oisomomijiさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1)
竜田一人 / モーニング
現代史の必修本です
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淡々と描かれているのは、日本のどこにでもありそうな労働者の風景。
力のあるものが上にいて、何重にも上前をはねられ、最低限の賃金しか得られない。
目の前の作業に追われ、理想の未来など考えられない。そんな…日常でささやかな幸せを見いだし生きている。
日本全国どこにでもある労働者の生活。
それがメルトダウンした原発の現場にもあることを、この本は教えてくれる。
主義や善悪を出さず、現実を提示する作者の姿勢は、ジャーナリストの一つの方法論としてはありなのかもしれないが、表現者としては?????
これでは、すき○のバイト体験記や、マン喫暮らしで日雇い生活記、といったものと変わらない。それでも、他には無い現場の貴重なルポとして、無視できない現代史の資料として必読の本ではある。 続きを読む投稿日:2014.11.21
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剣嵐の大地(下)
ジョージ・R・R・マーティン, 岡部宏之 / ハヤカワ文庫SF
陰謀、裏切り、死!死!死!
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数えきれない裏切りと陰謀、数えきれない死。
どの死がもっとも哀しいのか?
どの裏切りがもっとも卑劣なのか?
「ヴァラー・モルグリス」前作『王狼たちの戦旗』でアリアが受け取った言葉が、様々な場所で囁か…れるようになった。
“人はみな、いつか死なねばならぬ”
これがこのシリーズの裏テーマなのだろうか?
そして、本作では、いくつかの謎が解き明かされる。
キングスレイヤーの真実。ティリオンの結婚の結婚の真実。
中でも、物語の発端となったジョン・アリンの死の真相は本当に驚きだ。
それにしても死が多すぎる。この世界では、誰一人幸せになれないのか?
「ヴァラー・モルグリス」
続きを読む投稿日:2015.11.21
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山賊ダイアリー(1)
岡本健太郎 / イブニング
なんでも食べる
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こんなにも自分に正直に生きられる主人公(作者?)に脱帽。
穫ったら食べる。当たり前のことなのだが、なかなかやり遂げられることではない。
作中の猟師仲間なんか、「鹿はいいや」なんて言っちゃっているし。
…でもこの人、カラスや XXXX や OOO まで食べてしまうのだから。
捕りたい = 食べたい
本当に脱帽です。 続きを読む投稿日:2014.08.06
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3月のライオン 1巻
羽海野チカ / ヤングアニマル
まぶしい
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羽海野さんの描く人物は、なんでこんなに血肉を持ち、魂を持っているのだろう。
一人で生きようと、頑な主人公、それを包む3姉妹の愛情。
生きるのに正直でわがままな棋士の面々。
そんな棋士たちが、盤上で魂を…削って戦う姿。
全員がまぶしく「生」を感じる。
自分の生き方を考えさせられる作品です。
続きを読む投稿日:2014.08.06
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大奥 14巻
よしながふみ / メロディ
お万の方再来
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頭脳明晰、眉目秀麗、前巻の最後に大奥総取締瀧山が「お万の方の再来」と思わず呟いた登場だった徳川胤篤。キャラだけではなく、家定との関係も、家光・有功を思いだす「魂のラブストーリー!」
泣けます。投稿日:2017.04.02
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ナナとカオル 1巻
甘詰留太 / ヤングアニマル
SMの教科書デス
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この作品を読むとSMが究極の愛の形だということが伝わります。
Mの人間の相手に対する全面の信頼と委ね。Sの人間の相手への理解と思いやり。その二つがあって、初めてSMが成立するのだと。
一般誌連載な…らではの抑えた表現で、裸は出さず、性行為(一般的な)もない展開が、却ってエロさ100倍!!!の作品となっています。
幼なじみで恋人未満の二人が、SMをキーワードに手探りで進む姿は、ボーイミーツガールとしてもサイコーです。今後、二人の関係がどこまで行くのか!? 続きを読む投稿日:2015.03.04