
テフレ。(3)
寝子空兄
マガジンポケット
最終巻
第一巻第二巻のストーリー展開のテンポから見ると、急に最終巻にしてしまった という感じが否めない第3巻である。ヒロインの可愛らしさは相変わらずだし、前巻まで気になった全身のバランスの悪さもこの巻では解消している。それだけに急に終わりにしたようなやり方は残念である。
0投稿日: 2023.02.28
いちげき (7)
松本次郎,永井義男
コミック乱ツインズ
ハッピーエンドではないが
ハッピーエンドではないが、ほぼ想定通りのエンディングである。幕末モノにはよくありがちのストーリー展開であるが、この作品の特徴は一にも二にも松本次郎の絵柄にある。地獄のアリス などの作品でも威力を発揮した粗い荒れた絵柄が殺伐とした雰囲気を盛り上げている。
0投稿日: 2023.02.26
いちげき (4)
松本次郎,永井義男
コミック乱
黒幕勝海舟
新撰組や連合赤軍にも言えることだが、組織の末期が近づくと「団結を高めよう、異端者を排除しよう」という思いが募るあまり、凄惨な内部粛清に陥りがちである。この一撃隊にもその傾向が見え始めている。この作品における勝海舟の黒幕的な動きはとても面白い。ほぼ100%創作モノとは思うが、実際にこのような動きをしていたとしても違和感がないところがこの作品の値打ちであると思う。
0投稿日: 2023.02.26
左手のための二重奏(4)
松岡健太
少年マガジンエッジ
少年漫画らしい
少年漫画らしく音楽ものピアノもの と言うよりは、次々と魔物が現れるクエスト者のような雰囲気になってきた。それはそれで面白いのだが、典型的な音楽ものピアノもの である恩田陸の「蜜蜂と遠雷」と比較すると物足りなさが出てくる。前巻までのほうが面白かったようなきがする。
0投稿日: 2023.02.25
フラジャイル(24)
恵三朗,草水敏
アフタヌーン
話が盛り上げってきた
新薬の治験を巡る話が盛り上げってきた。現在の医療を取り巻く問題課題をけれんみなく真正面から取り上げて描くだす作者の姿勢に敬意を評したい。ただそれだけでは息詰まる思いなのだが、贅沢な望みなのだろうか?久しぶりに登場した火箱さんの存在感が大きい。
0投稿日: 2023.02.24
【無料版】『ガザ、西岸地区、アンマン 「国境なき医師団」を見に行く』試し読み いとうせいこう×白川優子特別対談付き
いとうせいこう,白川優子
講談社
まずは素直に読むべきか
イスラエルとパレスチナの問題 というのは、どちら側の視点で見てゆくか、政治的な立場抜きには語れない 描けない問題である。本書は原則 弱者 パレスチナ側の視点に立って書かれている。「片方の立場から」ということを意識して読めば、なかなかに参考になる本である。
0投稿日: 2023.02.23
国銅(下)(新潮文庫)
帚木蓬生
新潮文庫
主人公の造形がいまいちかな
大仏の製造工程や周辺の政治 社会 経済状況など、克明に描き出されている。天皇の勅にあったように「国の銅を尽くして」作り上げた大仏 というものが、しっかり存在感を持って描かれている。それに引き換え 主人公は感情の動きが表面にあまり出てこず、欠点が殆ど感じられないので、やや魅力に乏しい気がする。
0投稿日: 2023.02.23
まんが訳 酒呑童子絵巻
大塚英志,山本忠宏
ちくま新書
巻末の解説も面白い。
博物館の中に奉られている文化財 としか思えなかった絵巻物が、漫画風のコマ割をすることにより、イキイキとした姿で現在に蘇ってきた。強調したい部分 ハイライトな部分をクローズアップして表現する手法は、ストーリー展開を追う上で大変にわかりやすい。吹き出しのセリフもこれまた同様。生肉 生き血に関する扱いも、当時の感性を知る上で重要である。巻末の解説も面白い。
0投稿日: 2023.02.23
うつけ屋敷の旗本大家
井原忠政
幻冬舎時代小説文庫
ラノベなのかな
同じ作者の「三河雑兵心得」、特に初期の数巻がとりわけ面白いので、他の作品はどうかな とこの本を読んでみた。はっきり言って期待外れだった。もう少ししっかりした展開があるかと思ったが、江戸 幕末を舞台にしたラノベ のノリであった。終盤の幕切れもがっかり。
0投稿日: 2023.02.23
センゴク権兵衛(16)
宮下英樹
ヤングマガジン
山中城攻防戦
権兵衛再出発は山中城攻防戦となる。大筋は史実や定説に忠実な作品なので、ごん兵衛隊は大した活躍の場は無し。絵柄は相変わらず安定していてキャラクターの描き分けもしっかりしている。先日、このセンゴク権兵衛シリーズの最初のシリーズである「センゴク」を少し読んだが、絵がずいぶん下手であったことに驚いた。上達したんだな。
0投稿日: 2023.02.20
