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傑作はまだ
瀬尾まいこ / ソニー・ミュージックエンタテインメント
ホッとする作品
1
代表作の「そして、バトンは渡された」とやや似た親子関係の父と息子の物語である。この作家らしい軽妙な語り口でどんどん話が進んでゆく。途中でいくらか考えさせられる場面が出てくるが、基本的には人の優しさ、善…良さを信じる 姿勢に変わりはない。やや食い足りないところはあるがホッとする作品である。 続きを読む
投稿日:2022.12.30
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黄砂の籠城(下)
松岡圭祐 / 講談社文庫
アクション映画のような作品
1
籠城戦が進むにつれて攻防の内容がどんどん荒唐無稽になり史実からかけ離れてきた。特に語り部の伍長のスーパーマンぶりが鼻につく。肝心の柴五郎の印象が薄れてしまっている。この事変の結果、日本の国際的評価がず…いぶんと上がったらしいが、ここまで演出過剰だと逆にその事実が胡散臭く思える。 続きを読む
投稿日:2022.05.14
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かがみの孤城
辻村深月 / ポプラ社
終盤は圧巻だが
1
導入部から前半部分はこの作者が得意とする悪意がじっとりと漂う学校いじめもの、悪意が鼻について全く感情移入できず、読んでいて途中で投げ出したくなった。中盤からようやく読みやすくなり、終盤は圧巻となった。…しかし推理小説としてみた場合、登場人物たちが「現在の年 や世の中の出来事 TV番組 流行り物」について全く話をしなかった 可能性はまずないので、仕掛は破綻してると思う。 続きを読む
投稿日:2022.07.28
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続 悪霊列伝
永井路子 / ゴマブックス
後書き
1
著者の主張したかったことが巻末の後書きに手際よくまとめられている。本書及び前巻はこの後書きの主張の実例 という位置づけである。政治というものは今も昔も人々にとっては不満の多いものであり、不満のぶつけ先…としてしばしばスケープゴートを必要とする。その道具の一つが悪霊であるというのは大変に面白い。現代では政権交代やデモになっているのかな。 続きを読む
投稿日:2023.05.16
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応天の門 16巻
灰原薬 / 月刊コミックバンチ
道真の葛藤
0
前半は藤原氏との権力闘争に破れた伴氏の末路が描かれている。このような末路を非藤原氏の菅原道真はどう感じたのか?道真の葛藤が感じられる。この話以降は今までの巻にもよくあった探偵もの。結論に腑に落ちないも…のはあるが、在原業平の印象的なセリフが心に響く。 続きを読む
投稿日:2023.06.22
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応天の門 15巻
灰原薬 / 月刊コミックバンチ
薬関連の話
0
薬師関連の中華ファンタジーがヒットしているせいかこのシリーズも薬師もの である。万能っぽいイメージが有る 主人公の菅原道真がこの巻では随分とオタオタしているところが、かえって好感のもとになる。いつの世…でも人々は「薬」に大きな期待を寄せるが、その実際の効き目は というところが ストーリーの要点になるだろう。 続きを読む
投稿日:2023.06.22