「昨日は彼女も恋してた」「明日も彼女は恋をする」の上下巻構成で綴られるタイムトラベル・青春ラブストーリーの、こちらは下巻です。タイトルが上下巻で違いますが、章番号は通しで打たれています。間違えないとは思いますが、念のため。 さて、上巻の最後で急展開を見せたストーリーですが、下巻の最初の方はあまりの変わりように「あれ？」と思ったまま読んでました。 読み進める内に謎は少しずつ解けていきますが、最後まで読んでも腑に落ちないところがあったので整理して考えてみると……え？そういうことっだったの？作者の叙述トリックに見事にしてやられました。 「大切な人を守りたい」という「僕」と「わたし」の物語は一応の結末を迎えますが、誰かを救うと誰かを救えないという非情なループに終わりは来るのでしょうか。

「昨日は彼女も恋してた」「明日も彼女は恋をする」の上下巻構成で綴られるタイムトラベル・青春ラブストーリーの上巻です。 過去にタイムリープした「僕」は、とある出来事のせいで不仲になってしまった「マチ」との関係をやり直せると思いつき、積極的に過去の人々に関わっていきます。そして『現在』に戻ると…？ 語り手が交互に入れ替わりながらお話が進んでいくのですが、この上巻はストレートな恋愛ものとして比較的スッと読めると思います。 最後に急展開がくるので、そのままの勢いで下巻も読んでください。「え？」ってなることでしょう。

木組みの家と石畳の街を舞台にした、ゆるふわな日常ものです。 3軒の喫茶店で働くメインの女の子5人は皆明確に個性があり、大変可愛らしい。背景もうるさすぎない程度にしっかり描き込まれており、作品の世界観をしっかり感じられます。 また、この手の作品にありがちなオチてるのかどうか分からないような起伏の無いストーリーではなく、しっかり起承転結があるのも素晴らしい。ボケとツッコミのバランスもいいし、シュールなギャグもあって普通に笑えます。 どうしても日常系は苦手、という方以外には全力でオススメです。

才色兼備の優等生・宮ヶ瀬ハナは幼い頃の行いにより呪われてしまい、緊張するとおもらしをしてしまう身体になってしまいます。 そんな彼女を唯一救えるのは、触れたものの尿意を鎮める能力を持つ(？)クラスメイトの徳山ソラ。 目立たないように生きることをモットーとする彼は人一倍目立つハナとは距離を置きたがりますが、尿意に襲われ困る彼女を見てさりげなく助ける紳士であり、そんな2人の一風変わったラブコメが描かれます。 作品のキーであるおもらしネタも下品な感じは無く、いいアクセントになっています。逆に刺激的なのを期待した方は肩すかしを食らうと思いますが…。

エロかわいいキャラクターたちが繰り広げる、アホな（褒め言葉）SFショートストーリー全11話。 それぞれのお話もユニークな設定で面白いのですが、1冊読むと全話を通して仕掛けられた予想の斜め上を行く企みが明らかになり、すごく納得させられます。こういう構成は正に作者の真骨頂。 随所にギャグもありますし、軽い気持ちで読んでみてください。きっと最後に「おおっ」って言います。

わんにゃん大好き大学生・ハルがふとしたきっかけで大学に隣接する児童養護施設で暮らす少女・アマリと出会い、キラキラしたものが大好きな彼女にその金髪を気に入られます。 そんな二人と個性的な施設の仲間たちが繰り広げる日常コメディですが、この巻では登場人物の紹介がメインで、ストーリーはそんなに進みません。男の子も多く出るし、今後はラブコメになっていくかも？ 『Aチャンネル』のように4コマではない為かキャラが良く動き、楽しく読めました。作者のファンは勿論、表紙の絵が気に入ったならオススメです。

元になった同人誌のイラストが非常に素晴らしかったので期待して読んでみましたが、漫画としての出来は正直イマイチでした。 3Dレンダリングで描かれた自転車や背景は美しく、人物との組み合わせも上手く出来ていますが、適度な省略が無いためにコマ内の情報が多すぎてうるさく感じてしまいます。 何より、カメラアングルが不自然だったり不必要な台詞がけっこうあったりでテンポが悪く、1巻使って殆どお話が進まないところが最大の難点。 ただ、キャラの表情の不安定さなんかは続刊では少しずつ改善されていきますし、3巻から描かれるレースのお話は中々熱くて面白いので、絵が気に入ったなら続けて読むことをオススメします。

主人公が入学した全寮制高校ミカグラ学園には文化部しかなく、部同士で行われる対抗戦の結果が学園生活にも影響してくる仕組みになっています。 生徒は何れかのクラブに所属しないと校則違反で強制退学になるため、とある部に仮入部した主人公が対抗戦に駆り出されるところまでが描かれています。 なかなかのハイテンションっぷりでテンポ良く読めますが、個人的には主人公のキャラクターが少し鬱陶しく感じてしまいました。気にならない方なら楽しめると思います。

見た目は絵に描いたような真面目女子である女子高生・早池峰和の趣味はエロ漫画。そして将来の夢はエロ漫画家になること。 本人としては真面目にエロに向き合っているのですが、その妄想力と行動力に振り回される幼馴染みの男子高校生・姫神倫吾とのやりとりが前半の見所です。 後半、キャラが増えてからは和の変態性よりも真面目さが前面に出るようになりますが、そのあたりが今後どのように描かれるか気になります。 18禁じゃない本で18禁の本がテーマという捻れた設定も素敵ですが、作者が好きなように描きまくっているこのフリーダムさが何より素敵です。

魔女のしきたりで15歳になると大人と認識され、独り立ちのために家を出る…定番の設定ですが、舞台は現代の日本。とはいえ、大きな事件が起こるわけでは無く、ゆったりした日常やってます。 「今の時代じゃ不安だから高校だけは出ときなさい」なんて台詞は現代っぽいですが、時々出てくる魔術や妙なキャラが非日常感を出すスパイスとして上手く混ざっていると思いました。 ハッキリ言って人物や背景の描き方、演出や作品の空気感まで含めて『よつばと！』ですが、リスペクトが感じられますし、何というか良い味が出ています。というか凄く好きです。 作者は新人さんだそうで、今後の伸びしろにも期待できる良作です。