GIRL(1)
相田裕 / 電撃G'sマガジン
表紙で判断しないでください。
4
表紙を見て「美少女が銃撃ちまくり、萌え要素があるマンガ」と勝手に思っていましたが、他のサイトなどで評価が良かったので購入しました。とてもよく作りこまれた良作のマンガであったというのが読後の感想です。…
犯罪の被害者や難病といった理由で義体となった少女たちと、彼女たちの指揮官として共に行動する「担当官」が、テロリストなどと戦っていく姿が描かれています。テロリストなどとの戦闘だけでなく、イタリアにおける南北問題や担当官の心境の変化や少女たちの成長も描かれていきます。また、g-valkyriaさんがおっしゃるように、死亡するキャラがいるので、キャラクターに強い思い入れをする方は注意が必要です!
個人的には、絵や戦闘シーンは分かり易かったです。しかし、過去に登場した人物が数巻経ってから登場したりするので、間を開けずに読むことをオススメします。 続きを読む投稿日:2015.05.16
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シドニアの騎士(1)
弐瓶勉 / アフタヌーン
面白い!新刊が楽しみです。
3
話の内容は、太陽系を破壊され人類の存続の為宇宙を旅する宇宙船・「シドニア」を舞台に、主人公・谷風長道(たにかぜ ながて)が、大型人型兵器を駆使し、謎の生命体「ガウナ」との死闘を繰り広げるという物です…。
久々に一気読みしたマンガでした。ガウナとの戦闘、シドニアでの日常がテンポよく描かれていきます。作者が過去に描いた「BLAME」というマンガなどで出てくる「東亜重工」という名前が出てきたりと、過去の作品との関連もあります(*過去の作品を読んでいなくても大丈夫です。名前が出てくるだけです)
ヒロインの一人が、女性でも男性でもない「第3の性」だったり、次々と開発され運用される対ガウナ用兵器、そして様々な形態や戦法で人類の脅威となるガウナなどこの作品ならではの魅力が多くあります。
正直絵が独特であり、戦闘シーンのコマ数が少なく分かりにくいなど読みにくいと感じる方もいると思いますが、世界観や物語に引き込まれるとものすごく「面白い」と感じると思います。
今のところ伏線の回収もできているので、おもしろいと感じた方は読んでみて下さい!また、マンガの補完としてアニメを見るのもアリだと思います。 続きを読む投稿日:2015.05.04
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機動戦士ガンダム サンダーボルト(4)
太田垣康男, 矢立肇, 富野由悠季 / ビッグスペリオール
新たな戦いの始まり
3
巻の前半において、ア・バオア・クーの戦闘が描かれ、次に巻の後半においては、戦後の地球を舞台に、連邦、ジオン、そして新勢力の三つ巴の戦いが始まる手前のところまでが描かれています。
1年戦争の補完…的な意味合いが消え、オリジナルストーリーが始まりましたが、とても面白いです。ア・バオア・クー戦の際に出てきた、MSがカッコよかったです。速くガンプラになってほしいです!
今後の新キャラクターの活躍や新たなMSの活躍も楽しみですし、物語の展開も楽しみです。 続きを読む投稿日:2015.03.21
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EAT-MAN COMPLETE EDITION(1)
吉富昭仁 / 月刊少年シリウス
たまに読むと面白いマンガでした。
2
自分が食べたものを再構築することが出来る能力(例.銃を食べる→銃を再構築し、相手にぶっ放す)を持つ男、ボルト・クランクの物語です。
基本一話完結、もしくは複数話で完結していくスタイルで物語は進んで…いきます。話の内容は、「世界一の冒険屋」と言われるボルトが、様々な依頼を受けるもしくは、事件に巻き込まれるという形で渦中の人になり、やがて物事を解決するという物です。ボルトは無敵に近く、悪しき者を裁き、弱き者または正しき者を救って物語は完結する場合がほとんどです。
個人的な感想としては、一話完結の物語のため似た話が多いと思いました。そのため、だいぶ読む期間を開けて読んでいました。また、何話か登場するキャラクターがいますが、基本的には一匹オオカミのボルトが、物事を解決してしまうので、サブキャラが活躍する部分が無かったのが、残念でした。ただ、世界観や絵は好きでした。 続きを読む投稿日:2015.03.21
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アメリカン・スナイパー
クリスカイル, ジムデフェリス, スコットマキューエン, 田口俊樹 / ハヤカワ文庫NF
一人の狙撃手の物語
10
クリス・カイル(1974〜2013)が、自身の半生を綴った作品です。物語は、自身の生い立ち、軍への入隊と訓練、イラクでの実戦、家族への想い、退役という形で進んでいきます。また、筆者のクリスだけでなく、…妻のタヤが綴った文章も文中に散見されます。愛に溢れた文章もあれば互いのすれ違いに悩む文章もあるなど、一人の兵士の妻である女性の想いも推し量ることが出来ます。
ある程度の制約はあったと思いますが、実際の軍の訓練や戦闘について明かしています。また、女性を射殺したことを平然と述べたりと、大胆なことを述べている部分もありました。
本作の魅力は、個人的には「筆者の蝕まれていく心」を描いていることだと思います。特に後半になるにつれ、蝕まれた心が、露見していきます。
〈戦争とはどのようなものであるのか?〉この疑問の答えの一つになるのが、本作であると私は読書後感じました。また、普段ノンフィクションを読まない方にも読んでほしいと思えた作品でした。 続きを読む投稿日:2015.03.11