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イン・ザ・メガチャーチ
イン・ザ・メガチャーチ
朝井リョウ/日経BP
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総合評価

514件)
4.5
281
150
41
2
2
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    推し活界隈を知らないまま読み始めて、特に中年の危うさ(主人公の一人のなんともいえないリアルな孤独感、娘との関係、かっての同僚とのやりとり、若者との距離感)は共鳴した。

    5
    投稿日: 2025.09.08
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    読んでいてめちゃくちゃ怖くなったし、疲れた。笑 強烈な読書体験。自分がアイドル推してる身として登場人物に入れ込みながら読んでしまったからか。 オーディション派生グループのファン構造≒現代の日本社会(一部の人間が多くを支えている)という見方は今までしたことがなかった。 どの角度から見ても間違いなく本質的に正しい答えはないし、視野が広いとか狭いとかはもうよく分からないけど、今感じてる自分の気持ちは本物なんですよね。 人生に正解がないからこそ、人との繋がりだったり、共感だったりを求めてしまう。 今の不安定な社会だからこそ、視野を狭めて「これにハマっていることは幸せなんだ」と、自分の中で物語を作り上げる。それに没入することが幸せだと思い込む。 なるほどなあ一理ある。 俗に言う「スピってる」とか「氣づいてしまっている人」と冷笑されてる人達の考えていることも全部載ってて、なんか…ホントすごい。 キャラクターの社会的立場とか人物像が文章越しでも映像化できるくらいリアルに浮かび上がってくる感じした。 なんだか結局似ているのか、似ていないのか分からない人達が出てきたけども、 立場や環境が変われば、例えば絢子が慶彦になる可能性もあったし、逆も然りかと。 (物語に飲まれる側⇔物語を作り視野を狭めさせる側) あとBloome。J〇1-I〇Iすぎない?笑 I〇Iのメンバーと朝井リョウさん前対談してたから、その時改めて取材したんじゃないか?ってくらい ファン層含めて、アイドルへの解像度が高すぎてビビった。 ファン層5分類の考え方も面白かった。(①プロデューサー②アナリスト③学級委員④疑似恋愛⑤信徒) 全部あーいるいる!Xのあの人だー!って感じだけど、実際は③と④を兼任してたり、その時の状況によっても一概にこの人は全部このタイプ!とは言えないと思う。笑 澄香のパートは読んでいてとても辛かった。 実際に行動はしないのに知識のない人にマウントを取るように色々口出し、偉そうに見下し、勝手にあとから疲れるという…。 INFPみんながこうじゃないと思うんだけど、確かにこういう考え方しちゃうと生きづらそうだな、、と追体験してしまい辛くなった。 父慶彦のパートは……読み進めるのがつらくてしんどくて……実際こういう人って少なくないと思うんだけど、言葉を選ばず言うと最後らへんなんて一種の現代ホラー小説だと思った。 以下、心に残ったフレーズ。 【人生の後半に顔を出すのは、これまでやってきたことよりもこれまでやってこなかったこと】 【我を忘れて何かに夢中になっている方が、楽】 【自分以外の誰かと一つの同じ物事を同じ目線で見つめることができる時間はすごく貴重】 【視野を拡げたことで見つけた正解はあまりに正解すぎて、実践し続けることが難しい。】

    32
    投稿日: 2025.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    それこそ経済学者みたいなひとが書く新書のようなありのままの現代が背景としてそこにあり、救いのなさでたたみかけられるエンドに完全に吸い取られる。彼ら彼女らの救いは描かれず、もはや存在しないのだからそれでいいが、しばらく引き摺る。(そう考えると生殖記の光のあるエンドはとても心地よかった) 何ヶ月で書いたんですか?と問いたくなるほど身に覚えのあるエピソードが出てくる。2年前くらいからの社会の動きが、もう朝井リョウには見えていたんだなと思う。何よりも朝井リョウの「視野」と、紡ぐ「物語」に脱帽するばかりである。 自分の人間としての終わっている部分、社会の終わっている部分から目を逸らすために何かに熱狂して盲目になりたいんだよな〜、本当に

