竹桜さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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僕だけがいない街(1)
三部けい / ヤングエース
アニメ化に続いて映画化にもなっている話題のマンガ
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3年連続で「この漫画がすごい!」と大変好評を博して現在放送中のアニメ化に続き、先日より藤原竜也くんと有村架純さんとの共演にて実写版の映画化もされている作品の原作的な本です。
まだマンガは最終巻が発刊前…で完結はしていないようですが…すみません。私はすぐに犯人が分かってしまいました。
(別に自慢しているのではなく、私のようなものでも実際にすぐに分かってしまったので推理マニアの人がそれを期待して読んでしまうと凹まれるのではと思って書きました)
推理マニアとかは好きそうな本作ですが(もちろん当方もその一人なのですが)実際の犯罪だと全くの無関係な人が犯人であったり、計画性というよりも偶然が重なってより難解になってしまったという事件もあると思います。
昨今の現実の事件や、犯人逮捕後のその後の裁判での内容を伺っていると、こういう推理モノって所詮はその枠の中の限定された人の中に犯人がいることが前提になっているので現実と比べると分かり易いですね。
(ただし、作者が立案時の最初から犯人を特定せずに、ぶっちゃけ適当&唐突に犯人として逮捕させる展開なのにもかかわらず推理サスペンス小説では長年ベストセラーになってドラマ化されてシリーズ化にもなっている内田康夫氏の作品もありますから「推理モノ」なんて読者は実際は求めてはいないかもしれませんけどね)
まぁ、意味深な怪しさばかりがてんこ盛りなのに視聴率が良いとズルズルと延長されて駄作化して結局、犯人なんてどうでもよい状態になり最終回もいい加減で終わってしまうアメリカのドラマよりも良いかもしれませんけどね~
設定を多少アレンジしていますが基本パターンとしては筒井康隆先生の「時をかける少女」と同じですね。
時空を超えて過去の殺人事件の犯人を追うお話です。
まぁ犯人が私ごときが分かったからと言ってイマイチなんていう漫画でもありません。
むしろ順当=犯人として不合理なところが無いからこそ当てたまでですので、そういう意味では作品としては読んだ後になって落胆されたり、疑問ばかりで消化不良になることも無い佳作だと思います。 続きを読む投稿日:2016.03.12
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だがしかし(1)
コトヤマ / 少年サンデー
お口の幼友達の専門店とそれをこよなく愛する人たちのお話。
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「雑草と言う草はない」
とさる高貴な御方の名言がありますが、駄菓子と言われ蔑まれたジャンルながら子供の頃には一度は食べたことがありそれを買ってもらうために親に媚びへつらった経験が誰にでもある日本の隠れ…た銘菓。
大人になればあまり買わなくなり1つで駄菓子が大人買いできるやれどこそこのスィーツに指向が向く者もいますが、中には幼少期に親の躾の方針などで買い与えられず、行列店の限定スィーツよりも憧れの対象にすらなっ…る人はまずいないだろうが、それでもいわゆる奥地の恋人ではなく竹馬の友として幼馴染ともいえる存在。
それが駄菓子。
そしてそれだけを売っている(そしてどのお店もなぜかジャングルみたいな)専門店=それが駄菓子屋です。
(そういえばどこの駄菓子屋も総じてやたら店内いたるところの上からも商品がジャングルの雑草みたいな陳列してある…あ、ドンキって行くと落ち着くのは駄菓子屋のイメージなのかも…)
前置きが長くなったが、そんな駄菓子を専門とする専門店が駄菓子屋で、本作品は(さらに、どーでもよいことですがお気づきの通り前から読んでも後ろから読んでも同じ「しかだだがし」こと)シカダ駄菓子を経営している8代目の父と、マンガ家を夢見て後を継ぐことを拒んでいる息子のいる辺境の地=田舎の駄菓子屋にやたら駄菓子愛の美少女が来店して巻き起こす騒動が大まかなお話。
後を継ぐことを否定しながらも、息子がやたら駄菓子および駄菓子屋の現状把握が長けている9代目(本人否定)の息子と、やたら駄菓子愛の美少女と、息子の幼馴染の兄妹などと、8代目の父が騒動を起こしながらも実に楽しそうで私は好きです。
正直、この作者の描く女の子の目って苦手なんだけど…ストーリーと内容が面白いので読んじゃっています。 続きを読む投稿日:2016.02.12
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ルームメイト(下)
武富健治, 今邑彩(中央公論社) / ビッグスピリッツ
”ルームメイト”に侵食されるか…
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犯人は誰か、いよいよ完結の最終巻です。
もうここにたどり着いたら読むしかないでしょう。
ネタバレになるので詳細は書けませんが題名の解釈についてのみ書かせて頂きますと、「ルームメイト」とは、麗子と名乗っ…ていたルームメイトのことだけではありません。
2巻まで読んだ方にはお分かりだと思いますが、自分の脳内にいる別人格と肉体をシェアしていることを指しています。
怖いですよね。
(ちなみに実写版の映画とは違うオチです)
あなた自身にも、または身近な人にも、存在しているかもしれません…御注意下さい。 続きを読む投稿日:2016.02.17
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ルームメイト(2)
武富健治, 今邑彩(中央公論社) / ビッグスピリッツ
二重ではなく多重人格者たちのお話です。
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あなたは自分自身が二重人格者ではないと言い切れますか?!
