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ぶらんこ乗り(新潮文庫)
ぶらんこ乗り(新潮文庫)
いしいしんじ/新潮社
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総合評価

509件)
4.1
193
153
104
20
4
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    ◼️ いしいしんじ「ぶらんこ乗り」 不思議な天才、弟は今夜もブランコに乗り、動物の話を聞き、物語を紡ぐー。 いしいしんじは先日初めて「トリツカレ男」を読み、児童文学での奇想に惹かれ、えもいわれぬ文芸的な説得力を感じた。さて、今回はー。 姉のわたしは小学4年生。1年生のあのこ=弟がいて、画家の母、額縁を造る父、元女優で子どもにも厳しい祖母と暮らしている。他界した祖父は高名な画家で母のところには画壇関係の出入りがひっきりなしにある。 ある日弟は雹が喉に当たったのが元で普通の声が出せなくなり、筆談するようになる。近所にいた毛が半分抜けた犬を拾ってきて「指の音」と名付けたあのこは、家の木の上に設置されたブランコで夜を過ごし、動物の話を聞いて、物語を綴るー。 仲が良く、どこか浮世離れしたような父母がいて、おばあちゃんの過去も意外、指の音は伝言板となり笑、学校は海外のようなスキップ制度があり、あのこはスキップを勧められている。雪の多い土地柄で祖父から異種の才能を受け継いだか、あのこもどこか、なにか、別の世界を見ている感じだ。 そんな設定の中で、ひらがなで書かれた弟の物語たちが切ない魅力を放つ。素朴で、動物の行動が意外に的を射ていたりして、半分落語のようなオチがついているものもある。読者はやがて、そのナラティブを待つようになる。 昭和のような懐かしい、でも少しの異世界感が醸し出される中、大きな現実、試練がふりかかる。喪失、あのこもまた・・ 行く先も不思議、このまま終わる物語だろう。しかし続編を、読みたくなる。なんとか姉を救いたいなんて思ったり。 このまま終わるのか、続きを書いて再会させたい、と思うのは、角田光代「八日目の蝉」以来かも。悲しさの中にもコメディタッチがあるような、こぢんまりした作品を読み終わり、寂しさと切なさと、人間の情の温度に触れたような気がした。

    1
    投稿日: 2025.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ずっと気になってたいしいしんじ。 バスと飛行機の中で読み切った。 言葉じゃうまく言い表せないけど、どこか懐かしい優しい雰囲気を纏ったお話。 日本じゃない国の話たぶんきっと。 天才だった弟。 ブランコに乗るのが得意な弟。 指を鳴らすのが得意な弟。 声を失った私の弟。 天使みたいな弟。 どこか孤独だった弟。 動物と話せる弟。 素敵な話を書く弟。 そんな弟と、お母さん、お父さん、おばあちゃん、犬の「指の音」の話。 読む前から悲しい結末は分かってるんだけど、でもなんだかハッピーエンドな気がした。

    5
    投稿日: 2025.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【不穏の中の光】 読んでて何度か泣いてしまった。 うーん、感想が上手く出てこない。。 気の強いおばあちゃんの、ふとした拍子の本音は感情が揺さぶられる。飛行機事故が起きた時の言葉は格言だと思う。弱いものを割れ物扱いしても強くなれない。思い出にすがるのではなくできるだけ死について考える。色んな過去があるからこそ言えた言葉なんだなと。 純粋でイタズラ好きな弟君の境遇。 特に部屋の中にゴミ箱が置かれているシーンは、もう見てられないほど辛かった。 賢くてもまだ小さい子なのは間違いなくて、その子の心を悪気のない環境が追い詰めていく。。 ウィンクする弟くんを抱きしめたくて仕方ない。 最初の1枚だけあの子が書いた。 お姉ちゃんのコップを重しに絵葉書を裏返していたのは、どうしても読んで欲しかったのだろうか。悲しみに耐えきれないお姉ちゃんをこっちの世界に戻すために、自分も悲しみを背負ってるのに。 語り手がお姉ちゃんなので、心情がありありと伝わってくる。 けど。そうだ。のシーン。この書き方は忘れることがないと思う。感情の切り替わりはこうやって表現できるんだってことを知った。 あと、郵便局の人が足りないものがあったら言ってくれよおつかいでもなんでもしてやるからさと、早口で言ってくるりと帰っていく のは、人間味がとても良いなあと感じた。 やっぱりローリングは衝撃的だった。 作中に何回も出てくる度にゾクッとした。 本を読まれた方はいしいしんじさんのインタビューもぜひ読んで欲しい。鳥肌です。

    0
    投稿日: 2025.03.29
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    どのジャンルに当てはまる小説なのか見当がつかない。そんなお話にすっかり魅了されてしまった。新聞の人生相談を拝読してから気になり手に取った、初めてのいしいしんじ著書。主人公の賢い弟を、本当に「かしこい」と感じるのは、大好きな姉や家族、飼い犬や動物たちの気持ちを敏感に感じ取ることができるから。弟のかわいい「つくり話」の合間に、背中を押してくれる言葉たちが待っている。

    0
    投稿日: 2025.03.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    リーガルリリーのぶらんこのルーツらしい 言葉が柔らかくてとても優しい また読み返すと思う 「おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、ほかでもない、すてきなこととおもうんだよ」

    1
    投稿日: 2024.11.04
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    いしいさんの、肌触りの柔らかなタオルケットをかけて昼寝して、目が覚めたらもう夕方になっていた時の心地よさと寂しさみたいなものが漂う文章が好きです。なにかの傷が癒されるような気がしたり、かさぶたを剥がされるような気がしたり、不思議な感触のお話でした。

    1
    投稿日: 2024.11.02
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    えらく久しぶりに再読。前に読んだのは小学生のときだ。弟である自分が、姉からもらって読んだ本。今になって、この本とそんな出会い方をしたことが特別なことに思えた。当時もえらく心に残り、内容もけっこう覚えていたが、それでもウルウルとくるものがあった。細かい表現までじっくり染み渡らせながら読みたい本。

    0
    投稿日: 2024.07.15
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    この本は、きっとだれかの大切な本になり続けていくんだろうな、生きることにくるしくなったり、悲しくなったりしたときのおまもりのような本だと思う。 何回か読んで噛み締めたいようなお話。

    0
    投稿日: 2024.07.01
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    言葉を話す代わりに、物語を 現実のような、空想のような、確かに存在していて、目には見えないもの 弟が本当に考えていたこと、私にもお姉ちゃんにもわからないけれど、大事なのはそこじゃない あたたかい

    0
    投稿日: 2024.04.03
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    小学生のときに見たのを思い出した。 ローリングのくだりが衝撃的すぎて覚えている。 ずっとしっとり悲しかった記憶。

    0
    投稿日: 2024.03.15
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    すきだ〜〜〜 リーガルリリーの『ぶらんこ』をより噛み締めたくて読んだのだけれど、焦燥とか体温とかすごくわかって、そうしてここに落ち着くのだなという回路がみえてうれしかった、とてもすき、理屈ではなくてこの本のなんかやわらかいところが感覚として、とても

