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竹桜さんのレビュー
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  • 信長協奏曲(3)

    信長協奏曲(3)

    石井あゆみ

    ゲッサン

    教科書だと簡単…というかスッポカされている部分のお話

    小栗旬君主演でドラマと映画化されている信長協奏曲の原作本です。 信長(ことサブロー)が、桶狭間で今川義元の首を討ち取り、美濃を奪取した後に、明智光秀…となった本物の織田信長と出会うまでになります。 奇しくもこの三巻を読む前に第二巻のレビューにも書いたのですが、兵農分離政策などや地域産業の振興策など信長がそれまでの他の戦国大名と違うところがいくつか描かれます。 あまり知られていませんが史実では信長が美濃を攻略するまで道三死後で11年(桶狭間から7年)もかかっています。 つまり48年の人生の中の戦場に出ていたおよそ30年間のうちの1/3以上を費やしています。 面白いのはマンガの中でも信長になったサブロー自身が「教科書だと簡単に書いてあるなぁ」と言っているところ。 歴史の御勉強ではサラッと年表的に覚えるのですが人の人生はそんな何もなくて生きているワケはないのです。 この三巻になると、かつてのいい加減に生きていたサブローが、凛々しく天下取りを目指す織田信長に成長しています。 何と言ってもマンガのハナシですがタイムスリップして10年以上経っているのです。 立場が人を成長させるとも言います。 そういう部分をしっかりと描かれているのがまた面白かったりします。 タイムスリップした現代の高校生が信長になり替わったというストーリーと聞いて(昔ならSF歴史ストーリー)今ならドタバタ・マンガかと思いましたが、意外と歴史の整合性があり秀作です。 タイムスリップというポイントを除けば意外とリアルな織田家のお話なのかもしれません。なかなかの傑作だと思います。

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    投稿日: 2016.01.26
  • 信長協奏曲(2)

    信長協奏曲(2)

    石井あゆみ

    ゲッサン

    結構、リアルな歴史群像の秀作だと思います。

    小栗旬君主演でドラマと映画化されている信長協奏曲の原作本です。 信長(ことサブロー)が、帰蝶の父のマムシこと斉藤道三と会見をするところから、桶狭間に挑む瞬間までになります。 タイムスリップした現代の高校生が信長になり替わったというストーリーと聞いて(昔ならSF歴史ストーリー)今ならドタバタ・マンガかと思いましたが、意外と歴史の整合性があり秀作です。 大河ドラマなどで戦国武将はオッサンか、もしくはお爺さんたちが演じていますが、実際にはもっと若いのです。 例えば実際に信長が斉藤道三と会った時、信長は18歳(ちなみに老人が演じる道三でさえ59歳)なのです。 更にもっと書けば、2巻の話になりますが桶狭間で今川を討ち取ったのは信長が25.6歳なのです。 この時期、戦国時代の人たちが皆が皆で毎日毎日戦に明け暮れて目を血走らせて戦っていたわけではありません。 武士が現代人が思っている畑仕事とかしない武士になったのは江戸時代に入ってからで、戦国時代に武士とか農民の区別などなく、普段は農耕をしながら地域を守ったり、農閑期に親方(お館)様にお金で雇われて戦っていただけでした。 皆がそうだから戦は農閑期しかせず、だから籠城してもしばらく持ちこたえれば農繁期になれば兵は地元に戻って戦は成立しなくなるのです。 ところがそんな戦模様を変えたのが信長で、農閑期だけでなく一年中戦が出来る侍たち(マンガの中でも描かれている犬千代=前田利家や、佐々など)を集めて戦を仕掛けたのです。 江戸時代の士農工商の感覚だと農民は武士に逆らえず逆らえば撫で斬りされたという間違った歴史観になるのですが、実際は第一巻に出てくる信行に逆らった農民たちのように立場は上とか下とかでなく同じで、逆に支持が無ければ兵士も集まらず戦自体が出来ないなど何もできないのが実際でした。 劇中の巻末に桶狭間に向かう信長を領民たちが松明で道中の明かりとするシーンがありますが実際にもそうであったらしく、さらには兵糧の応援もあったそうです。 江戸時代の講談本などの間違った歴史の刷り込みで信長と言えば「大うつけ(=大馬鹿者)」と言われ、またブラック企業の暴力上司みたいに思われていますが、それだけであれば部下はマンガで描かれているように造反を画策したでしょうし、ましてや領民たちは領内から逃げ出したことでしょうし、ましてや死ぬかもしれない戦場につき従がったり、協力したりもしません。 タイムスリップというポイントを除けば意外とリアルな織田家のお話なのかもしれません。なかなかの傑作だと思います。

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    投稿日: 2016.01.25
  • 信長協奏曲(1)

    信長協奏曲(1)

