パドラッパさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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パンダのパ リハビリ病院エクササイズ 1
河あきら / Jourすてきな主婦たち
療法士さん視点が珍しい一冊
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作者ご自身が経験した入院生活をベースにしてリハビリ病院を紹介した作品。医師・看護師ではなく、理学・作業・言語療法士と患者の関係がメインに据えられているところが珍しい。
療法士さんの仕事は私も昨年お世…話になるまで知らなくて、本書で初めて知ったことも多かった。 続きを読む投稿日:2019.01.03
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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第四部「貴族院の自称図書委員VI」
香月美夜, 椎名優 / TOブックス
ガラクタな常識をあっさり超えるのが面白い
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学年が上がり、シャルロッテも交えた学園生活が始まります。
一年生の時はヴィルフリート・チームとの対比で示されていた常識と革新の差が、さらに浮き彫りになっているところが興味深かったと思います。
…祝☆アニメ化決定! いやっふう! 続きを読む投稿日:2019.03.10
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図書館巡礼 「限りなき知の館」への招待
スチュアート ケルズ, 小松 佳代子 / 早川書房
図書館って、建物だけじゃない
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書物ができる以前・口誦の時代から新自由主義・デジタル化まで、図書館と社会そして人々の歴史を探訪する一冊。
読みながら図版が無限に欲しくなるけれど、そこは検索でカバーできるのもデジタル時代。的確な訳注…も吉。満喫しました。 続きを読む投稿日:2019.04.24
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資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界
佐々木実 / 講談社
新古典派経済学が見ない振りしてきたもの
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新自由主義に端的に体現された新古典派経済学では、自然・環境や文化は無限に享受できるという暗黙の前提があり、例えば公害を経済活動へ繰り込めない裏返しに過小評価することに繋がる。
その新古典派の手法に「…社会的共通資本」の概念を組み入れて理論化しようとする途上で倒れた宇沢氏の生き様を通して、現代経済学の潮流が知れたのが良かった。 続きを読む投稿日:2019.11.11
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雪が白いとき、かつそのときに限り
陸 秋槎, 稲村 文吾 / ハヤカワ・ミステリ
日本の新本格ミステリに影響を受けたという
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学園もののミステリィ。序盤のいじめの描写で引いたが、そこを越えてからの小ネタ・中ネタをはさみつつ何重かに巡らせる物語構成と展開や語り口が面白かった。登場人物が重なる新作も出ているそうなので、邦訳された…ら読みたい。 続きを読む
投稿日:2019.11.20
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語りかける身体 看護ケアの現象学
西村ユミ / 講談社学術文庫
評論的・概説的な現象学本とは一線を画した1冊
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植物状態患者と関わる看護師には、何らかの意思疎通が取れたと感じられることがあるが、それを計測できる反応で示すことは定義にも反して困難だ。
本書では看護師が感じている何ものかを、自身も看護師である著者…が関わりつつ言葉を紡いでいく。
前半では、看取りを含む看護実践の生々しい描写に心揺さぶられた。看護師自身、とても辛いのだということも伝わってきた。
そこから、メルロ・ポンティが示した現象学に基づいて、患者さんと看護師との間にあるものを何も捨象せず読み取り尽くそうとする迫力に感動を覚えた。
素晴らしい読後感に感謝。 続きを読む投稿日:2019.11.30