    0
    投稿日: 2024.01.23
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    不思議な作品である。 幼い弟を主人公として、幼い姉の視点で描かれた、残酷な現実を生き抜くこどもたちの物語。 弟は、物語の序盤で、声を失う代わりに、声なき者の声を聞き、届かぬ声を届ける力を得る。出だしから否応なしに運命を背負うところは、もののけ姫のアシタカを連想した。 弟は声なき者たちの声を、ものがたりにしてノートに書き付けた。道尾秀介『ノエル』みたいに、そのものがたりがスパイスになり、姉目線の文体と相まって、この作品に不思議な空気感をまとわせている。 姉は何の能力もない、弟を助けることもできないしその余裕もないけれど、弟は姉がいるからこそ、その力でふたりを守っている。松本大洋『鉄コン筋クリート』みたいに。 弟の声は返ってこないのか。弟は、ふたりはこの後どうなっていくのか。ふたりに救いは来るのか。 説明はない。 説明したい作品ではないのだろう。 僕にとって、あなたにとって、 弟とは、声とは、そして、雹とは、何なのか。 そうやって、絵本『あおくんときいろちゃん』みたいに、読む本なのだろう。

    0
    投稿日: 2023.12.26
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    どうにも、家族兄弟の話には弱い。いしいしんじの書く弟たちは、揃ってどこか遠いところに行ってしまうなあ。

    0
    投稿日: 2023.10.09
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    動物と通じ合う弟と、その弟を誇りに思って尊敬してる姉。2人だけの世界、弟、姉それぞれの世界。姉は弟の考えを想像する。 最後に行くにつれて胸が締め付けられるような感じだった。

    0
    投稿日: 2023.07.25
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    ブランコに乗るのが得意な弟とその姉の物語。高校生の姉が,弟の残したノートを見ながら回想する。両親を失って死にそうな姉を,声を失った弟が偽の手紙で救うのが切なく暖かい。

    16
    投稿日: 2023.06.01
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    全体的な文章のリズムとか世界観が好みじゃなくて読んでてゾワゾワした。犬叩くのは可哀想だからやめてくれ… 感受しきれなかったけどおばあちゃんは良いキャラしてたし、事故の後に孫二人に伝えた厳しい言葉が心に残った。

    0
    投稿日: 2023.05.25
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    なんだかよくわからないが、ふとしたときにローリングなどを思い出してしまいそう。 弟のお話には、そういう不思議な説得力があって、夢と現実とはまた別の世界に連れてかれそうになる。 姉の、指の音に対する扱いとか、ふと口にしてしまった残酷な言葉になんだかキュッとする。ただ乱暴な人というわけではなくて、残酷になってしまう気持ちというのを表しているのかな。

    1
    投稿日: 2023.02.14
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    幼い時に読んで、感じたものが 忘れられないまま、本をなくしてしまったので もう一度購入して読み直した それぐらいお気に入り 星がいっぱいの夜みたいな、 早朝の霧にうもれた森みたいな、 黄色と水色とピンクが混じったみたいな、 指で触れると溶けて消えてしまう世界に 絶対に連れて行ってくれるから この本が大好き 凡人には天才がわからない 人は醜くても人であり、愛を持つことができる とかんじた

    0
    投稿日: 2023.02.14
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    何かを掴もう 作家の言いたいメッセージを。社会に対しての叫びを聞こうと その中で私と社会の向き合い方を知ろうとしていた いしいしんじの 書く言葉は、もっと根源的で優しくてなんだか ずっと昔に持っていたもののように感じた 答えがないことの面白さ 正解に当てはめようとする読書ばかりだったので 逆に正解が見えなくてとまどった けど、私自身の心の声もっと聞きたいな

    1
    投稿日: 2023.02.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

           -20090131 ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。声を失い、でも動物と話ができる、作り話の天才。もういない、わたしの弟‥。ミレニアム2000に誕生した物語作家の、奇跡的に愛おしい長編メルヘン。

    0
    投稿日: 2022.10.20
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    昔の思い出を弟の日記?お話をもとにたどっていく。 死ぬこと、死に対して向き合うことを示してくれます。 弟の話はひらがなが多く優しい印象を受けますが、幼い子供がこれを書いてる思うとなかなか恐ろしいです。 時間が経ってまた読み返したら、違う視点でこの作品を読める気がします。 折を見て読み返したい本です。

    0
    投稿日: 2022.04.12
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    ずっと、弟が死ぬのかと思ってた。 冒頭から姉の懺悔というか後悔が多かったから。 そんなことはなかったし、そんなに浅いことじゃなかった。 おばあちゃんの死から逃げるな、向き合いなさいはだいぶ応えたし象のローリングは未だに怖くて調べられてない。あやふやで不確かな世の中ででも時たま手を握れればいいじゃないかと、いしいしんじさんは誰かを励まそうとしてくれてたんかな。

    0
    投稿日: 2022.04.10
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    とても良かった。 全体的にふわふわとした独特な世界観で、浮遊感を感じる作品だった。平仮名が多く、一見児童書のような優しさがあるけれど、もっと覗いてみれば、切なくて哀しい孤独感が漂っている。 言葉にするのが難しい作品。そっと寄り添ってくれているような優しさと、ふっと遠くへ行ってしまうような怖さを同時に感じた。 「あっち側」と「こっち側」、弟が何度もそう表現することで、明確にその世界が分けられているように見えるが、私はそれにより、その世界の境界がどんどん曖昧になっていった。それは私にとって怖くもあり、温かくもあった。 弟は声を失い(実質的には)、しかし動物と話すことができる。その「動物と話す」というのも、動物たちが語りかけてくるのを根気よく待ち、動物から伝わってくる「ふるえ」からなんとか自分の言葉を探す。 「あっち側」でも「こっち側」でも完璧にその世界に統合できない弟が、ぶらんこに乗ってあっちにいったりこっちにいったりしながら必死に世界と繋がろうと、世界に自分を溶け込まそうとしているところが、見ていてとても痛々しく、愛おしい。 誰といてもいつも孤独で、世界を曖昧にいったりきたりしている弟は、本当は誰よりもこの世界の全てを丸ごと愛しているのだと思う。 読んでいくうちに、この物語、言葉のひとつひとつ、物語に出てくるもの、人、動物、全てに愛しさが溢れてくる。泣きそうになっても、それが愛しさからか、哀しさからか、切なさからか、あるいはそれら全てが混ざり合ってくるものなのか分からない。この何とも言えない感情を言葉にできないのがもどかしい。それでも、この本を読みながら感じた自分の感情の全てを大切にしたくなる。 この作品の良さを言葉で表現するのは非常に難しいと思う。いしいしんじさんの独特の世界観が滲み出ていて、まだあまり掴めていない部分も多いけれど、その掴みどころのなさもまた良い。 改めて、本っていいな〜と思える作品だった。

    1
    投稿日: 2022.03.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    でも大丈夫。大丈夫って私にはわかる。 だって、ぶらんこは行ってはもどりする。 はるかかなたへ消えたようでも、ちゃんとまっしぐらな軌道をえがき、ちょうどいい引力に従って、もといた場所にもどってくる。 それに、忘れちゃいけない。 弟は世界一のぶらんこ乗りだ。

