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  • スウェーデン館の謎

    スウェーデン館の謎

    有栖川有栖

    講談社文庫

    スウェーデン館の謎 読了!

    有栖川有栖による国名シリーズ第2弾。 福島でペンションを営んでいる夫婦のところに、アリスが取材旅行にやってくる。その隣に住んでいたのは童話作家とスウェーデン人の妻家族。スウェーデン風のログハウスは「スウェーデン館」と呼ばれていた。その屋敷には旧来からの友人が集っていたが、その夜、客の一人が何者かに殺される。 いわゆる雪密室系ミステリで、被害者が離れに向かった時の足跡と第一発見者である童話作家が往復した足跡しかない現場でどうやって殺人事件が起きたのか? 主人公アリスとともにいろんな可能性を考えてはだめ出しをくらいながら最後まで読んで「そんな!!」と言わずにおれない結末が用意されている。キーとなる人物も意外なところに用意され、あらゆるところに緻密に配置された伏線が見事に収束していくさまはまさにパズラーの真骨頂といえよう。ただし、長編であるが故か、やや冗長に過ぎる感もなくはない。 それにしても、推理作家なのに発想が貧困なアリスのふがいなさとは対照的に、火村英生の頭の回転の速さはどうしたものか。この二人の掛け合いも毎度のごとく面白い。

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    投稿日: 2013.09.24