
新装版 君について行こう(上) 女房は宇宙をめざす
向井万起男
講談社+α文庫
宇宙兄弟の元ネタ
この本が宇宙兄弟の元ネタになっているというのは有名な話ですが、それを抜きにしてもDr.向井のエッセイはおもしろい。 日本人男性として亭主関白を装うべきか、はたまた心のままに愛妻家として振る舞うべきか葛藤する様が可愛い! 宇宙飛行に関するトリビアが満載なところも、読んでお得感いっぱいです。
0投稿日: 2013.09.27
鎮火報 Fire's Out
日明恩
双葉文庫
消防士さん達に感謝の言葉を。
「9時5時で終われる内勤になりたい」と言いつつも、仕事に全力な主人公、引きこもりの美中年、ツンデレな消防エリートとか、個性的キャラがわらわら出てきて、皆それぞれにかっこいい! 中盤以降の雄大のセリフ「仕事だから当然だなんて思うな」「俺たちの命はそんな安いもんじゃねぇ」これを読むと消防車・救急車に道を譲ろうって素直に思えます。
2投稿日: 2013.09.26
館島
東川篤哉
創元推理文庫
孤島の館モノ!
不思議な館のある孤島で嵐に見舞われた! このシチュエーションはミステリの王道ですが、この著者にかかると深刻な状況のハズが、なぜだか笑いにつながってしまいます。 ややネタバレですが、館そのものの事実を知った時の驚きと言ったらΓスゲー!」の一言です。
0投稿日: 2013.09.26
黄金の王 白銀の王
沢村凜
角川文庫
復讐の連鎖を止める勇気
敵対する二つの氏族の頭領同士が青年時代から子や孫、その後の世代に至る長い期間共闘し、国を統一していく様を描いた骨太の作品。 トップが「これからは敵対者とも手を組む」と言ったって、周囲は納得できないものです。復讐の連鎖による度重なる戦で荒廃した国土を復興させるには争いを止める必要がありますが、頭領自身も「相手を滅ぼさねば自身が滅ぶのでは」と葛藤していきます。 復讐の連鎖を止める勇気を持った二人の青年王の物語です。 周りを欺きながら手を組むのは辛いだろうに、そこを乗り越えての統一までの長い道程を思うと泣けてきます。 小野不由美さんの十二国記シリーズを彷彿とさせる作品で、もっといろんな人に読んで欲しい一冊です。
5投稿日: 2013.09.26
チョコレートコスモス
恩田陸
角川文庫
これはガラかめだ!
一言で言うと、これは活字版『ガラスの仮面』です。 主人公二人を脳内キャストで実写化、もしくは美内センセイの絵を想像しながら読んでみましょう。 結構はまります。
1投稿日: 2013.09.25
ドーン
平野啓一郎
講談社文庫
自分ってどんな人間だっけ?
新書の『私とは何か 「個人」から「分人」へ』のメインテーマを物語の中で理解できる一冊。 人は多かれ少なかれ、他人に相対する時は建前と本音というだけの意味合いではなく、相手との関わり方にふさわしい自分を演出するもの。 しかし、長期間の宇宙飛行から帰還し、英雄として祭り上げられた主人公が「自分とはどういう人間なのか?」が次第に判らなくなっていく過程は、コミュニケーションがいかに大事で、かつ難しいかを 考えさせられる。3,11を経験した今読むと結構意味深です。 しかし、ストーリー展開は早いのでわりとサクサク読めます。
2投稿日: 2013.09.25
折れた竜骨 上
米澤穂信
東京創元社
ハイファンタジー×本格ミステリ
魔法や異種族キャラがわらわら出てくる異世界ハイファンタジー(指輪物語とかハリーポッターみたいな感じ)のくせに、犯人探しやトリックの見破り方は重箱の隅をつつくように論理的。しかも解決の手がかりは全て揃っていて、自分でも解決できるようにフェアなつくりになっています。 特に、関係者全員を集めての探偵による解決編のくだりは「これこそ本格ミステリ!」っていう感じ。 魔法使いの弟子や依頼人のヒロインの成長物語としても読める、盛りだくさんな内容です。
9投稿日: 2013.09.25
パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から
似鳥鶏
幻冬舎
ケーキ美味そうっっ
巻き込まれタイプの兄と、ケーキだけ作っていたい推理力抜群の弟。そこに暴走気味の女性警察官を組み合わせたら、ハナシはどんどん転がっていく‥。 主要登場人物たちのポンポン飛び交うセリフを追っていくだけでも面白いけど、出てくるケーキやフードメニューがどれも美味そう!! 近所にこんな喫茶店がほしいな。
4投稿日: 2013.09.24
ブラックアウト
コニー・ウィリス,大森望
新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
ジェットコースター的小説
紙の本を書店で見たときは「分厚いな‥」と感じたものですが、登場人物達の行動に「おいおい、なんでそこでそっちに行くんだ?」とか、「あぁ、惜しいな‥」みたいにツッコミを入れずに居られないジェットコースター的な展開の連続で、あっという間に読了しました。 長丁場になるけど、続編の「オール・クリア1・2」まで一気に読み進めるのがオススメです。 ※同じ著者・訳者のコンビの本(タイトル忘れたけど)の解説で「アメリカの宮部みゆき」みたいに書かれてました。宮部さん好きなら要注目!
2投稿日: 2013.09.24