    1
    投稿日: 2022.03.01
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    え、めちゃくちゃ良い小説…。全く知りませんでしたすみません…。 喪失、祝福、死者との対話…色々と考えるものがありました。 途中で挿入される物語も面白く一気に読ませる魅力があります。 カバーも素敵。 次は「プラネタリウムのふたご」「麦ふみクーツェ」を読もうと思います。 素敵な世界を体験させてもらいました。

    1
    投稿日: 2022.02.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    子どもらしい日記のように書かれた文章の隅々に散りばめられた言葉が、後半になって1つになっていき、最初から結末は決まっていたんだと気付かされる。けれどその過程の中でお母さんとお父さん、おばあちゃんと指の音、そして弟との幸せな時間は結末という一言では語れないものがあって、思い出はぶらんこのようにこっちのほうへ、ときにあっち側へとゆるやかに動く。前半は子どもらしい書き振りから、後半怒涛の展開に挫けそうにもなるけれど、全体を通して暖かく、優しい気持ちになれる作品。また読み返したいなあ。

    0
    投稿日: 2021.12.11
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    楽しい話かと思って読み始めたら悲しい話だった。 現実を受け止めるのはとても辛いので、前を向ける分主人公は偉い。そのように育てたご両親やおばあちゃんも偉い。 どうか弟が幸せになりますように。

    0
    投稿日: 2021.07.20
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    この本は、人と共に生きるということを優しく教えてくれました。 「わたしたちはずっと手をにぎってることはできませんのね」 「ぶらんこのりだからな」 「ずっとゆれているのがうんめいさ。けどどうだい、すこしだけでもこうして」 「おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、ほかでもない、すてきなこととおもうんだよ」 という会話が、とても印象的で感動しました。 家族も動物も自分を周りを取り巻く全てのものは皆ぶらんこ乗りで、皆1人でぶらんこに乗って生きている。お互い手をつなぐ瞬間もあるけれど、ずっとはつないでいられない。後ろにこいで相手の背中を見ることもあれば、自分が一歩前に出たり。 すれ違いながら会話したり笑いあったり。お互いの存在を感じながら、ずっと揺れ続けているんだなぁと感じました。 「本当のさよならはその人をちょうどいいところへぶら下げる」 揺れ動かなくなった相手がぶらんこに乗ったままぶら下がっているとしたら。すれ違うこともなく離れることもなくいつでも同じところで会えるいうことなんでしょうか。 そう思うと本当の別れも、もしかしたら怖くなくなるかもしれないと感じてしまいました。 愛するものと生きるということを考えさせられる一冊です。

    1
    投稿日: 2020.10.13
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    ひらがな多めで読み難いなぁ〜と思ったけど気付いたら慣れてた。ひらがなの文章が小学生の弟の可愛い感じが凄く伝わって来た。 絵ハガキの弟の優しさ、お姉ちゃんが本当に好きだったんだなー。 弟の動物の話は、だいぶ信じてしまってかなり衝撃を受けた。読みながら調べてしまうほど…。あーびっくりした。 弟はどこへ行っちゃったんだろう…。

    45
    投稿日: 2020.06.17
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    声を失った(正確には失ったわけではない)弟と、仲良しの姉の物語。動物の考えていることがわかり、それをもとに空想の物語を作る弟。姉が笑ってくれることが最大の幸せで自分を差し置いていろいろな行動に出る。なんということもない平坦な文章なのだが、なぜか不安と期待(のようなもの)を同時に感じる。タイトルのブランコというのはうまくつけたなあと思う。前に行ったり後ろに戻ったりしながら、最後は必ず元の場所に戻る。この不安定さと固定的な性質の両面が同居するのが、人間関係ということか。

    1
    投稿日: 2020.06.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こういう懐古する系のお話は本当に弱い。泣いた。弟が姉をつなぎとめるために絵葉書を書いてたんだね。世界一のぶらんこのりがこちら側にかえってきますように。

    4
    投稿日: 2020.05.17
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    いしいしんじさん、「トリツカレ男」と「プラネタリウムのふたご」以来久しぶりに読んだのです… あーもー、これは好きなやつだなあと最初の3ページくらいでわかる…。 小川洋子さんとも通じるんだよねえ。こう、静かな語りとどこか外国の童話のような世界。なんていうか、黒電話を使ってて、出窓のある洋館に住んでいて、肉屋で夕飯用の肉を買うような。 賢い弟とそれを見守る姉、両親、おばあちゃん、犬の家族。 母は画家、父は額縁職人。それぞれ個性的だけど愛し合って暮らしている家族。 いやほんとね、前も思ったけど、いしいさんの物語は繊細なだけにこう、薄氷の上に立ってるような危なっかしさが漂ってるというか、いつ大きな不幸が襲ってきてこの登場人物たちのささやかなしあわせが踏みにじられてしまうんだろう、みたいな怖さがずっとあるんだよな… だけど、あ〜〜〜後半のほう、そうだったのか〜〜〜って畳み掛けられてきてずっと泣く。 長い詩のようにうつくしい物語なんだけれども、小説としての伏線がいくつも張られてたって最後に気付いてにウワーーーッてなりました。 良かったー。良かったー。 ひやひやしたけどハッピーエンドで良かった…

    0
    投稿日: 2020.05.06
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    あまり好みの世界観では無かったかな。 ブランコ乗りを弟の人生に例えて、姉の立場から見守っているが、頭脳明晰・いたずらに・動物の意思が汲み取れる・様々な弟の個性が同一人物に思えなかった。だから最後まで物語に入りきれなかったのかな。

    0
    投稿日: 2019.09.22
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    動物がいっぱい出てきて不思議でゆるっと可愛くてユーモラスなのに、やんわり不穏な空気がずっと漂ってるお話。悲しいことは悲しくて、残酷なことは残酷で、全然シビア。それでも、出て来る登場人物と文章のタッチが優しくて愛しかった。あったかい余韻が残る終わり方。すごく好き。

    3
    投稿日: 2018.12.05
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    自己で声をうしない、動物たちのことばを理解することができるようになった弟と、彼ののこしたノートに記されているいくつもの物語をたどる姉をえがいた作品です。 著者はしばしば、「物語作家」ということばで紹介されることがあります。本書でも物語の美しさにひたる歓びを読者にあたえてくれますが、それだけではなく、いろいろな読みかたに開かれている小説です。 本作は、死んでしまった弟がのこしたノートを姉が受けとることからはじまります。そこに記されている物語は、弟が動物の語る声に耳を傾け、聞きとったものとされています。そして本書の終わりのほうでは、飛行機の事故に遭いもはやこの世にはいなくはずの両親からの手紙がとどけられます。これらのことから明瞭にうかがえるように、本作はメタ物語的なモティーフを含み込んでいる小説だといえるでしょう。 いうまでもなく、ミステリにおいてこうしたメタフィクショナルなモティーフは自覚的に追求されてきました。しかし、それらの試みは現在、袋小路に入り込んでしまっているのではないでしょうか。佐藤友哉までもが民俗学的な想像力に「物語」を開放する可能性を求めたのは、個人的にはこうした主題からの明らかな後退であるように思えます。 これに対して本作は、「他者」や「異界」からの呼びかけを聞きとることに物語の「起源」を求めようとしてはいないといえるでしょう。たしかにそれらの物語は、動物や死者、エクリチュールなどのかたちで姉のもとにとどけられているのですが、「他者」や「異界」へと遡行するわれわれの試みは、それらの物語が相互に嵌入しあうような作品世界のなかに巻き込まれていくことになります。