    石井あゆみ

    ゲッサン

    間違った歴史観よりも、リアルな信長像かもしれません。

    小栗旬君主演でドラマと映画化されている信長協奏曲の原作本です。 タイムスリップした現代の高校生が信長になり替わったというストーリーと聞いて(昔ならSF歴史ストーリー)今ならドタバタ・マンガかと思いましたが、意外と歴史の整合性がある。 (上から目線で原作者を小馬鹿にしている訳ではありませんよ) でも江戸時代の講談本とその流れのままの現代の時代劇では、その武将が先々に大成したり活躍したりしたのが前提になっていて、大成したり活躍した武将だから青年期から周囲から一目置かれて好かれていて活躍ばかりしていた姿で描かれますが、実際なんてそんなことはありません。 現代で会社経営で成功した人たちでも、周囲から奇異な目で見られ、仲間と思っていた友人たちからは時に裏切られたりして凹み、そして目先の欲望に任せて行動したりして時に失敗して、時に迷っていろいろあって成功している今があるのです。 そして、大河ドラマなどで戦国武将はオッサンか、もしくはお爺さんたちが演じていますが、実際にはもっと若いのです。 例えば実際に信長が斉藤道三と会った時、信長は18歳(ちなみに老人が演じる道三でさえ59歳)なのです。 更にもっと書けば、2巻の話になりますが桶狭間で今川を討ち取ったのは信長が25.6歳なのです。 つまり思い悩み将来も見えず聞いたら「考えてるよ」と言いながらも実はたいした知恵も無く何も考えていない年齢であり、時に見えない自分の将来に思い悩む年頃なのです。 主人公の信長(になってしまったサブロー)もこのマンガに描かれている(以上の)若造なのです。 のちに秀吉になる”サル”だって信長に仕えてから出世したのですが、元は今川に雇われていたことも事実で、マンガの中の間者だったという可能性だって全くの出鱈目でもありません。 また、戦国時代の人たちが皆が皆で毎日毎日戦に明け暮れて目を血走らせて戦っていたわけではありません。 武士が現代人が思っている畑仕事とかしない武士になったのは江戸時代に入ってからで、戦国時代に武士とか農民の区別などなく、普段は農耕をしながら地域を守ったり、農閑期に親方(お館)様にお金で雇われて戦っていただけでした。 皆がそうだから戦は農閑期しかせず、だから籠城してもしばらく持ちこたえれば農繁期になれば兵は地元に戻って戦は成立しなくなるのです。 ところがそんな戦模様を変えたのが信長で、農閑期だけでなく一年中戦が出来る侍たち(マンガの中でも描かれている犬千代=前田利家や、佐々など)を集めて戦を仕掛けたのです。 江戸時代の士農工商の感覚だと農民は武士に逆らえず逆らえば撫で斬りされたという間違った歴史観になるのですが、実際はマンガに出てくる信行に逆らった農民たちのように立場は上とか下とかでなく同じで、逆に支持が無ければ兵士も集まらず戦自体が出来ないなど何もできないのが実際でした。 タイムスリップというポイントを除けば意外とリアルな織田家のお話なのかもしれません。なかなかの傑作だと思います。

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    投稿日: 2016.01.25
  • 花嫁は夜ごと義弟に注がれる★SP 1巻

    さとうまゆみ

    花嫁は夜ごと義弟に注がれる★SP 1巻

    さとうまゆみ

    恋愛ポップ

    NTR(寝取られ)好き&抗いながらも感じる女性好きな人+ツンデレの二股恋愛話です。

    NTR(寝取られ)好き&抗いながらも感じる女性好きな人+ツンデレの二股恋愛話です。 幼いころに決められ恋い焦がれて成長して嫁いだ旧家の長男が、実は次男で、長男に嫁ぐという約定だったので恋い焦がれていた相手ではなく想定外の長男になったツンデレ相手と結婚することになり動揺するも、さらには旧家で代々行われている、長男の嫁の第一子は長男以外の精子で妊娠しないといけないという仕来りに沿って、はからずも恋い焦がれた元長男の(あーヤヤコシイ)次男と契りを何度も結ぶことになるも、実はその次男は性格が悪く、その逆にツンデレ長男に少しずつ魅かれるが、仕来りに沿って次男に精子を注がれ続ける…という、うーん…カテゴリーが<恋愛コミック>となっていますが(まぁ一応は18禁扱いですが…)女性コミックというよりもエロ・マンガです。 男性コミックのエロ・マンガだったらもっと液体まみれ表現のドロドロ・マンガなのでしょうけど、そこは女性誌ですから(笑)でも、十分にエロいですけどね。

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    投稿日: 2016.01.25
  • ケモノ男子と優等生女子~秘密の調教~ 1巻

    渡辺くらこ

    ケモノ男子と優等生女子~秘密の調教~ 1巻

    渡辺くらこ

    恋愛ポップ

    2つの楽しみ方が出来る…かも(?)