二重どころか多重人格者ではないと言い切れますか?!
そして、あなたの身近な人たちがそういった人たちではないと言い切れますか?!
自分だってそう…ですし、人はそれなりに辛い思いもして成長していると思います。
世界的には認定されているのですから存在するのでしょう。
しかしもちろん辛い思いをしているからと言って目の前で見せ付けられたり、実感しない限りはそうそう信じられない(実際に私も懐疑的です)
それでも自問自答はしたことはありますし、辛過ぎる経験をすると別の人生(人格)も考えたりもしたことは否定しません。
二重人格者がかならず犯罪を犯すわけではないと思いますが、そんな自分がもしも二重とか多重人格者で、もちろん別人格の犯す犯罪に自覚も無くて巻き込まれたら…
想像するだけで、この作品は寒気を覚えました。
さて、この第二巻は第一巻で最初に麗子と名乗ってなんと三重生活いた女が殺されているところから始まります。
もう読んでいて最初から「どういうこと??」の、?ばかりです…
最終巻まで一気にどうぞ。読まずに夜は越せません… 続きを読む投稿日:2016.02.17
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ドラえもん(1)
藤子・F・不二雄 / 月刊コロコロコミック
問題!この第一作目で最初に登場する近未来のお助け装置とは?!
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ドラえもんの第一巻です。
日本全国民知らない人を探す方が難しい未来から来たお助けグッズを取り出す四次元ポケットを持ったネコ型ロボットのお話。
日本語が使えるPCなら文字変換でも「ドラ衛門」とは出ずに、…一発で「ドラえもん」と出ます。
他にも、スネ夫からジャイアンジャイ子、出木杉まで一発で誤変換せずに出ました。
(ちなみに所有の海外製スマホでは、ジャイ子や出木杉はダメでした)
のっけから蛇足だか照れ隠しである。
もう懐かし過ぎて途中から…いや第一話の前後不覚に陥ったのび太を慰める子供の未来を信じるパパさんママさんのシーンから涙がジワジワ出てしまった。もちろん数ページめくった段階で笑って読んでいましたが…。
この第一巻はもう本当にいったい何度読んだことだろう。
ボロボロになっても読んでいましたが読み飽きたことは一度も無かったです。
それでもいつしか本箱の奥に入ったままになり…今では、子供が読んでいます。
さて、題名の問題の答えですが、正解は…「ドラえもん」です。
書き方が嫌らしかったから気付く人は多かったかな?!