    1
    投稿日: 2018.10.27
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    動物好きでお話しを読むのが大好きだった子供のころの感覚がよみがえる。 「わたしたちはずっと手をにぎってることはできませんのね」 「ぶらんこのりだからな」 だんなさんはからだをしならせながらいった。 「ずっとゆれているのがうんめいさ。けどどうだい、すこしだけでもこうして」 と手をにぎり、またはなれながら 「おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、ほかでもない、すてきなこととおもうんだよ」 「本気のさよならはいなくなった人をちょうどいいところへぶら下げる。

    0
    投稿日: 2018.10.18
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    何故だか心に突き刺さる… 誰よりもぶらんこが上手だった弟、こちら側とあちら側を行ったり来たりしていた弟、誰よりも賢くて特別でお姉ちゃんが大好きで、ずっと孤独だった弟

    1
    投稿日: 2018.05.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    意外とハードなできごとが多い。 最初はちょっとイヤな気分になるところも… でも、ひとつひとつの表現が可愛らしくて好きだった。 ひらがな混じりの文が、句読点の使いかたが、丁寧に感じられて全体的にやさしい雰囲気だった。 さよならの理解の仕方、納得の仕方がいい。 自分なりの考えを見つけることは大切。自身の1番の救いになると思う。 本気のさよならはいなくなったひとをちょうどいいところへぶらさげる 弟の孤独は、ひとりになったことで癒されたのかな

    2
    投稿日: 2018.04.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    弟の書く文章が本当に独特。 小学校低学年という設定のため、ひらがなが多くうまい日本語ではないが 心温まる話や、怖さを感じる話になっている。 直接書かないのに弟が姉、父親が母親を、指の音が人間を大好きなこと が痛いほど伝わってくるのは上手い。

    1
    投稿日: 2017.11.30
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    おとうとのひらがなで書かれた日記を紐解いて語られていく家族の物語。ぶらんこはあとよとこの世を行き来して本当のことも本当じゃないこと飲み込む。雹や雪のように、別け隔てなく世界に振り注ぐものたちのように世界を包む優しさを、どうして幼かったおとうとは持つことができたんだろう。

    3
    投稿日: 2017.10.09
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    言いようのない優しさ。 寝てる子供のアタマを母親が愛しそうに撫でるような。 知らない間に寝ちゃった人に毛布をかけておいてあげるような。 その時は分からなかったけど、今は優しい空気に包まれてることが分かる。みたいな。 男性作家でこんなに優しいの初めて。

    0
    投稿日: 2017.07.10
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    たとえば、 俳優さんが、 「“演技が巧い”と言われているようではダメだ。なりきっていないという事だ。」 と言うとする。 ちょっと違うかもしれないけれど、 この小説には、大人の男が書いているという気配が感じられない。 素晴らしい。 ありがとうございます。

    0
    投稿日: 2017.06.18
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    象のローリングやコアラのユーカリ中毒は本当にあるのか 知りたいけどなんだかこわい。 人間と動物は一緒じゃない。ふかい。

    0
    投稿日: 2017.02.14
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    母に勧められて読んだ。優しい気持ちになる本。 動物の変わった行動についての知識がある人はちょっと面白さが減るかな。

    0
    投稿日: 2016.10.12
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    今年に入ってはじめて知った作者「いしいしんじ」。 名作『トリツカレ男』の次に読んだのは、作者第一長編である本作。 これまた実に良い物語。 「BOOK SHORTS」に彼へのインタビューが掲載されていた。 大変興味深いところがあったので、以下に抜粋。 ─『悪声』では、声というモチーフがありましたが、『ぶらんこ乗り』(新潮文庫)でも、“弟”が声を失いました。その二つに何か関係性はありますか。 ─二つを関係付けようという意識はありませんが、僕にとってすごく親しみやすいモチーフというのがいくつかあります。「声」もそうでしょうし、「犬」もそうですね。「音楽」というのもある。自分ではあまり意識していないので、指摘されるとああそうだったと気づくことがありますね。 ─そういうものなのですね。 ─僕は二、三年前から、色々な作家の処女作から絶筆までを順々に読んでいくという読書をしています。最初、ドストエフスキーでやってみたら結構面白かったので続けているんです。これには様々な効能があります。ドストエフスキーであれば、作品ごとに視線がどんどん上がってくる、ということがわかるんです。最初は地面の下あたりから色々なものを見ているんですよ。それが、『罪と罰』のあたりで何かフッと人間から抜けるんです。それで『カラマーゾフの兄弟』の最終3ページくらいというのは、すごいんですよ。時間も越えて飛び回っている。順々に読んでいくことで、そういうことにリアリティを持って読めるわけです。 ドストエフスキーかぁ。 恥ずかしながらまだ一冊も読んだことがない。 以前、村上春樹の作品を処女作から順々に読んでいったことがある。 ずいぶんと楽しかったのを思い出す。 そう言えば、いしいしんじと村上春樹はちょっと似ているような気がする。 現実感と虚構感が入り混じる作風とか、レコード収集が趣味のところとか、顔とか。 いしいしんじさんインタビュー【BOOK SHORTS】 http://bookshorts.jp/ishiishinji/

    1
    投稿日: 2016.09.29
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    高校生の姉の一人称で語られ、 小学生である弟のノートで回顧する、 という展開上、漢字がかなり開かれており 序盤はなかなか読みづらい。 中盤は根底に悲しさが満ちあふれ、 ページをめくるのが苦しい。 終盤まで孤独をずっと引きずっていくのだが、 最後は温かな終わりを予感させる。 良いところがたくさんある作品だったが、 あまりにも露骨なミスリード、 かつそれが後から読み返すと無理があるので 評価としては少し低めに設定した。 (ネタバレになるので書けないのがもどかしい) 悲劇のようでありながら喜劇、 喜劇のようでありながら悲劇、 どちらとも言える薄いヴェールを 文章にまとわせるのが得意な作家だ。 そういう感覚は、メルヘン作家として 大切な資質になると思う。

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    投稿日: 2016.06.25
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    久しぶりに幻想的な本を読んだ。イメージがふよふよと形を変える感覚。 空中ブランコのようにゆったりと、あちらとこちらを行来する。寂しい方と暖かな方とどちらも行き着くところで、今自分がどちらに近いのかわからなくなる。 ダメだうまいこと感想が書けないや。ブランコって寂しい乗り物だよね。てことは思った。

