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じゃがいもさんのレビュー
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  • 決戦!賤ヶ岳

    決戦!賤ヶ岳

    天野純希,木下昌輝,矢野隆,土橋章宏,乾緑郎,吉川永青,簑輪諒

    講談社文庫

    企画倒れ

    本書を作るための下打ち合わせを記録した、賤ヶ岳七本槍の七人の武将を七人の歴史作家に割り振る「『決戦!賤ヶ岳』七本槍ドラフト軍議」という電子本を、以前読んだことがある。これがずいぶん面白かったのでかなり期待して本書を読んでみた。しかし賤ヶ岳の戦いと七本槍に限定した企画のせいか、冒頭作の加藤清正がまあ良かったが、他の決戦シリーズと比べて面白い作品が少なかった。

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    投稿日: 2022.06.30
  • マインド・クァンチャ The Mind Quencher

    マインド・クァンチャ The Mind Quencher

    森博嗣

    講談社ノベルス

    風変わりな剣豪小説

    剣豪小説といえば吉川英治.柴田錬三郎.子母澤寛.五味康祐...と枚挙にいとまがないが、その剣豪たちとはひと味もふた味も違う風変わりな剣豪小説である。全五巻の完結作ということで、主人公の剣の腕前は上がっているのだろうが今ひとつピンとこなかった。天一坊事件のような終盤に違和感を覚えたが、エピローグでなんとなく納得させられた。

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    投稿日: 2022.06.30
  • 人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか

    人類と気候の10万年史 過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか

    中川毅

    ブルーバックス

    中身も構成も良い

    データに基づかない、あるいは恣意的にピックアップされたデータに基づいた地球温暖化の議論にずっと疑問をいだいていたが、本書によって疑問の一端が解けた気がした。導入部の議論から、二重振り子やカラーボールに例を取った気候変動の話、メインテーマの水月湖の年縞の話、植生の話と 本としての組み立て構成も見事である。(中身は面白いのに構成で失敗しているブルーバックスもあるが)猛暑の夏を迎えた今、この本を読むと実感として気候変動を感ずる。

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    投稿日: 2022.06.28
  • こういうのがいい 3

    こういうのがいい 3

    双龍

    となりのヤングジャンプ

    あっさりした関係の二人に

    あっさりした関係の二人であるが、このような作品のお約束として二人の各々にちょっかいを出す相手が登場する。更にチャーハン女子も登場してお楽しみは次巻以降。典型的なストーリー展開ではあるが、会話やストーリーの展開にテンポがあってとても良い。絵柄もきれいでしっかりしている。

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    投稿日: 2022.06.28
  • こういうのがいい 2

    こういうのがいい 2

    双龍

    となりのヤングジャンプ

    SNSっぽい言葉遣い

    SNS上の会話をっそのまま現実の会話に持ち込んだような二人の会話がリズミカルでとても面白い。ダジャレもとても効いている。お互いに心を専有しようとするのでもなく、体のみの割り切った付き合いにしようとするのでもなく、その中間をゆく二人の関係が危ういながらも面白い。

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    投稿日: 2022.06.28
  • 校閲ガール ア・ラ・モード

    校閲ガール ア・ラ・モード

    宮木あや子

    角川文庫

    後半二作が異質

    ラノベ風の文体 ノリで、前作ヒロインの周辺人物の話が展開されてゆく。前作ほど「校閲」の話に特化していないので、最初はおしゃれ女性たちのキラキラ話 という雰囲気である。しかし話が進むに連れて重たくなってきて、後半二作はまったく異質である。こちらの話の方に心を動かされた。最終話は「サイドストーリーズ」というアンソロジーで以前読んでいたが。

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    投稿日: 2022.06.26
  • サムライ・ダイアリー 鸚鵡籠中記異聞

    サムライ・ダイアリー 鸚鵡籠中記異聞

    天野純希

    幻冬舎時代小説文庫

    題名がコレまたいい

    ずっと以前に「元禄御畳奉行の日記 _神坂次郎」という鸚鵡籠中記を丁寧に解説した本を読んだことがあった。元禄時代の日記が現存していること自身が珍しいが、その内容が大変に庶民的で微笑ましい。その微笑ましい鸚鵡籠中記を題材に作者天野純希が日記物語に仕立て直した本書は神坂次郎本とは違った意味で非常に面白い。もっとも、面白さの半分は原作者朝日文左衛門の手柄のような気がするが。

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    投稿日: 2022.06.23
  • 新選組血風録(二)

    新選組血風録(二)

    司馬遼太郎,森秀樹

    文春時代コミックス

    原作の雰囲気を

    司馬遼太郎の原作の雰囲気を少し荒れ気味の劇画タッチの絵柄でよく表現している。実際、新選組の暴れようはコレほどまでに凄まじかったのだな と思わせるようなところがある。余裕のない救いのない話が多い中、第3話目の結末が少しホッとするところである。

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    投稿日: 2022.06.22
  • 新解さんの謎

    新解さんの謎

    赤瀬川原平

    文春文庫

    前後半ではっきり分かれる

    前半は辞書の例文に対する考察である。辞書の例文の「個性」なんて今まで全く意識しなかったが、改めて読み返すとずいぶんと個性的なのがよく分かる。真面目くさって冗談を言うという おかしみが存分に伝わってくる。残念なことに後半ははっきり言って余分である。

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    投稿日: 2022.06.21
  • 鬼弾 鹿王丸、翔ぶ

    鬼弾 鹿王丸、翔ぶ

    岩井三四二

    講談社文庫

    アイロニーとユーモア

    私の好きなアイロニーとユーモアが織り込まれた作品である。この作者の最近の作品にはややこの要素が影を潜めた感じがしていたが、この作品にはどことなく漂う感じがなかなかに良い。追う者と追われる者の緊迫感はこの作者としては珍しいがよく描き出されていると思う。

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    投稿日: 2022.06.21
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