
応天の門 16巻
灰原薬
コミックバンチKai
道真の葛藤
前半は藤原氏との権力闘争に破れた伴氏の末路が描かれている。このような末路を非藤原氏の菅原道真はどう感じたのか?道真の葛藤が感じられる。この話以降は今までの巻にもよくあった探偵もの。結論に腑に落ちないものはあるが、在原業平の印象的なセリフが心に響く。
0投稿日: 2023.06.22
応天の門 15巻
灰原薬
コミックバンチKai
薬関連の話
薬師関連の中華ファンタジーがヒットしているせいかこのシリーズも薬師もの である。万能っぽいイメージが有る 主人公の菅原道真がこの巻では随分とオタオタしているところが、かえって好感のもとになる。いつの世でも人々は「薬」に大きな期待を寄せるが、その実際の効き目は というところが ストーリーの要点になるだろう。
0投稿日: 2023.06.22
スーパーの裏でヤニ吸うふたり 2巻
地主
ビッグガンガンコミックス
思いがけない良作
題名や絵柄から抱くイメージが実際読んでみると 良い意味で裏切られる良作である。スーパーマーケットのレジ係の山田さんに惹かれているのに ちょっとあざとい感じの田山さんも気になる 間抜けな主人この造形が大変に良い。この田山さんとの関係が徐々に深まってゆくところなど、しっとりとしていてなかなかのものである。
0投稿日: 2023.06.22
リコリス・リコイル 2
備前やすのり,SpiderLily
KADOKAWA
ゴム弾
実弾射撃 殺人が認められているリコリスの中で、頑なに「命大事に」を貫くヒロインの存在がとてもユニークである。さじ人を仕方がないことと考える周辺の登場人物の中でどこまでこの主義を守ることができるのかとても興味深い。絵柄は前巻に引き続き可愛らしい。ストーリー展開とのアンバランスもこれ又良い。
0投稿日: 2023.06.21
グッドバイ
朝井 まかて
朝日文庫
作者得意の人物造形
以前に「眩 くらら」を読んでこの作家に注目した。主人公は「眩 くらら」の葛飾応為と同じ気質 気性を持った人物である。この主人公(ヒロインではなく)の造形の迫力がこの作品の最大の特長であるが、さらに多彩な周辺人物が魅力をもり立てている。しかも絵空事ではなく、実在の人物だというところでますます迫力が増す。
0投稿日: 2023.06.20
わが殿 下
畠中恵
文春文庫
わが殿のキャラクターが
題名が「わが殿」なので、わが殿のキャラクターがもっと際立って描かれているのかなと思ったが、それほどでもない。人情もの 領国経営もの 経済史もの 色々な要素を取り混ぜて書いてはいるが、どの要素にも深くふみこんでいない という気がして食い足りないという感想を抱いてしまった。主人公を経済の視点で描いた「そろばん武士道」を読んでみようかしらん。
0投稿日: 2023.06.18
わが殿 上
畠中恵
文春文庫
我が殿の個性が明確でない
しゃばけ や まんまこと のようなファンタジックな時代小説を書いている著者が、テーマを変えて挑んだ作品のようなので読んでみた。しかし「わが殿は織田信長に似ている。」と評しているが、それほど際立った個性が表には出ていない。領国経営ものとしても、経済的 財政的な話がそれほど詳しく具体的に描かれているわけではない。主人公の苦闘ぶりがひょうひょうとややユーモアを持って描かれているところが、畠中恵らしいとは言える。
0投稿日: 2023.06.17
イサック(15)
真刈信二,DOUBLEーS
アフタヌーン
フランスへ
ベラスケスの名画で有名な「ブレダの開城」のサブストーリーのような話である。ここで一旦オランダ編は終わって次はフランス編になる。ロレンツォの居場所が判明したのだが実に鮮やかな再登場である。次巻以降がとても待ち遠しい。30年戦争以降のヨーロッパの近世史を読み直したほうがいいかな。
0投稿日: 2023.06.16
あかね噺 6
末永裕樹,馬上鷹将
週刊少年ジャンプ
ライバル達
前巻に引き続き個性豊かな師匠たちライバル達が続々と登場してくる。落語界も民間企業と同じで、年功序列から実力主義への変換 革新を図ろうとしているようである。「伝統芸」という独自の位置づけからなかなかの困難が予想されるが。その中ヒロインあかねはなかなかの快進撃ぶりである。次巻以降大きな躓きがなければいいが。
0投稿日: 2023.06.15
あかね噺 5
末永裕樹,馬上鷹将
週刊少年ジャンプ
うらら師匠
どの世界にもある嫉妬 ねたみ 出る杭を打ちたい の中で苦しむヒロインあかね。特に伝統芸社会である落語界だけにこの傾向は顕著なんだろうな。その因習に対するアンチテーゼなのか、さっそうと登場した うらら師匠。次巻が楽しみなような怖いような。
0投稿日: 2023.06.14