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    投稿日: 2016.05.14
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    いしいしんじの小説は難しい。一筋縄ではいかない。8年前にこの本を読んだ時は全く良さがわからなかったし、もう一度読みたいとも思わなかった。 しかし、この本を家の本棚で見つけ、以前読んだことを忘れてまた読んでみて、味わいのある本だと思えるようになっていた。本中に意味を見つけようとしてもだめだし、続きが読みたくてどうしようもないわけでもない。穏やかな幸せや高揚感があり、不安をかきたてる。優しそうで冷たい。裏と表。光と影。そういった物語。 全く意味付けができないわけではない。ぶらんこに例えた生き物の関係性、姉と弟、親と子供、人間と動物、空と地、あっちの世界こっちの世界、ぶらんこの危うさ、儚さなど、この小説にちりばめられていることは、読み手によって受ける意味や感情が変わってくる。 弟の書く物語は、本当に現実のものかそれとも空想のものか、時々読んでいる自分にもわからなくなる。実際に物の視点とは、人間の見たいものや固定観念だけで作られていると言う。私たちが見ているものが本当にその通りかは誰にもわからない。この小説を読んでいると、自分の視点が本当に正しいのか間違ってるのかが分からなくなってくるくらい、頭を揺さぶられる。まるでぶらんこに揺れられ、平均感覚をうしない上下左右もわからなくなるみたい。

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    投稿日: 2016.03.15
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    死や旅立ちにより、家族はばらばらになる。 そんな物語といって言えなくはないけれど、不思議なことにどこか澄んだ希望が感じられる。 それは「弟」の書いた、愛し合っているけれど、手をつなぐことができるのは二つの空中ぶらんこがゆきあった時だけ、という空中ぶらんこ乗りの夫婦の物語のせいかもしれない。 「弟」の書いた物語が、その外側の、登場人物たちのいる世界を緩やかに導いていく。 そんな小説の作り方もまた、興味深く感じられた。

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    投稿日: 2015.12.19
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    綺麗な小説です。 絵本のように平仮名が多く、表現も押さないのだけれども、どこか心に響きます。 言葉の選び方が秀逸です。 まっすぐ、直球で心に刺さってきます。 恐ろしく純粋な世界を表現します。 もう少し、話の筋がしっかりしていれば、なおのこと良かったです。

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    投稿日: 2015.11.04
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    切なくなった。ほっこりした。 あっちとこっちとぶらんこに乗ってゆらゆらする弟。姉である"わたし"が何とか弟をこっちにつないでる。 たくさんのふしぎなお話は弟があっちで得たもの。 ああ、何を書けばいいのやら。 わかるようでわからない。 読んだ後は頭がぶらんこのようにふらふらしてる。 ローリング、よくよく思うと結構怖いなあ。 像にとって鳩は遊び道具。同じ生き物と認識できない。でも、生き物に対して自分とは別物だと思う人は結構多い。

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    投稿日: 2015.10.28
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    ある人からオススメされて知った本。 カテゴリーをファンタジーにしたけど、これは夢と現実がゆらゆら行き来している感覚。さながらタイトルのぶらんこのように。 弟が紡ぎ出すおはなしはともすればかなりダークな物語ではあるものの、小さい子供の文体で書かれているからか、なんだか不思議な暖かみを感じる。 最後は誰しもが受け止めなければならない事が起こるけど、自分はその時どういうことを思うのか、考えてしまった。

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    投稿日: 2015.10.04
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    書店員さんがすすめる本に載ってた本をちらほら読み始めてるけど、 これは(文庫で出る前は)15年前の本か~ そのころわたし何やってたかな この本も題名も作者名も聞いたことなかった ほんと知らない本ばっかりで困る すごいいい本だった 泣けた泣けた おいおい泣けた(おいおいは泣いてないけど) 弟がすごくかわいかったしかわいそうだった わたしがお姉ちゃんだったら溺愛してそう(お母さんでも) 全部よかったけど(かなしいところも) 動物の話を聞けるのはいいけど、聞いたことを参考にお話を書いてるとして、 どうもマメ知識(かがくえほん)みたいな傾向が気になった(知ってるよ・・!) でもぺんぎんの話とかぞうのぶっとんだ話は知らなかった(あれほんと!???)ので もうちょっと大きくなったら甥っ子にしてあげよう あ、でも飼育員さんに怒られるかな この人のほかの本も読みたいな~~

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    投稿日: 2015.08.22
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    いしいしんじのふわっとしたリアルが好き。現実は、時として悲劇より悲惨だけれど、それでも時間は過ぎるわけで。

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    投稿日: 2015.07.11
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    優しくて切ない物語。 この人の書く物語はとても不思議。 読み終わってしばらくして、グッとくる場面も思い出したりする。 なぜか馬鹿に出来ない。

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    投稿日: 2015.06.29
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    いしいしんじの世界が、ぎゅっと詰められたお話。紡がれるひとつひとつの言葉を、何度でも読み返したくなる。 登場人物の名前はほとんど出てこず、「おねえちゃん」「あのこ」という、それぞれの立場からの呼び名が、人物像を読者に自由に想像させてくれる。各所にちりばめられた細かなストーリーが絡み合って本当に素敵。読み返せば読み返すほど、引き込まれていくスルメ本。 大人のための絵本、というような世界観でずっと大好きな本です!

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    投稿日: 2015.05.10
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    動物と話ができる、という部分でドクタードリトルを思い出した。 弟のその後がチラッと出てきてもよかったのではないかと感じた。行方不明にする必要はあったのかな……。

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    投稿日: 2015.04.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

     なんとも言えない気持ちになる複雑なお話でした。  主人公は女の子。  女の子には弟がいて、その弟はとても賢くて。  子供なのに、最初から字が読めて、お姉ちゃんに対して物語を作って読んで聞かせられる……というだけの才能の持ち主。  けれど、最初から彼に何かがあったことが暗示されていて、終わりへの物語りなにおいしかしない……。  個人的に「子供がかわいそう」な小説はとても好きじゃなくて。  そもそも設定からして、この弟はこんなアンバランスで生まれてきて幸せなんだろうか? と思わされる話で。  正直、最初は「胸が痛い」という感想しかなくて、字の大きさと本の厚みの割には私にしては読むのに時間がかかりました。  やっぱり終わりは悲しくて。  解説の人が「この話は面白い!」みたいなテンションで話すんだけど、どうにもこうにもそんなテンションの話じゃないだろう! という話でした。  この作家さんの他の話を読んでないのでなんともいえないですが、個人的にはやっぱり最後まで読んでも「胸が痛い」以外の感想が出てこない話でした。  悲しい。余りにも割り切れない。  神様はいったい「弟」にどれだけの試練を与えれば気が済むのか……辛かったです。

    0
    投稿日: 2015.04.18
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    いしいしんじ『ぶらんこ乗り』を読んで 空と地を ゆきゝふるわす ぶらんこの 音つかみ聴く おはなし作者

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    投稿日: 2015.03.31
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    10年くらい前、いしいしんじさんの本が苦手で読めなくて、こないたクーツェを読んでみたらおもしろく読めて、もうだいじょうぶなんだとぶらんこ乗りを読んでみたらぜんぜん読めなかった。ずっとつらい。

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    投稿日: 2015.03.08
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    不思議な、そしてちょっと切ないけど優しい物語。 いつか自分の家に図書館を作ったらそこに置いておきたい本。 かっこいいおばあちゃんだけど本当に可愛そう。「飲もう、すべて忘れてしまおう」なんてかっこいい台詞。 手紙も愛が溢れてる。 でも、本当に弟の声どうしちゃったんだろう。ね?