四次元ポケットから最初に出てくる未来のグッズはタケコプタ―ですが、未来の機械はドラえもんです。
ドラえもんってマンガ内でも野比家でも家族の一員の扱いですが、正式名称の通り=子守用ネコ型ロボット、つまりは機械(ロボット)です。
人型ロボットと言えば、他にも有名なものが3つあります。
御存知まずは、アトム。次に、ガンダム。そして、エヴァンゲリオン。
ドラえもんも入れてこの4つは実に面白い違いがあります。
まず一番歴史が古い、アトムは人型の人工知能と自我を持ったロボットで、自分の思考で動きます。
アトムの作品内ではロボットとは人間に従う機械の”物”=奴隷であるが、高度化したロボットたちがいつしか自我に目覚めて権利を主張し始め人間に反旗を翻します。
そんな暴徒化したロボットたちを本来仲間であるアトムは人間に命じられるまま退治=処分していき、作品内でも自分の立ち位置に悩みます。
アトムとは近未来の機械に自我と言う意志が出て来た時の人間の混乱を予見した警告書なのです。
次のドラえもんは最後として、次はガンダムです。
ガンダムは単純です。装置です。意志はありません。プログラムされた場合は自動では作動しますがそれだけであくまでも形状が人型以外に人間的な要素は皆無であり、現代の車やフォークリフトなどの作業装置や工作機械となんら変わらない実にアナログな存在です。
最後のエヴァンゲリオンは一見、人型のロボットですが実は(超簡単に言えばですが)人造生命体を制御装置の装甲で覆ったいわば半ロボットであり、基本的に制御されていれば操縦者が動かしますが、そうでない場合も自分の意思でも動きます。(ただし自我については…たぶん無いと思います…たぶん)
何が言いたいのかと言えば、つまりはドラえもん以外はあくまでも人間が作り出した機械であるということ。
もちろんドラえもんも最初の動機はそれで、御主人の命令でのび太を守れと指示されて働くのですが、物語少し進んだ時に、いったん任務が解除されたのちに再登場してから自分の意志でのび太を助ける存在なのです。
さらに注目すべきは同じ人型で意志と自我を持っているのに家族の一員とされていないアトムの比べると、ドラえもんはまるで家族同様に溶け込んでいるのです。
作品の物語が進んでいくとギャグ要素が減ってテーマ性がある様な展開にもなりますが、ドラえもんはといえぱロボットだからプログラムされているハズですが、徹底した完全な善なる存在でもなく、時に悩んで、時に勘違いし、場合によっては仕返しをするなど人間に必ずしも害なさない存在ではないのです。
(それは「ドラえもんが元々、不良品だったからだ」とドラえもんマニアからツッコミが入りそうですが)ドラえもんがのび太など人に害なす場合は、のび太や仲間を思っての行動だっりして、ともかく一貫して人のように行動します。
自分の幼少期にも、こんな(曖昧ながらも)時にアドバイスしてくれ寄り添ってくれ、そして助けてくれる存在がいてくれたらなぁと思ったりします。
そう思うとそのドラえもん的存在って時に親だったり兄弟だったりするのが、高度成長期で人同士の触れ合いが無くなり、学力偏重社会になったりと、そんな存在が身近にいなくなったのも、読者がドラえもんを求めた理由の一つなのかもしれませんね。
(それにしても作品中でも問題になっていますが、遊び場になる空き地って無くなったよなぁ~…) 続きを読む投稿日:2016.02.22
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不倫食堂 1
山口譲司 / グランドジャンプ
メインの後の妻みぐい
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食べるということはエロいんです。
かつてフロイトは「食事中は人は無防備になるので、デートでカップルが食事するというのはその後のセックスへのハードルを下げる効果がある」と言って…ませんが、誰だったかの高…名な人が行っていました(たぶん)
本作の主人公は、自身の高過ぎる食欲が満たされるとその欲求が性欲に動くタイプの様で、美味い食事でアドレナリンが分泌されると手近な美女とこと至るモードに入るようである。…とゴタクを述べた(つもりになっているだけ)ですが、たぶん作者と編集社員が企画段階で、
「今、売れる内容ってグルメとセックス。それも不倫モノじゃないの?」
と言った言葉の通りに描いた感じがします…が、正解だったようで、もともと魅力的な絵(特に女性)を描かれるタイプでしたので上手くはまっていると思います。
ただセックス相手が人妻である必要性があるのか?…と思ったりするが、だからこそ興奮材料になり、そしてこの題名になるのでしょうね。
妻帯者というか愛妻家としては有り難くないんですけどね~だから★1つマイナスです(笑) 続きを読む投稿日:2017.01.10