    4
    投稿日: 2025.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    なんだこれ!? 読みすすめるにつれ、危うさいっぱいの展開にヒヤヒヤ。 そうなんです。私も実は我に返りたくないんです。 朝井リョウさんの文章が、濃淡あれど自分と重なる部分もあって、胸が痛かったです。

    16
    投稿日: 2025.09.07
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    SNSによって誰もが物語を発信できるようになり、世の中は物語で溢れる時代になりました。その結果、私たちは「これが答えだ」「こう生きるのが正解だ」といった主張にも、常に対抗し得る物語を思い浮かべられるようになってしまったわけです。こうして、正解を盲信できた時代が終わり、私たちは目指すべき正解が失われた時代を生きているのではないでしょうか。 正解が失われた世界で絶対の正解を求めてさまよう人もいれば、ありもしない真実を見つけてしまう人もいるわけですが、マジョリティはそんなものは存在しないとあきらめて自分の中に正解を求めるようになるのではないかと思います。 ただ、自分がどうあれば満足なのかというのはそれはそれで回答が難しいので、多くの人は自分を何かしらの中毒にすることで自分を使い切って満足感を得るのではないでしょうか?本書で触れられているように、「我を忘れずに生きるには人生は長すぎる」のですから。 個人的には上記が一番印象に残りましたが、自分と他人を上手く区別できていない人や、現実を直視しないためと人との関係性を保つために怪しい活動に参加したりする人がいそうだというのはちょっと驚きましたね。 あと、正しくありたいがためにストレスをためて他人にマウントを取らねばならないってのはどうなん?と思いました、心の底から楽しんでできることに終始しておけばいいのにねと思ったり。まぁ、私も仕事は嫌々やってますが糊口を凌ぐ必要はありますからね。

    6
    投稿日: 2025.09.07
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    読んでて怒られている気持ちになった、どの角度からも刺さる人がいっぱいいると思う、最近の出来事に対する無意識な違和感諸々を言語化されたかんじ、私これ読まなきゃいけない?みたいな気持ちと先に進みたいという気持ちが、、推し活で人生に旗を立てている感覚という表現が印象に残った

    5
    投稿日: 2025.09.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    私は、視野を拡げることが良いことだと思っていたけど、視野を拡げることも視野を狭めることも両極端にいるようで本質的には変わらない。というか、本質は自分が見極めて見出したものが本質だと思った。そこに費やす心の余白がどれくらいあるのによって人々を盲目的にも理性的にもさせる。その過程に、それぞれの登場人物のカルタシスを感じた。

    4
    投稿日: 2025.09.06
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    一気に読んだ。ただし、アラカン世代なので、SNS用語をはじめとしたカタカナ語をiPhoneで調べながら読んだ(笑) 世の中のあるあるが、くっきりとした物語になっていて気分がよかった。知っている人の中に、三人によく似た人がいる。 それぞれの神に従い、この後どこへ行くのかな?

    2
    投稿日: 2025.09.06
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    朝井リョウのデビューしたての頃の青々しい文章が大好きだった。正欲の頃からまた青さプラスアルファに伸びているように勝手に読んでいたけれど、凄みを持った青さがデビュー15年目で読めると思わず超嬉しかった!私は推しのいる人が羨ましいと思っている。本文であるように、視野が狭い方が生きやすく、辛くなる必要がない。それでも、狭めた先で見るものは、遠くでなくて近い方がいいとも思う。遠くは見えない、目が悪いから。入り込めない。だから私は小説を読むんだと思う。近くの文字で、遠くの物語に入り込む。エンタメとして昇華できる。それくらいの距離感で。自分を語りたくなる、というか、騙りたくなる本でした

