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じゃがいもさんのレビュー
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  • 巨鯨の海

    巨鯨の海

    伊東 潤

    光文社文庫

    「太い」作品

    悲しみをたたえながらも力強いストーリー展開、方言を主体とした語り口、時系列に並べているのだが巧みな各短編の配列順 どれをとっても「太い」という印象を受ける短編集である。伝統捕鯨の終焉までをいきいきとした筆で描ききっている。現在、太子町は伝統的イルカ漁が残酷だ ということでシーシェパードからさんざん妨害されている。なんだか、感慨にふけってしまう。

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    投稿日: 2023.06.14
  • 君の心を漢字たい 2巻【電子特典付き】

    君の心を漢字たい 2巻【電子特典付き】

    須河篤志

    くらげバンチ

    早くもネタ切れか?

    ヒロインの頬にその時の気持ちを表す「漢字」が浮かび上がるという秀逸なアイデアでストーリーが構成されている。しかし流石に第2巻目になるとそのアイデアだけでは話が進まなくなってきているので、書道ネタや漢字の起源ネタ そして王道の学園ラブコメで話を進めようとしている。しかしどのネタも踏み込みが今ひとつ という気がする。

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    投稿日: 2023.05.31
  • 平和の国の島崎へ(2)

    平和の国の島崎へ(2)

    濱田轟天,瀬下猛

    モーニング

    普段の生活のすぐ裏にある、危うい世界

    普段の生活のすぐ裏にある、危うい世界を存分に描いていてとても面白い。残念なのは「絵」である。ストーリー展開がハードボイルドなのでそれにあった骨太のがっちりした絵柄が似合いそうなのに、妙にひょろひょろしたギャグ感がある絵柄である。まあ、日常感とテロ 戦場を行き来する主人公に合わせのかもしれないが。

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    投稿日: 2023.05.31
  • デストロ016(3)

    デストロ016(3)

    高橋慶太郎

    月刊サンデーGX

    少し粗いかな

    全体的な話としては非常にテンポが良くスピード感があって勢いがあるのだが、そのせいでストーリー展開も絵柄もやや粗さが目立つ。次々といわくつきの殺し屋が登場するが、あまり丁寧な記述ではないので戸惑うことがある、皆さんあっさり殺しを行うところは共通している。

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    投稿日: 2023.05.31
  • 日本普通化計画

    日本普通化計画

    春日すもも

    群雛NovelJam

    軽いコメディ

    厚生労働省が各種試算に使っている「標準家庭 両親と子供二人」の個人版である。日本人の標準に一致した「個人」を選定するというアイデアはとても面白いが、それ以降の展開はほとんどすべて予想の範囲内であり、せっかくのアイデアを全く活かしきれていない気がする。語り口がラノベ風に軽いので、軽いコメディという感じであった。

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    投稿日: 2023.05.30
  • ご主人様には吸わせません! ストーリアダッシュ連載版 第1話

    ご主人様には吸わせません! ストーリアダッシュ連載版 第1話

    パデラポッロのりお,ストーリアダッシュ

    ストーリアダッシュ

    あまり怖くない

    あまり怖くない吸血鬼物語である。少年漫画風の絵柄は少々稚拙であるが、「怖くない吸血鬼物語」というストーリー展開とは雰囲気がよくマッチしている。ストーリー展開には山谷や意外性があまりなく、どんどん読み進めることができる。

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    投稿日: 2023.05.29
  • OLVtuberと推しJKちゃん  WEBコミックガンマぷらす連載版 第一話

    OLVtuberと推しJKちゃん WEBコミックガンマぷらす連載版 第一話

    しのぎあさ,WEBコミックガンマぷらす

    WEBコミックガンマぷらす

    元気の良い作品

    人気のVtuberをヒロインにした元気の良い作品である。ネガティブの要素がほとんど無く、元気で明るい話題に終止している。大変に気楽に読める作品である。その分、深みとか洞察には乏しいがまあそんなものは求めていないかな。絵柄もストーリーの雰囲気にぴったりである。

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    投稿日: 2023.05.29
  • 王妃ベルタの肖像 3

    王妃ベルタの肖像 3

    西野向日葵,今井喬裕

    富士見L文庫

    重厚な作品

    作者があとがきで書いている通り16世紀前後のスペインをモデルとした作品である。一見ラノベ風であるが、とんでもない。重厚な歴史小説である。もしラノベの雰囲気があるとしたら、登場人物各人のキャラクター設定があまりにもくっきりしすぎている点かな。語り口はやや喋り過ぎの感はあるが、私は好きである。ただ途中 時々交じる「後日譚」は興をそがれてしまう。

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    投稿日: 2023.05.28
  • 鬼はもとより

    鬼はもとより

    青山文平

    徳間文庫

    江戸時代の財政政策

    江戸時代の小藩における財政政策.金融政策を主題とした重厚な作品である。「一国における通貨の発行量は、その国の財及びサービスの総量に比例しなければいけない。」という財政 金融政策の基本がさり気なく書かれているところに参ってしまった。ラノベやゲームでしばしば取り上げられている領国経営ものであるが、作者青山文平の手にかかると大変に読み応えのある作品に仕上がってしまっている。政策を実行する武士たちの「覚悟」が読んでいて大変に心を打つ。過去 現代を問わず、このような政治家が実際にはいないこともあって、なおさらである。表紙カバー絵も随分目を引いて素晴らしい。本の内容をよく象徴している。 作者青山文平の作品を何冊か読んだか、この作品がその中でも最高であると感じた。

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    投稿日: 2023.05.26
  • 墨のゆらめき 無料お試し版

    墨のゆらめき 無料お試し版

    三浦しをん

    新潮社

    三浦しをんらしい

    軽いユーモアを含んだ語り口がとても読みやすく、まほろ駅前シリーズの作家三浦しをんらしい作品である。中国 及び 日本で特異的に育った「書」という芸術を題材にのびのびとした描き出し方をした作品である。

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    投稿日: 2023.05.26
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