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oisomomijiさんのレビュー
いいね!された数75
  • わたしを離さないで Never Let Me Go

    わたしを離さないで Never Let Me Go

    カズオ・イシグロ,土屋政雄

    ハヤカワepi文庫

    極上のS F作品

    宇宙人は出てこない。タイムマシンも出てこない。 これもSF。いや、これこそSF!と思わせてくれる傑作です。 何の変哲も無い町でごく普通の人達の物語。 ほんの少しの違和感が、少しずつ膨らんで世界が裏返って行く。静かな恐怖と戦慄が味わえます。

    1
    投稿日: 2017.10.05
  • BLUE GIANT SUPREME(2)

    BLUE GIANT SUPREME(2)

    石塚真一

    ビッグコミック

    新章スタート

    1巻から始まった海外編だが、この巻でやっとスタートを切れた気がする。 1巻2巻では今ひとつ画面から音が聴こえなかったが、2巻後半の2曲はばっちり! 最後は号泣!

    0
    投稿日: 2017.08.20
  • 熱海の宇宙人

    熱海の宇宙人

    原百合子

    ビームコミックス

    SF x 短編 = ?

    短編集というよりは、ショートショートという表現がぴったりの センスオブワンダーが詰まった作品集。 星新一など、初めてSFに触れた頃を思い出します。 それにしても、ビームコミックは、新しい感覚の作品/作者に 出会える率が大きい気がします。 これからも注目!!

    0
    投稿日: 2017.06.11
  • 大奥 14巻

    大奥 14巻

    よしながふみ

    メロディ

    お万の方再来

    頭脳明晰、眉目秀麗、前巻の最後に大奥総取締瀧山が「お万の方の再来」と思わず呟いた登場だった徳川胤篤。キャラだけではなく、家定との関係も、家光・有功を思いだす「魂のラブストーリー!」 泣けます。

    2
    投稿日: 2017.04.02
  • ナナとカオル 18巻

    ナナとカオル 18巻

    甘詰留太

    ヤングアニマル

    一緒にXXるぞ

    Boy meets Girlのエロエロストーリーがやっと完結を見ました。二人が相思相愛なのはずっと判りきっていて、「きっとハッピーエンドなんだろうな」と思っていたけど、この巻では今まで以上の大きな障害が入ります。 ナナが他の人に縛られ責められます。「Mだったら誰でもいいの?」「嫌よ嫌よも好きの内、本当は気持ち良いんでしょ?」にどう答えらてるのか? そしてカオルの「一緒にXXるぞ」という言葉。テンパったシチュエーションで言葉通りの意味で使われているのだけど、後々のナナのアンサーが、深い意味をもった言葉として、SMをする人間が納得できる結びの言葉となっています。

    0
    投稿日: 2016.12.27
  • ナナとカオル 15巻

    ナナとカオル 15巻

    甘詰留太

    ヤングアニマル

    他人のSEXを笑うな!

    この巻ではSM趣味の男性が、彼女に打ち明けられずにうまくSEX出来ず悩む姿がサブストーリーとして展開されます。 うまく行かないのは「SM」だから「変態的行為」だからではありません。SEXのやり方に雑誌に載っているような正解なんてありません。百組のカップルがいれば百通りのSEXがあります。このカップルはカオルとナナに(それぞれ別々に)相談して自分たちの正解を見つけていきます。 カオルとナナはいつ正解を見つけるのか? (いつでも目の前にあるのだけど……)

    0
    投稿日: 2016.12.27
  • BLUE GIANT(9)

    BLUE GIANT(9)

    石塚真一

    ビッグコミック

    「安心してください!聴こえます!」

    この巻の前半はほとんど演奏シーンです。67話は1話まるまるセリフがありません。 でも「安心してください。」「聴こえます!」 魂のこもったソロが、ジャズが、画面から大きく鳴り響きます。すばらしい演奏に圧倒されます。

    3
    投稿日: 2016.12.23
  • はてなデパート

    はてなデパート

    谷和野

    月刊flowers

    材料:愛、やさしさ  スパイス:不思議

     その昔、デパートは未知な体験に溢れたわくわくする場所だった。  そんな頃のデパートを舞台にしたハートウォームストーリ。それぞれ一話完結のショートストーリーですが、読んでいくと一本の糸が紡がれて、最後には、一冊を通した物語として完結します。どの話しも優しい愛に溢れていて、日常で汚れた心が洗い流されます。特に2話の子どもの話と、エンディングとなる7話にはほろりと泣かされました。

    0
    投稿日: 2016.08.30
  • 逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選

    逆行の夏──ジョン・ヴァーリイ傑作選

    ジョン ヴァーリイ,浅倉 久志

    ハヤカワ文庫SF

    世界と繋がるのに目も耳も必要ない!?

    良質なショートストーリーはSFの醍醐味のひとつだ。 過去のヴァーリイの短編集をよりすぐって再編したこの短編集はSFならではのセンスオブワンダーに溢れている。  「バービーはなぜ殺される」と「PRESS ENTER■」で描かれているテクノロジーへの恐怖は、30年も前に書かれたとは思えない。時代が追いついた現在進行形の恐怖がそこにある。 ブラットベリを彷彿させる「逆行の夏」のきらきら感、「ブルー・シャンパン」の切ないラブストーリーも味わい深い。  しかし、この短編集の白眉は「残像」だ。 3重苦(目、耳、声)の人たちのコミュニティに入り込んだ主人公が見た(いや、目や耳ではなく「感じた」)世界とは!?そこはユートピアなのだろうか? ネビュラ/ヒューゴ/ローカスの3冠に輝いたこの作品は、読む人の世界観/常識を180°変えてしまう。まさに「センスオブワンダー」な作品だ。

    0
    投稿日: 2016.08.20
  • 毒見師イレーナ

    毒見師イレーナ

    マリア・V・スナイダー,渡辺由佳里

    ハーパーBOOKS

    「獣の奏者」が好きな人にオススメ

     主人公が死刑を逃れるために選択したのは、いつ毒殺されるかわからない食事の毒見役。逃亡防止に毒を飲まされ、解毒剤を飲み続けなければない。絶望的な状況で主人公はどう生きていくのか?  ここまで八方塞がりの設定もなかなか無いのでは?その設定が絶妙です。出だしがあまりに暗いので、ちょっと重いかな?と思ったのですが、テンポも良く進み、どんどん話しに惹きこまれました。残酷なシチュエーションも多々でてくるのですが、描写が踏み込みすぎないので、ライトノベル的に楽しめました。  重い過去を背負った少女が少しづつ能力を発揮していく様は、「獣の奏者」のエリンにも似ていて、「獣の奏者」が好きだった人にオススメです。

    0
    投稿日: 2016.05.12