    4
    投稿日: 2025.09.06
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    とうとう出版ですね 自分は新聞で毎日追っかけていました 怖かったなぁ 面白いんだけど怖い所は読み飛ばし汗 以下は連載時の感想です 話題になってるし読もうかなって気にはなるけど手付かずの作家さん この頃ラジオでもおしゃべりされています 執筆に関しての考えを聞いてから 作品を読むと面白さが倍増しますね こういうスタイルは群像劇っていうようです 現在連載を追っかけているのですが 登場人物それぞれの思考が語られています 著者自身ひとつの考え方ではない ホントいろいろです

    1
    投稿日: 2025.09.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    推し活と貧困と浪費と、コミュ障と孤独の話。 40代後半のバツイチ中年オヤジは音楽会社のスタッフ部門。離婚した嫁について行った娘と月一でビデオ通話。娘は小学校時代から変わらず他の子とは違い優秀だと信じる。自分は孤独。そんな中ある男性アイドルグループを特別戦略を三人で描くチームに入れられる。熱狂的な信者ファンを誘導して金をいっぱい落としてもらう。 派遣社員の30代後半女性と先輩女性は、若い俳優を推すがそいつが自殺して絶望する。その自殺も嘘だったと信じて、死者の霊と喋れるという人に騙されて金を奪われ、反日団体に混ざって金も何もかもを奪われる。 40後半おっさんの娘は実は留学も出来なさそうだし重いし急にヘラるから周りから引かれる。バ先の頭緩い同僚と一緒にいて内心バカにする。その同僚の推してたアイドルを推すことになる。父親が特別戦略してる。こっそり父親から金貰って推す。最後渋谷で顔が見えそうなところで終わり。 朝井リョウっぽい作品。劇的なシーンが浮かぶ。映像化されそう。スカッとはしないよねーモヤッとしつつ、テーマがあるから考えさせられる。

    2
    投稿日: 2025.09.05
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    「新書」×「物語」 =この小説 現代の社会問題と思想を切ったり分析したりする「新書」的な要素が溢れている。 「陰謀論」「推し活・投げ銭」「社会格差」「なんでも言い切ってくれる論破への依存」「ステレオタイプな世代論」「愛国的・亡国的極右思想」「国際問題の無知と無関心、押し付け」「溶ける脳みそ」「チャーチマーケティング」「幸福論」「終わらない成長追求思想」そして「孤独、孤立」。 これでもかと盛り込まれた"新書"で論じるような数々の現代令和の社会課題の因果と報応を、複数の登場人物の視点を交錯させ、そして物語として一つにまとめ上げる。 こんな離れ業をやってるのがこの小説。 構成としては「正欲」と同じ。同じだが、この小説で扱っている題材たちのほうが多くの人には馴染みやキョリ的な近さがあると思う。それ故に身近な怖さを感じる。最後のページで、「こわっ。。」と呟いてしまった。 有給で得た1日を使って、読み切った。 面白いというよりもずっと頭に残るし、私の今後の考え方や認知に良くも悪くも影響を与えると思う。 朝井リョウさんって同い年なんだけど、すげー。すげーし怖い。。

    34
    投稿日: 2025.09.04
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    「何者」出版から13年、当時は想像出来なかった時代が来ました… 朝井リョウ先生の時代の流れを物語にする力は凄まじいものだと思います。 推し活文化が認められるようになって、若い後輩たちは堂々と推し活に時間とお金をかけるようになりました。 理解できるものもあれば、出来ないものも有り… 「再生回数を回すために一日中動画を付けっぱなしにする」と聞いた時は、本当なんだ…と驚きました。 どれだけお金と時間を掛けるかが重要な推し活文化。 宗教沁みてるなぁとは思っていましたが、 「イン・ザ・メガチャーチ」とはよく言ったものです。 久しぶりに読み応えのある物語を読みました。

    21
    投稿日: 2025.08.12
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    推し活、ユーチューバー、スパチロ、エゴサなど現代若者特有の物語が進行してゆく日経連載、作家生活15周年朝井リョウさんとても読み応え十分な傑作をぜひあなたも読んでみて下さい。

    7
    投稿日: 2025.08.11