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sabachthani?さんのレビュー
いいね!された数515
  • 蜜柑

    蜜柑

    芥川龍之介

    青空文庫

    蜜柑色の鮮やかさ

    梶井基次郎の「檸檬」は以前に読んでいたのですが、芥川龍之介が「蜜柑」という作品を書いていた事を伊坂幸太郎「マリアビートル」で知り、読んでみました。 短い作品ですが、ラストで放られる蜜柑の鮮やかさが印象に残ります。 檸檬も蜜柑もいい存在感だなぁ♪

    1
    投稿日: 2013.10.14
  • 航路(上)

    航路(上)

    コニー・ウィリス,大森望

    ハヤカワ文庫SF

    すれ違いの果てに‥

    臨死体験というと、スピリチュアル系の胡散臭い話を想像してしまうかもしれませんが、この作品の主人公達は基本的にΓ臨死体験者の心身に何が起きているのか」を科学的に解明しようとする立場です。一方でやはり胡散臭い人物もいて逃げ回ったり、逆に探し回ったりと、いろんな所ですれ違いばかりが起こります。 下巻で起こるある事件の後、残された同僚・友人達が方々探し回ってラストで見つけた希望を知ると、「よくぞ!」と思わずにはいられません。 なお、登場人物が多い割にどのキャラも個性的で、こいつ誰?となることなくサクサク読めると思います。

    1
    投稿日: 2013.10.13
  • キャットフード

    キャットフード

    森川智喜

    講談社文庫

    注文の多い料理店、現代Ver.

    人肉を缶詰にして売ろうとする化け猫グループと、知らずにノコノコと罠にはまりに行こうとする人間達。そして人間達を救おうと奮闘する化け猫ウィリーの三者三様の駆け引きがおもしろい! バカバカしいシチュエーションなんだけど、化け猫達のルールを頭に入れつつ、どうやったら生き残れるかを探るのがなかなかに難しい。 それにしても、途中参加の探偵・三途川のキャラがヘンで楽しい! 笑えるミステリが読みたい時に。

    1
    投稿日: 2013.10.11
  • 算法少女

    算法少女

    遠藤寛子,箕田源二郎

    ちくま学芸文庫

    『天地明察』で和算に興味をもったら

    和算(日本独自の数学)に夢中になって「算法少女」という和算書を書いた女の子・あきの物語です。 40年近く前に書かれた本とあって、文体が古かったり説教くさいところはありますが、数学がわかること・問題が解けることの楽しさを伝えてくれる一冊です。小中学生ぐらいのときにこの本に出会ってたらもっと算数・数学を好きになってたのかなぁと思わせられます。 『天地明察』の頃より時代が下りますが、和算そのものに興味をもったらこちらの本がオススメです。

    6
    投稿日: 2013.10.10
  • メグル

    メグル

    乾ルカ

    東京創元社

    奇跡が起こるアルバイト

    無表情な大学学生部の女性事務員ユウキさんからバイトを斡旋された5人の学生達の顛末。 ユウキさんは学生達にΓあなたは行くべきよ、断らないでね。」と半ば強制的にバイト話を押し付けるのですが、その結果が各学生達の事情を知ってるとしか思えないほどの奇跡が起こるのです。 唯一、Γ後悔しないでね」と告げられた学生のエピソードも目が離せない展開でジワッと怖くなる話。それはそれでオススメです。

    1
    投稿日: 2013.10.04
  • ゴーストハント(12)

    ゴーストハント(12)

    小野不由美,いなだ詩穂

    なかよし

    コミカライズ成功作

    私自身は原作をリアルタイムで読んでおらず、つい先年リライトされるまでこのシリーズの存在を知りませんでしたが、イラストに惹かれてコミカライズ版も手を出して見ました。 原作のエピソードの中でこれだけは外せないっていう部分が厳選されていて、話の緩急も程よくついています。これはコミカライズとして大成功作だと思います!

    2
    投稿日: 2013.10.03
  • 秘帖・源氏物語 翁-OKINA

    秘帖・源氏物語 翁-OKINA

    夢枕獏

    角川文庫

    光源氏の相棒はあの外法道士

    陰陽師シリーズで安倍晴明の宿敵として登場するあの蘆屋道満が、このハナシでは主人公・光源氏君のパートナーとなって出てきます。 これだけでもちょっと驚きなのですが、意外と格好いい活躍をしており、陰陽師シリーズを読んだ後だと目線が変わっておもしろいかも。

    1
    投稿日: 2013.10.03
  • 銀河英雄伝説2 野望篇

    銀河英雄伝説2 野望篇

    田中芳樹

    らいとすたっふ文庫

    序章にしてクライマックス

    銀英伝1巻 黎明篇を読んで、この巻を読まないという選択肢はまずないと思いますが、全10巻の始まりにして最高潮がここにあります。 これ以降の全ての巻に、この「野望篇」が通奏低音として関わってきます。これを読んだら最後までイッキ読みは必至!

    11
    投稿日: 2013.10.03
  • 理由あって冬に出る

    理由あって冬に出る

    似鳥鶏

    創元推理文庫

    冬なのに怪談話?

    某市立高校の文化部部室棟には幽霊が出るらしい。 ウワサの真偽を確める為、人のいい美術部員・葉山くんが駆り出される事に‥。 学園ミステリとして定番のストーリー展開ですが、出てくるキャラたちが個性的なうえ、所々でクスリと笑える小ネタや脚注がたくさんあって楽しく読めます。 でも、物語の最後の出来事は実際にあったらトラウマになりそう。主人公・葉山くんの事件男と呼ばれる日々がここから始まる‥。 「にわか高校生探偵団」シリーズ一冊目。シリーズのどの作品もタイトルに「?」と思うのですが、読んでいくと「!」に変わります。

    2
    投稿日: 2013.10.01
  • 青いバラ

    青いバラ

    最相葉月

    新潮社

    不可能への挑戦

    サントリーから出されるようにはなりましたが、やはり青いバラは高級品であり、そこらの花屋で見られるモノではないですね。 Γ青いバラ」=Γ不可能」へ飽くなき挑戦をした人びとの話です。今では単行本で出された頃とは技術も進化し、状況も異なるのでしょうが、沢山の方が関わって今につながっていると思うと頭が下がります。 ΓプロジェクトX」という感じの一冊です。

    0
    投稿日: 2013.09.30