わらぶるさんのレビュー
参考にされた数
388
このユーザーのレビュー
-
虚像の砦
真山仁 / 講談社文庫
宗教 お笑い 人質 役所 メディアの暗部に切り込む
6
真山先生らしい念入りな取材の上に構築された物語。現実に起こった事件を元ネタに、テレビ というメディアのあり方、行政の関わり等を鋭くえぐる秀作。ハゲタカやマグマは映像化されたけど、本作こそ自戒の念を込め…てテレビドラマ化してもらいたい。
ドラマにするなら今ですよー。 続きを読む投稿日:2016.09.15
-
ダ・ヴィンチ・コード(上中下合本版)
ダン・ブラウン, 越前敏弥 / 角川書店単行本
聖書は最古のベストセラー(フィクションジャンル)
6
劇場で見ちゃったので、印象が薄れてから読もうと思って今まで我慢してたけど、セットで買っちゃいました。
シオン修道会等、日頃目にしない団体が登場し、バチカンの位置付けがあやふやになっていくのはこのシリ…ーズ共通ですが、神の子では無い人間イエスキリストを描くのは、相当風当たりが強かっただろうと思います。「フィクションだからね。」ですむのかな。
インフェルノも映画化されて、シリーズ全体の人気もすごいんでしょうね。
アブラハムの宗教の ユダヤ教 キリスト教 イスラム教 それぞれがしっくりいかないのは何故か?そんな事を調べて見たくなるのがこのシリーズです。宗教が世に広まる時に、恣意的な改変がされているという本作の記述は、うなずけるものがあります。信じることは心の支えになるけれど、真実を知らずに盲信するのは危険な事でしょう。過去の真実を全て明らかにすることはできないけれど、たとえ部分的に解明されても、信仰の対象として色褪せることはないと思いますよ。だって、人類初のベストセラーなんだから。ヒトがカミの教えを説くために、カミに近づくためにどれほどの努力をしたのかということに、人々が動かされている気がします。決して誤ることなく、全てを許すカミがいたらと思うのは、ヒトのエゴでしょうか。 続きを読む投稿日:2016.10.10
-
エル・シオン
香月日輪 / 徳間文庫
ファンム・アレースを読んだ方も、これからの方も。
6
香月先生のファンタジー。ファンム・アレースの前日(はるか過去)譚になります。(たぶん)義賊がうっかり神霊の封印を・・・、そして世界を救う という壮大なお話し。ヒトがヒトの力で世界を救うことがいいんです…よ。カッコよくて、ちょっと間が抜けていて、熱い想いを秘めたキャラクターが香月先生らしくてとてもいいんです。やっぱりカミサマって奴は、基本傍観者でお願いしたい(アマテラスみたいに・・・)というのは、ヒトの思い上がりかな?両作を読むと、ああ、なるほど、という箇所がたくさんあって、読み直しの楽しみがふえるのです。
ところで、このみなさんのレビューが読めるってとってもいいですよね。読書って、作者の思いを受け取る行為だと思うんですけど、そこにどうしても読者の主観が介在するじゃないですか。でも、他の方のレビューを読むことで、あっ、こんな見方があったんだと気づかされることがたくさんあります。気に入った本は何度も読み直す方なので、みなさんのレビューが読書の一部になっているんです。みなさんありがとうございます。良いお年をお迎えください。
続きを読む投稿日:2016.12.23
-
亜人ちゃんは語りたい(1)
ペトス / ヤングマガジン サード
アニメ いい感じです
6
原作のニュアンスや想いを大事にアニメ化してくれてるようで、中二の娘と時に涙ぐみながら見てます。なんと言っても、原作が素晴らしい。キャラクターも可愛い。
デミも個性と扱ってあげることの本質 それぞれの個…性をお互いに尊重し合うことの大切さを改めて感じさせてくれる作品。遅ればせながら、改めて一巻の感想でした。 続きを読む投稿日:2017.02.17
-
水鏡推理4 アノマリー
松岡圭祐 / 講談社文庫
わだかまりが解けたかな
6
重苦しい設定からスタートして、複雑に絡み合った状況、事件は思わぬ方向へ。
こいつらだけは許せん!成敗!ってな登場人物がぞろぞろ.
こんな奴らいないと信じたいけど、もしかしたらと思わされるのがこのシリー…ズの怖いところ。
娘を持つ親として、改めて考えさせられました。
価値観は押し付けない。子は親の所有物じゃない。
子育てを通じて親が成長しないといけないなー。
親子で、より一層読書に励んで・・妻に叱られるかな。
やっぱり読書はやめられない。
次巻を楽しみに、おやすみなさい。
2回目読了。事件は無事解決。ずっと友達--のフォローは今後の続編でされると良いな。Qやαとは違い、職務の枠内での解決を求められる主人公だけに、活躍させるのが大変でしょうね。縦割り社会を横に繋いで行くモデルを示して、実社会が追いついてくれると○。期待してます。 続きを読む投稿日:2016.10.13
-
アトム ザ・ビギニング1(ヒーローズコミックス)
手塚治虫, ゆうきまさみ, カサハラテツロー, 手塚眞 / 月刊ヒーローズ
アニメ始まりましたね。
6
鉄腕アトムは頭の片隅に追いやって、「コンセプトワークス ゆうきまさみ」の表記にワクワクしながら読みました。もちろん5巻まで一気に。カサハラテツロー先生の作品は初めてですが、とてもいい雰囲気描けていると…思います。オリジナルアトムの時代には、SFの世界だけだったAIも、今やPCレベルである程度の実行(哲学ゾンビか?)ができる時代。A106&A107の先行きに不安を感じつつ、6巻を待っている状態。感情や欲求をプログラムして、知識は自ら獲得させる方が、AIとしての自我のようなものを獲得してくれそうな気もするけど、マイクロソフトの一件もあったし。PC操作しなくても、ネット接続できそうな気もするけど、そうすると絵的にどうかということか・・・。色々余計なことを考えて読んでいました。
今の時代にはまだ思いもよらない「その先」まで描いていただけることを期待しつつ、そうなるとついてこれない読者がでるかなーと思いながら、ガルちゃんやあーる君のような展開にも・・・
とにかく、楽しみかつ考えさせられる作品。攻殻のように、後世に引っかかりを残す作品に育っていくように見守りましょう。 続きを読む投稿日:2017.04.18