Reader Store
じゃがいもさんのレビュー
いいね!された数12
  • 人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか

    人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか

    中川毅

    ブルーバックス

    中身も構成も良い

    データに基づかない、あるいは恣意的にピックアップされたデータに基づいた地球温暖化の議論にずっと疑問をいだいていたが、本書によって疑問の一端が解けた気がした。導入部の議論から、二重振り子やカラーボールに例を取った気候変動の話、メインテーマの水月湖の年縞の話、植生の話と 本としての組み立て構成も見事である。(中身は面白いのに構成で失敗しているブルーバックスもあるが)猛暑の夏を迎えた今、この本を読むと実感として気候変動を感ずる。

    0
    投稿日: 2022.06.28
  • こういうのがいい 3

    こういうのがいい 3

    双龍

    となりのヤングジャンプ

    あっさりした関係の二人に

    あっさりした関係の二人であるが、このような作品のお約束として二人の各々にちょっかいを出す相手が登場する。更にチャーハン女子も登場してお楽しみは次巻以降。典型的なストーリー展開ではあるが、会話やストーリーの展開にテンポがあってとても良い。絵柄もきれいでしっかりしている。

    0
    投稿日: 2022.06.28
  • こういうのがいい 2

    こういうのがいい 2

    双龍

    となりのヤングジャンプ

    SNSっぽい言葉遣い

    SNS上の会話をっそのまま現実の会話に持ち込んだような二人の会話がリズミカルでとても面白い。ダジャレもとても効いている。お互いに心を専有しようとするのでもなく、体のみの割り切った付き合いにしようとするのでもなく、その中間をゆく二人の関係が危ういながらも面白い。

    0
    投稿日: 2022.06.28
  • 校閲ガール ア・ラ・モード

    校閲ガール ア・ラ・モード

    宮木あや子

    角川文庫

    後半二作が異質

    ラノベ風の文体 ノリで、前作ヒロインの周辺人物の話が展開されてゆく。前作ほど「校閲」の話に特化していないので、最初はおしゃれ女性たちのキラキラ話 という雰囲気である。しかし話が進むに連れて重たくなってきて、後半二作はまったく異質である。こちらの話の方に心を動かされた。最終話は「サイドストーリーズ」というアンソロジーで以前読んでいたが。

    0
    投稿日: 2022.06.26
  • サムライ・ダイアリー 鸚鵡籠中記異聞

    サムライ・ダイアリー 鸚鵡籠中記異聞

    天野純希

    幻冬舎時代小説文庫

    題名がコレまたいい

    ずっと以前に「元禄御畳奉行の日記 _神坂次郎」という鸚鵡籠中記を丁寧に解説した本を読んだことがあった。元禄時代の日記が現存していること自身が珍しいが、その内容が大変に庶民的で微笑ましい。その微笑ましい鸚鵡籠中記を題材に作者天野純希が日記物語に仕立て直した本書は神坂次郎本とは違った意味で非常に面白い。もっとも、面白さの半分は原作者朝日文左衛門の手柄のような気がするが。

    0
    投稿日: 2022.06.23
  • 新選組血風録(二)

    新選組血風録(二)

    司馬遼太郎,森秀樹

    文春時代コミックス

    原作の雰囲気を

    司馬遼太郎の原作の雰囲気を少し荒れ気味の劇画タッチの絵柄でよく表現している。実際、新選組の暴れようはコレほどまでに凄まじかったのだな と思わせるようなところがある。余裕のない救いのない話が多い中、第3話目の結末が少しホッとするところである。

    0
    投稿日: 2022.06.22
  • 新解さんの謎

    新解さんの謎

    赤瀬川原平

    文春文庫

    前後半ではっきり分かれる

    前半は辞書の例文に対する考察である。辞書の例文の「個性」なんて今まで全く意識しなかったが、改めて読み返すとずいぶんと個性的なのがよく分かる。真面目くさって冗談を言うという おかしみが存分に伝わってくる。残念なことに後半ははっきり言って余分である。

    0
    投稿日: 2022.06.21
  • 鬼弾 鹿王丸、翔ぶ

    鬼弾 鹿王丸、翔ぶ

    岩井三四二

    講談社文庫

    アイロニーとユーモア

    私の好きなアイロニーとユーモアが織り込まれた作品である。この作者の最近の作品にはややこの要素が影を潜めた感じがしていたが、この作品にはどことなく漂う感じがなかなかに良い。追う者と追われる者の緊迫感はこの作者としては珍しいがよく描き出されていると思う。

    0
    投稿日: 2022.06.21
  • ふることふひと 4巻

    ふることふひと 4巻

    風越洞,壱村仁

    MAGCOMI

    ミステリーっぽくなってくる

    話が単なる記紀制作秘話の域にとどまらず、主人公の出自の真相に関連するミステリーのようになってきている。なんせ記録伝承が不完全な千数百年前のお話なので、作者の自由な創作の入る余地が多く、とても面白いワクワクするようなお話に仕上がっている。あまり創作しすぎると単なるファンタジーになってしまう危険性があるが。

    0
    投稿日: 2022.06.18
  • センゴク権兵衛(24)

    センゴク権兵衛(24)

    宮下英樹

    ヤングマガジン

    文禄の役 巨大組織の病弊

    文禄の役を中心に描いた巻である。ロシアのウクライナ侵攻でもわかるように、戦争は始めるのは簡単でも終わらせるのはとても難しい。トップが老化してそれを助けるべき周辺の人間が忖度に汲々としているという巨大組織の病弊をあからさまにしている。時代が変わり組織が変わっても人間のやることに大差はないのだなと思い知らされる。ただ、武将の絵がついた解説文 説明文と言った感じでコミックとしてみた場合、面白さはあまり感じられない。

    0
    投稿日: 2022.06.12
1
...
646566
...
71