信頼する力 ジャパン躍進の真実と課題
遠藤保仁
角川oneテーマ21
現場にいた人の貴重なコメント
サッカー日本代表遠藤保仁が2010年のW杯南アフリカ大会を振り返る。 開幕前の試合内容から予選では全敗とたたかれていたとは裏腹にチーム内は監督を含めてチームは一丸になっていたのがよくわかる。 そして、フィジカルが弱い日本がなぜW杯の決勝トーナメントに進出できたのを分析して、今後の日本代表に必要な物は何かを提言している。
0投稿日: 2013.09.25ソニー自叙伝
ソニー広報部
ワック
Sonyの歴史
10年以上前に刊行されたソニーの社内史。 戦後、小さな町工場の会社であったソニーが世界企業となったか? 盛田、井深のコンビが世界をあっと言わせたかが書いてあるが、内容が説明になるので中だるみをする。 しかし、刊行されて10年経過して読んだとき、ソニーの苦戦ぶりを見ると、創業者の思いや理念をぜひ思い出して商品を開発してほしいと思う。
5投稿日: 2013.09.25奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録
石川拓治,NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」制作班
幻冬舎文庫
無農薬でリンゴを作る難しさ
「無農薬で野菜を作る」一度でも野菜を作った人ならば、どれだけ大変なことであるか。 農薬なしでは不可能だったリンゴで無農薬栽培を始めた農家木村秋則さん。 プロフェッショナルで紹介されてから、再度取材を行って書かれた本書。 木村さんの無農薬農家への挑戦、幾度となく味わう挫折の中で見つけたドングリの木。 木村さんの農業は、「自然との共生」 この言葉は決して簡単なことではない。 リンゴの木を見ながら土の状態、木につく虫を観察して導き出された農業は、本当に気が遠くなる。 読んでいる人間にも笑顔になれる一冊です。
0投稿日: 2013.09.25となり町戦争
三崎亜記
集英社文庫
銃撃戦のない戦争
普段通りの生活から突然戦争が始まるという市役所のお知らせ。 本編の中には、銃撃戦などの戦争描写は全くありません。 しかし、主人公は確実に戦争に巻き込まれていて、しかも知らないところで死んでいる。 戦争をひとつの行政として坦々と進めているし役所側の描写は、非日常が日常に当たり前のように入っていることに困惑する主人公と同じ気持ちになる。
1投稿日: 2013.09.25バスジャック
三崎亜記
集英社文庫
バスジャックブーム到来
摩訶不思議な日常を書く三崎亜記の短編集。 表題のバスジャックは、「バスジャックがブームである」唐突に始まる内容は、バスジャック初心者を通してバスジャックの仕組みを紹介、最後に「真のバスジャックとは?」が書かれている。 読んでいる間は、疑問が頭から離れないのだが最後までさくさく読んでいける。
0投稿日: 2013.09.25龍馬を継いだ男 岩崎弥太郎
安藤優一郎
アスキー新書
もう一つの幕末伝
三菱の創業者として有名な岩崎は幕末の時は何をしていたのかに注目した内容。 龍馬との接点も多い人でもあったが若いときは、お家騒動に巻き込まれたり監獄に入ったりと踏んだり蹴ったりの人生が後の三菱の礎を築くのかと思った。 本人の日記から龍馬との日々を見るとかなり金の無心をしたりして困らせていたようで最後は喧嘩別れになっている。 明治以降の活躍はあまり書かれていないのでどちらかというと、幕末の薩摩藩長州藩以外の藩がどのように動いていたかを読む資料としてはおもしろい本である。
0投稿日: 2013.09.25桐島、部活やめるってよ
朝井リョウ
集英社文庫
桐島君は、どうしたの?
高校生の普通の日常にある変化が起こって変わり始める学園生活を8人の生徒目線で書かれている。 各生徒の話は小さくまとめられ、連続で読むと高校生活の日常に桐島が起こした行動が各生徒にどのように影響を与えているかが書かれている。 劇団ひとりの「陰向日葵に咲く」と似た作品で読めば読むほど中味の解釈を探しているのはおもしろい。
6投稿日: 2013.09.25陰日向に咲く
劇団ひとり
幻冬舎文庫
劇団ひとりワールドへようこそ
最初に読んだときは、短編集だと思いながら読んでいると各章でキーワードとなる言葉が出てきて読んでいる人を飽きさせない。 好きなのは、第3章の友達のくだりは、ネタばれになるので細かく書かないが完全にだまされた。 一人芝居風コントを得意とする著者の腕が存分に発揮されていて今までと見方が変わる。 劇団ひとりの作る世界観に敬服してしまった。
3投稿日: 2013.09.25感染遊戯
誉田哲也
光文社文庫
姫がおいしいところを持って行く
姫川にちょっかいを出してくる勝俣が主役。 脇を固めるのが「過ぎた正義」で存在感を出した元刑事の倉田、逆に姫川班で全く溶け込んでいなかったノリこと葉山が大活躍。 つながりのないと思われた元官僚を狙った事件がウイルスのように感染して事件が広がっていく。 勝俣達の捜査はテンポ良く進むので次が気になって時間を忘れて読み耽る。 姫川さんは、今回は全くと良いほど登場しません。 最初と最後のおいしいところを持って行き、勝俣と同じように「チクショウ」と読んでても思ってしまった。
1投稿日: 2013.09.25インビジブルレイン
誉田哲也
光文社文庫
姫川と牧田の恋の行方は
暴力団員が殺されただけの事件と思われた事件が、警視庁を揺るがす不祥事を臭わす事件へと発展。 上からの捜査中止を命令されても突っ走る姫川が事件を追いかけます。 そして今回の陰の主役は、組長の牧田さんです。 牧田と姫川の禁断のラブロマンスもありますが、姫川の事件とどうやって結びついてくるかが読みどころです。 真犯人が登場する終盤は、序盤の話がひっくり返るほどの内容で読んだ人には(゜゜;)エエッと思わせる内容です。
3投稿日: 2013.09.25