    1
    投稿日: 2015.02.08
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     思っていたよりも少しだけ残酷で、 思っていたよりも少しだけ悲しい物語だった。 あのこの強さと優しさが伝わってくる。

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    投稿日: 2014.12.28
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    とても可愛らしい物語。 兄弟の絆を感じて優しい気持ちになれる。 天才として生まれたが故の孤独感はなかなか理解が難しかったが、それを除けば弟はちゃんと「男の子」だったように思う。 それにしても弟の声はどうしてしまったのか謎だった。

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    投稿日: 2014.11.30
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    平仮名で綴られる弟の物語と、動物と話せるようになった事故からローリングなどまでの経路、死について。どれもやっぱりブランコで繋がっているんだろう。暗いところもありつつ、でも悪くない。すごく面白い!と感じる作品かどうかは分からないけれど、死については結構深く書かれている。何か得るものはあるんじゃないかな。 またいつか読み直してみたら感じられるものも変わってくるかも。

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    投稿日: 2014.09.28
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    児童書のようなタッチで言葉が運ばれていくのに、背景にある闇が深い話だった。いしいしんじさんの作品を読んだのは二作目だけど、これがいしいしんじ作品の独特な雰囲気なんだろうなと思う。夜のシーンが印象的な作家さん。 弟はお姉ちゃんが大好きで、お姉ちゃんも弟が大好き。二人を中心とした、あたたかい家族のお話でした。最初の一通目が弟の最後の物語だったなんて、読んでる最中は全く気付かなかった。 そして、弟が動物の声を聞けるようになったあたりから、いつか壊れてしまうんじゃないかってあぶなっかしくて、見守るようにページを進めた。 お姉ちゃんは最後、弟に会えたのかな。

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    投稿日: 2014.09.24
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    ゆるい童話みたいなものかなと思ってみたけれど そのかげにあるお話はとても深い夜のようだった。 展開に驚きが隠せず 話をつなぐ一本の糸はとても繊細。 なにを伝えるか、読み取るまではいけなかったので また時間をおいて読みたいなと思う。

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    投稿日: 2014.09.13
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    たまに、「愛らしい装丁や優しげな文章がまるで児童書のようですらあるんだけど、よくよく読んでみると内容が思いのほかエグかったりして、なんだか寝首を掻かれたような気持ちになる本」ってあるじゃないですか。 「日常にちょっと疲れちゃった大人がふと童心に返って開きたくなる、だけど決して子ども向けじゃない童話」と云うか。 そういうお話です。 どういうスタンスで臨んだらいいのかが非常に難しい。 無邪気に読むには残酷過ぎるし、論理で読むには感覚的過ぎる。 でも、主人公の祖母は好き。このバアさんに出会えただけでも、この本を読んで良かったなあと思うんです。

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    投稿日: 2014.08.31
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    2007/09/20 『おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、ほかでもない、すてきなことだとおもうんだよ』 この言葉だけで、涙が出る。 いしいしんじの小説は、優しくて痛くて、さみしくてあったかくて、いとしい。 9月19日 読み返してみた。 つめたかった。 さみしかった。 何だか今回は、すごくさみしさを感じた。 みんなみんな孤独で、弟はそれに気づいてしまったのでは。 必死に手を伸ばして。 命がけで手をつないでいたんだ。 ちょうどいい引力。 なんて難しい。 果てしない孤独、その中で手を一瞬つなぎ合わせる喜び。 きっと本当はみんな、ぶらんこに乗っているんだ。 だから、人を、ぬくもりを、笑い声を求めるんだ。

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    投稿日: 2014.07.21
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    文庫の表紙、刺繍がとても可愛らしい そして、著者の名前を反対から読んで見たりもした。 不思議なお話でした。 彼のお話の中で「うたうゆうびんはいたつ」が好き。 そして「ローリング」は怖い・・・。あれ、本当なのかなぁ?? 本当なの? 指の音 って名前の犬がいるのだけれどすごく不思議な犬で でも指の音が自分の体の右側半分の伝言を人に読ませる時の仕草がリアルに想像できてクスっと笑える。可愛い犬。 お母さんとお父さんからの手紙が素敵だった。 弟の寝ていたぶらんこの木が屋根までついててストーブも置けるってトコが全く想像できなかった。 ぶらんこが揺れたら屋根も揺れる仕組なのかな? 私の中では小屋みたいなイメージになってるんだけどブランコこいでるしなぁ。 とにかく不思議な世界でした。  「絵」も笑えます。 物語作家さん なんですって。 納得。

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    投稿日: 2014.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いしいしんじの「ぶらんこ乗り」。言葉っていうのは世界とつながるためのツールなんだなーと改めて。声を失った弟は、世界と関わる術を失いかけて、けれど自分が存在する術を物語に託した。あっち側の引力に逆らって、物語を通じて手を差し伸べて、それを姉は無意識のうちに掬い上げていた。 後半につれて、姉があっち側に引き込まれそうになっていく。それを今度は弟が物語で掬い上げる。姉弟はまるで二つのぶらんこのように近づいては離れてを繰り返して、それでも物語を通じて一瞬一瞬、いのちがけで手を繋いでいた。最期には大きく振れて離れていたぶらんこが近づいて行って!何というか!すごいやさしくて素敵な文章にぐっと引っ張られていつのまにか読み終わってたのでありました。弟の作る話ぜんぶぐっときてしみるけど「手を握ろう!」がいっとう好き。

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    投稿日: 2014.06.07
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    小学生の姉と弟の物語。賢い弟は声を失い、物語を綴るようになる。姉弟を襲った悲劇と気持ちの揺れ動きが、読む人の心を揺さぶります。いしいしんじさんの作品を読むのは2つ目ですが、子どもの目から見た大人の姿を繊細に描いているように思います。

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    投稿日: 2014.02.23
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    おはなしを書くのが得意で、指を鳴らすのが得意で、何よりぶらんこに誰よりも上手く乗る弟のことを、姉の視点から一人称で語った作品。途中まではなんて怖い小説だろうかと思った。(雰囲気も文体もどちらかと言えば明るいのに、何故か滲み出てくる暗さ)。 ただ途中から、その滲み出てくる暗さの中に、筋の通った何かがあるような気がした。登場人物がみんな魅力的で(特におばあちゃん)、凛として気高くて、読んでいるうちにどんどん引きつけられる。物語の終わりも絶妙な余韻を残して終わる。

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    投稿日: 2014.02.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    かなり特殊なテイストな小説。 男の子の方に感情移入できず。 最初の台風の日記の 「ぎょそんのみんなはふねをくいにしばり、やねをしゅうぜんし~」で、 漁村とか修繕って言葉がわかって、漢字はひらがなという時点で既に 飛び級少年の設定に違和感を感じた。 ゾウのローリングは面白くて少年の設定が わかりやすく出てる部分だと思った。