    主人公の友里は、放課後に恋い焦がれるクラスメートの机でオナニーするのが隠れた楽しみ。 ところが、そこを好きな相手の親友(を装っている男子生徒)に見られてしまう。 弱みを握られてしまい、 「黙っていてくれたら何でもする」 と言ってしまってからその男子生徒は回を重ねるたびに要求はエスカレートしていく。 友里は拒否しながらも肉体の気持ち良さにズルズルと応じてしまう。 というストーリーなのですが…これて、ただのセクハラ・モノと言うか、(たぶんストーリーとして結果的にハッピーエンドなのだろうけど)ただの男子生徒の性欲の捌け口となってるだけ。 現実社会じゃあ、要求がエスカレートして画像をネットに上げられたり、拒否したらストーカー化したり、下手したら犯罪事件の序章みたいなお話。 こういうツンデレを越えた話の楽しみ方として、ただエロ話として楽しむだけじゃなく、もしかしたら友里が後々で悲劇的結末になってしまうという想定でホラーの序章だと思って読めば別の楽しみ方ができます。 少なくとも私はそう思えて少し怖かったです(というか引きました←笑) Wでお楽しみ(?)下さい。

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    投稿日: 2016.01.25
  • NHKその時歴史が動いた デジタルコミック版 5 三国志編

    NHKその時歴史が動いた デジタルコミック版 5 三国志編

    NHK,小川おさむ

    ヤングジャンプコミックスDIGITAL

    総論正しく各論(詳細)は史実ではないのですけど楽しんだもの勝ちでしょう

    こういう三国志モノってどこまでが史実なのか怪しいものです。 戦いとか、その勢力圏の栄枯盛衰は史実なのでしょうけど、細かい登場人物の逸話なんかはほぼ100%近くは講談本の作り話が基本です。 それを史実として語り継がれているだけです。 まぁ結局、語り継がれるほど面白いお話ってことでもあるんで、その楽しみだけ乗っかって歴史を知ったつもりになれるのでしたら小難しい教科書よりはマンガの方が楽しいと思いますので読んで楽しんだもの勝ちなんですよね。 楽しんで物知り顔になれます。

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    投稿日: 2015.12.21
  • NHKその時歴史が動いた デジタルコミック版 1 信長・秀吉・家康編

    NHKその時歴史が動いた デジタルコミック版 1 信長・秀吉・家康編

    NHK,田辺節雄,谷口敬,小川おさむ,ながいのりあき,狩那匠,あや秀夫

    ヤングジャンプコミックスDIGITAL

    気軽に漫画で歴史を知りましょう

    歴史って後年訂正される年表を覚えるだけではツマラナイですよね。 日本の歴史でも100年の説明を数ページで説明できるはずがなく、歴史的事件の羅列だけではどうしてそういった歴史になったのか理由が分からないので理解できなくて苦手にしている人がほとんどだと思います。 そんな教科書でツマらなく御勉強するよりも、こうしたマンガで大よそのストーリーで楽しんだ方が結果的に歴史を知ることができると思います。 この「その時、歴史が動いた」シリーズは、どこのシーンがその後の歴史の転換点や分岐路になったかという視点を中心にそれまでとその後の流れを知ることができますので頭に入り易いと思います。 織田信長は後々画期的な発想と方策で覇権を広げ現世の閻魔と恐れられるのですが、その前には地方の暴走族の不良青年ですし、秀吉もかっぷくも良くない小柄で愛想だけは良いお調子者ですし、家康に至っては体格も中肉中背で根暗で陰険なお坊ちゃんで現代ならクラスの恰好な標的になるイジメられっ子のオタク君です。 いわば現代でも決してエリートではない人たちがどうして何を切っ掛けに他を引き離す活躍をするようになったかが知ることができます。 ただし読む前の注意点があります。 まずお勉強の教科書の年数と同じかそれ以上に、描かれているシーンや、表現内容が史実とは思わないこと。 描かれているシーンはドラマティックに描かれているだけですので歴史の流れとしてだいたいこんな話という程度として楽しみましょう。 その注意点だけ分かっていれば気軽に歴史が楽しめますのでお勧め致します。

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    投稿日: 2015.12.21
  • NHKその時歴史が動いた デジタルコミック版 3 新選組・龍馬編

    NHKその時歴史が動いた デジタルコミック版 3 新選組・龍馬編

    NHK,谷口敬,沖圭一郎,池原しげと,宮前めぐる,天野タマキ,柳リカ

    ヤングジャンプコミックスDIGITAL

    マンガで気軽に歴史のお勉強

    歴史って後年訂正される教科書でツマらなく御勉強するよりも、こうしたマンガで大よそのストーリーで楽しんだ方が知ることができると思います。 この「その時、歴史が動いた」シリーズは、どこのシーンがその後の歴史の転換点や分岐路になったかという視点を中心にそれまでとその後を知ることができます。 読む前の注意点として、まずお勉強の教科書の年数と同じかそれ以上に、描かれているシーンや、表現内容が史実とは思わないこと。 NHKその時歴史が動いた デジタルコミック版 2 幕末編よりは、真実味のある内容となっていますが、それでも描かれているシーンはドラマティックに描かれているだけですので歴史の流れとしてだいたいこんな話という程度として楽しみましょう。 そして最後に、歴史の登場人物に正しい人なんていません。 正しいとされるのは後付であり、例えばこの本の清河八郎もどういう理由だとしても人を自己都合で殺した殺人犯です。 徳川幕府が100%間違っているとも、明治新政府が100%正しいとも限りません。 反乱とか反政府運動とは言われない後付けで「維新」と名付けられた革命がおこり成功したからこそ、ただの人殺しが叙勲されたり神社で祭神としてまつられただけです。 もちろんマンガなどではカッコ良く描かれる新撰組にしてもただの人殺し集団に過ぎません。 その注意点だけ分かっていれば気軽に歴史が楽しめますのでお勧め致します。

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    投稿日: 2015.12.21
  • NHKその時歴史が動いた デジタルコミック版 2 幕末編

    NHKその時歴史が動いた デジタルコミック版 2 幕末編

    NHK,村上としや,狩那匠,井上大助,本山一城,帯ひろ志

    ヤングジャンプコミックスDIGITAL

    堅苦しくなく幕末の歴史が楽しめます。

    こういう歴史マンガって面白いですよね。 特にその人が活躍した展開だと読んでいても気が重くなりませんのでスイスイと読めます。 何年何月に誰がどうしたという(後年になって年数が変わってしまう)歴史のお勉強と違って、大まかにでも歴史と言う時間経過の流れが分かるのでマンガと言って軽んじるのではなく歴史の勉強のアプローチとしては良いことだと思います。 読む人に注意点が2つ。 激動の時代を駆け抜けた若者たち――龍馬、新選組、高杉晋作、そして大久保、陸奥らの新時代に果たした役割とは? とありますが、土方歳三がメインのストーリーと、高杉晋作がメインのストーリーの2部構成です。 皆さん大好きな龍馬をはじめ、大久保も陸奥もこの本ではメインでは出てきませんので彼らが出てくるかと期待してはいけません。 もう1つ。それはお勉強の教科書の年数と同じかそれ以上に描かれているマンガが事実とは思わないこと。 だいたいこんな話、という程度として楽しみましょう。 (そもそも新選組の話は、生き残った永倉新八の手記をベースにしていますけど死人に口なしってヤツで、もしも隊士の仲間が生きていたら「がむしんさん、自分のことカッコ良く書き過ぎ」とツッコまれるかもしれません) 歴史のミスリードかもしれませんが、小難しく読む気も起きない本よりも良いと思いますのでちょっと知った気になっていたいという人は是非、ご一読を。

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    投稿日: 2015.12.19
  • るみちゃんの事象(1)

    るみちゃんの事象(1)

    原克玄

    ビッグスピリッツ

    正直なだけなのか…枠に収まらない子なのか…非常識なのか…

    ドラマの原作本…と言って良いのか… ともかく、ドラマ化されたのですがドラマよりもブッ飛んでいます。 (というかドラマ化出来ない過激な内容もあります) 常識から逸脱した主人公のるみちゃんのお話です。 腹を抱えて笑った後に、非常識というにはあまりのるみちゃんの逸脱振りにハラハラドキドキし、そして 「その逸脱振りに何か理由があるのかも!?」 と常識的なアプローチをしてしまったほどです。(ぉぃぉぃマンガだろ) ともかく凄いるみちゃん。 最初は、「凄い」という言葉を「素晴らしい」と勘違いしている子がこのマンガを読んで、非常識さを真似る子がいたら…とドキドキしましたが、外しの予想も超える逸脱振りに安心したとくらいです。 命懸けのるみちゃん。 彼女が死なずに話が続いて何作も出ているのが不思議なくらい。 …と、最後まで常識内でしか考えられないツマラナイ自分でも楽しめました。 ナンセンスを楽しめない人にはお勧めできませんが、その"外し"で驚きたい人にはお勧めの、るみちゃんです。 (★5でもイイんだけど女の子の親として心配になった常識人の自分にも反省し★4つで) 自分的には保健室の先生がるみちゃんよりもウケました。

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    投稿日: 2015.12.19