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    投稿日: 2014.02.09
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    心温まる、切ない話だった。 でも所々ちょっと笑える表現もあったり。 私はそこまで感情移入は出来なかった…。

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    投稿日: 2014.02.04
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    いしいしんじ作品、初読です。「大人の絵本」という表現に納得。なるほどー!少年のこわれもののような繊細な心があぶなっかしくて、のめりこんでしまっていました。著者の他の作品も読んでみたいです。

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    投稿日: 2013.10.13
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    読み終わったり観終わって 叫び出したくなる作品は本当に少ない。 これはそのひとつ。 漫画家が好きな漫画家というものがあるけど、 いしいしんじはきっと小説家が好きになるタイプの小説家。 器量良しの姉に天才の弟、 伝説の画家の娘で絵描きの母と額縁職人の父、 田舎料理が得意な肝っ玉おばあちゃん、 どこか過剰でどこか足りない登場人物たちが、 限りなく優しい視線で描き出される。 完璧に研ぎ澄まされた言葉のリズム。 半分の犬 なんて、そんな日本語ある?

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    投稿日: 2013.09.27
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    後ろの解説者によると、作者は「偉大なウソツキ」とか……。なるほど。 身近にありそうな世界に共感したくなる感覚と、これは物語なんだ、という部分の、境目が分からなくなる微妙な感じ?優しいような、厳しい、残酷なような、不思議なお話でした。

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    投稿日: 2013.09.26
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    自分には合わんかった。ヤングアダルトらしいので自分の年齢からすると合わんで当然なんやろなぁ。 ところで、この話の舞台は何処なんやろ?自分の周りで「飛び級した」って話を聞いた事が無いので日本以外の国?自分の周りがアホだらけやっから飛び級した人を知らんだけ? とりあえず、いしいしんじ作品を何冊か読んでみようと思う。

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    投稿日: 2013.09.23
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    昔読んで無くしてもう一回買って読んだ本。 弟が書くお話がいちいち面白い。象のローリングのお話、手をにぎろう! のブランコ乗りのふたりのお話。好きだなぁ。ラストはゆっくりじっくり噛み締めて読みました。小さい頃おばあちゃんが死んじゃった時の事思い出しました。「時間が経てばなにかが変わるなんて信じられる状態じゃなかった」って、昔同じ事考えた時、あったけ。

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    投稿日: 2013.09.22
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    不思議な作品  主人公が作るショートショートがなかなかおもしろい。ふわふわ感があっていい味だ。ホントかな?と思ったら、動物の話はホントだそうな。  また、ストーリーもいい。生き物の声が聞こえるなんていいじゃないか。いや、向こう側の声が聞こえるんだな。驚きの展開もさらっと語られる。そして、主人公が書いてくれた手紙。ここが一番じわっときたなぁ。後の手紙も向こう側からの手紙かなぁと思うな。  その後は、そのまま流れに沿って。なんだかよくわかんないエンディングなんだが、向こう側との境界を雹や雪で示す感じは好きだな。  1,001冊目はなかなかいい物語だった。満足だ。

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    投稿日: 2013.08.22
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    途中で少し飽きてしまいましたが弟のその後が気になり、結局最後まで読んでしまいました。 抽象的な表現が多いので、一度読んだだけではなかなか著者の真意がつかめませんが それもまたこの作品の魅力なのかなと思いました。 おばあちゃんの「往復ビンタ」の話はとても印象的で頭から離れません。 同時に象の「ローリング」も頭から離れません…。

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    投稿日: 2013.08.21
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    声を失った弟。 指の音を鳴らすのが得意で、ぶらんこが好きで、動物の話がわかる弟。 「あっちがわ」の引力にぐっとたえて、孤独を背負って、ノートにお話を書く。 おねえちゃんがよんで、わらうのがすきなんだ。 半分過ぎたくらいからずっと泣きっぱなしで読みました。 なんでかなあ。 悲しいの一言では表せない不思議な世界観。 子どもの頃の気持ちに戻ったような…漠然とした不安とか不気味さがありました。 最初は弟の作る話がわからなかった。 読み進めて、弟が得体の知れない何かを背負って、それでもおねえちゃんのためにお話を書いてるっていうのがわかって。 自分にも弟がいるからかな、何だか言葉で言い表せない、 悲しい、温かい、切ない、ごめんね、さみしい、ありがとう、とか、いろんな感情をまぜたような気持ちになって、涙が出てきました。 「最後のおはなし」は号泣。 弟は全身全霊でおねえちゃんを支えたんだ。 弟はもういない。 あっちがわに引っ張られちゃったのかな。 だけど、 きっと行ったり来たり。 ぶらんこ乗りみたいに。 全体の至るところにハッとさせられたりうんうんって頷けたりする、ちっちゃい宝石みたいな言葉が散りばめられていました。 他の方のレビューを見ると、弟が作る1つ1つのおはなしからもっと何かを感じ取れれば…と思ったので、今回は☆は4つで。 素敵なお話でした!

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    投稿日: 2013.07.24
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    ハワイ島で読んだ。悲しい話なのに何故か明るい気持ちに慣れた。この本はニューヨーカーの英語講師に勧めらた。童心を忘れてない自分がいて安心した。

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    投稿日: 2013.07.10
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    なんて不思議な世界観。この人の物語はファンタジーだけど、現実の、そんなに甘くない世の中もおり込めてるから好きなのかな?非現実的だけど、私もこんな不思議な体験できるんじゃないかな?でもやっぱりお姉さんの気持ちを考えると切なく淋しいから、私の身には起きないでいいや。

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    投稿日: 2013.07.10
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    「ずっとゆれているのがうんめいさ。  けどどうだい、すこしだけでもこうして」 「おたがいにいのちがけで手をつなげるのは、  ほかでもない、すてきなこととおもうんだよ」 ぼくは、おねえちゃんがよんで、わらうのがすきなんだ。 このよでいちばんすきなこえさ。

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    投稿日: 2013.07.10
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    「トリツカレ男」が面白くて買った2冊目のいしいしんじさん作品、これだ!と唸らされた本。 やはり会話文的な書き方が読みやすくて感情移入しやすい。 動物の話を聞き取ることができる弟が何か背負ってるのが気になって、まだ読み取れてないのかなと思う。 また読む時には何か見つけたい。

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    投稿日: 2013.06.22
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    非現実的なのに、中には少しの現実味が混じってて、読んでる内に引き込まれる感じ。何度も読み返したくなります。

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    投稿日: 2013.06.19
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    きっとみんな行ったり来たりしているんじゃないかな。本を読むことによっても、そうだ。帰ってくる理由になる、人がほしいなあ。

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    投稿日: 2013.06.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    うーん……うーん…… よく分からなかった。 雹をのどにくらって声が出なくなり、昏睡状態から目覚めたら幽霊(主に動物)が見えるようになっていた弟。 夜な夜な現れる動物の幽霊から話を聞き、姉を喜ばせるためにお話を作った。 両親が海外旅行中に事故で死に、姉が落ち込んでいたので元気づけるために、両親から送られてくる葉書を受け継ぎ、姉に手紙を出した。 (もしくは 弟が元気づけるために姉に手紙を書こうとしたところに、引力によって引き寄せられた両親の手紙が届きだした。) その後 弟は飛び級で12歳で大学に入り、音信不通。 ある雪の日、ついに帰ってきた(と思う)。 あの世とこの世を行き来する弟。 ついに姉の前から姿を消してしまった。 ぶらんこで言うと、漕ぎすぎて地面と平行になってしまうくらい遠くにいってしまったということ(?) だから戻ってくるのも時間がかかり、何年も経ってからやっと帰ってきたよ。 ということなのかしら。 あまりに分からな過ぎて自分で分かりやすいようにまとめてみたけど、やっぱわからん。 ごめんなさい、ムリでした。

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    投稿日: 2013.06.02
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    表紙やタイトルから想像してたよりもハード。 あの子が作ったお話はどれも不思議でありそうでなさそうで。 感じていた不安みたいなものがなんとなくぼんやりと、でも強烈に伝わってくる。 日本のような日本じゃないような空気の舞台。 安定しないぶらんこの上、ぐらぐらとあちらとこちらを行ったり来たり。 みんな行ったまま帰ってこなかった。 でもぶらんこだから、いつかこっちに戻ってくるのかもしれない。

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    投稿日: 2013.05.26
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    ゆっくり進む物語に、はじめは少しもどかしかった。 ラスト。 「死」と「ふるえ」と「引力」あたりの表現のしかたがとてもぐぐっと来ました。 引力で引き寄せられるように、落ちるように、読み切ってしまった。

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    投稿日: 2013.05.01
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    いしいしんじさんの作品で初めて読んだのが「ぶらんこ乗り」。 素直にこの人の世界がすごいと思ってしまった。 思いやる気持ちが本当に素敵。 後ろで摑まえていてくれる人は自分にはいるんだろーかって考えさせられた。 最後の終わり方、私は嫌いじゃない。 弟の書く話がすごい。どこまでが本当なんだろう?? すごい気になる・・・動物園で象の近くにあの物体があったら 絶対目をそむけてしまう。。。 非現実的な話だから、無理な人には無理かもね...

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    投稿日: 2013.04.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    4歳にして大人向けの本まで読んでいる頭のいい弟。 事故で声を失い、でも動物と話ができるようになった。つくり話の天才。天使みたいだった弟が、この世につかまろうと必死でのばしていた小さな手。 読み始めてすぐ世界に引き込まれました。 弟が姉の喜ぶ姿が見たくて書いたお話がまたステキ。 私だったら自分より頭のいい弟に劣等感を抱いて好きになれないと思ったけど、この弟はお姉ちゃんが大好きで、それがわかるから、お姉ちゃんも弟を大切に思うんだろうなと……お姉ちゃんに感情移入してすごく弟を愛しく感じました。 私の1番のお気に入りは『うたうゆうびんはいたつ』というお話。 声失っても気にしていない様子だった弟の本音だと思った。 さてさて、本の裏側のあらすじを読んで、まさか弟が死んでしまうのかも……と覚悟していたところに横からパンチをくらいました。不意打ち。 私はこの作品を通して、小学生の頃の気持ちとか、姉と弟の絆とか、言葉でまとめられない「ふるえ」を感じました。 増田喜昭さんの解説に、『偉大なウソツキいしいしんじ』と書かれていて、 えーっ、弟のお話はウソだったの?!本当のことかもしれないと思っていたから驚いた。 いしいしんじさんの筆力に引き込まれました!!

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    投稿日: 2013.04.25
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    始終やさしい語り口調、その中にある不気味さ、引力のお話。 電車のなかで、凝り固まっていた感情がほぐされたような心地よさを感じた魅力的な物語でした。とてもすきでした。

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    投稿日: 2013.04.05
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    やわらかい物語口調だけども、しっかりと重みのあるメッセージが詰まっている。 いしいしんじさん、まだ二冊目だけども彼の書く本が好きかもしれないと思った。 弟の残したノートに書かれた言葉たち。そこからこの物語は始まっていくわけなのだが、正直、誰がどうとか、動物が、人間がという細かいことはあまり印象にない。この本では死生観というものを“重み”で捉えているのではないかと思った。 物語に出てくる動物のお話は感情的というよりかは物質的な存在で、かつ物理的でもない気がした。言葉にするのが難しいのだが、、、、血が流れた体を必死に維持することのエネルギーが伝わったと言えば良いのだろうか。 彼の本に対してきちんとレビューが書けるような脳がほしい。。。

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    投稿日: 2013.03.30
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    キャラクターが奇抜さで、サーカスを連想させる雰囲気があった。 犬の名前には驚いた。 あれだと、すこし読みにくいけどね。 サーカスのすこし不気味な雰囲気もまたあった。 幻想的なのに現実的で児童的なのにすこし暗い部分のある小説。 姉の視点からみた弟。 「ほんとのようなうそ」なのか「うそのようなほんと」なのか。 そんなことは当人にしか分からないとそういうことなんだなと思う、極論的には。 辻仁成のミラクルが好きな私はこの本も好きだ。 面白かったし感動した。 最後の急→緩はいい意味で裏切られて後味が幻想的なサーカスを観た後のようだった。

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    投稿日: 2013.03.28
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    ぶらんこに乗って、あちら側とこちら側を行き来すること。 それはまるであの世とこの世を行き来するようなことに似てる。 言葉を発すること、時々億劫になる。億劫になっても僕らには文字がある。

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    投稿日: 2013.02.23
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    心がざわざわする本。 何度も物哀しい気持ちになってしんどいなと思ったけど、後半とても引き込まれた。 近しい人を改めて大切にしたいという気分になる本。

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    投稿日: 2013.02.21
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    1ページめから、もうぐっときてしまいました。こんなふうに感じさせてくれる作家さんなかなかいないです。いしいしんじさんがますます大好きになりました! 一回読むだけじゃ足りないです。何度も何度も味わいたい素敵なお話。 2023.1.5再読 前回この本を読んだのが10年前ということに驚く。 内容はすっかり忘れてしまっていたので初めて読むような気持ちで読めた。 キラキラといつまでも胸の中に残る余韻が心地いい作品。 主人公や指の音は最後また弟に会えたのかなぁ。 宝物のような愛おしい作品です。

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    投稿日: 2013.02.18
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    主人公による回想は切なく、無くしたものを愛しむように語られる。当時小1、小2の天才少年がのこした、ユーモラスで時にほのかにグロテスクな小説を読み返しながら、書かれた頃の思い出を語る。 切ないまま、不思議な出来事に小学生の(回想している今は高校生の)繊細な心を震わせながら物語は進む。 すごく、読後感が良かった。 綴られるのは幸せいっぱいの話なんかじゃない。でも、読み終わった後には、陳腐だけど、ああこういう事があって今があるんだって気持ちや、肯定感があった。 爽やかな空気をそのままに、切なさを幸せに転じたエピローグが素敵で、とても心地よかった。

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    投稿日: 2013.02.09